最強のカップルはただ単に楽しみたい ~最強(トール)と天魔(パートナー)の学園無双~
第二章 ~入学直後~ 7 ライナル先生
「おい……おい!」
「……誰だ?」
目の前にいる男に気づき、顔を上げた相馬から咄嗟に出たのはそんな言葉だった。頭を押さえながら、その男は言う。
「私はこのクラス、一年十三組担当のゼイク・ライナルだ。……とりあえず、そっちの子を正気に戻してくれないか?」
「あー、それは無理だわ。本を読んだりしてるならともかく、単純に考え込んでる場合は有効な対処法はないからな」
「……そうか、分かった。で、お前らは誰だ?」
若干疲れたような表情でライナル先生は尋ねた。相馬は不思議そうな表情を浮かべ、彼に向かって言う。
「あんたのクラス、この教室の生徒に選ばれた黒星相馬だ。あ、因みに生まれは和の国だから、相馬が名前な。で、こっちが俺の彼女のノイ・ホワイト」
「お前が和の国の出身なんてことは、その黒髪と名前の響きで分かるわ! それと、そっちの子がお前の彼女だってこともどうでもいい 」
「あ、そう。ま、そりゃあ分かるよなー。この学園に来てからした自己紹介で、わざわざ説明したのは今回だけなのに、みんな分かってたし。……ところで、他の生徒たちはいないんだな? もしかして、入学式ってまだ終わってないのか?」
一言付け加えておくと、相馬に悪意は全く無い。しかしその言葉は、ライナル先生をキレさせるのに十分な効力を持っていた。
「お前らのせいだよ 学園長の頼みだからわざわざ二人分のスピーチの時間を作ったのに、全然来ないとかふざけてんのか 」
「いや、そんなことは知らんし」
司書のレカルにそのことを聞いた上で行かなかったのにも関わらず、相馬は白々しくもそう言った。そのことに気づく手段をライナル先生は持たなかったが、だから言って彼の怒りが収まるわけでもなかった。
「だとしても、だ! 新入生が入学式に出ないとか、ふざけてんのか 」
「いやだって、最終的に成果さえ出れば、授業に出なくていいって言ってたし」
「誰だ、そんなことを言ったのは 」
「ケイロ学園長だな」
そう言った途端、ライナル先生は黙った。もう、なんと言うべきか分からなくなったらしい。
「というか、俺たちのスピーチを無くせば良かったんじゃないのか?」
「……それは私も思った。だが、予定がそうである以上は、その予定に沿ってやるべきだと言う馬鹿が多くてな」
「その前に、学園長によって予定が変更されているのにか?」
「理屈が通用するような相手ではない、ということだ」
「なるほど……」
そう呟いた後、相馬は大きな笑みを浮かべた。嫌な予感が、ライナル教師の背中を走る。
「おい……お前、一体何をするつもりだ?」
「ノイは思考に集中していて、いつその状態から抜け出すかは不明。しかし俺一人で言っても、結局のところそいつらは納得しない。……となれば、俺が言ってそいつらを黙らせたら解決だろ?」
「……は 」
「ってことで、行くぞ。あ、引き留めても無駄だからな」
「いや、確かに面倒な奴らだから黙らせてくれるのはありがたいんだが……彼女、放っておいていいのか?」
そう言って、ライナル教師は座ったまま動かないノイの方を見た。相馬は笑って、彼に向かって言う。
「問題ない。考え事が終わったら、勝手に探して追ってくるだけだろうからな。ってことで……行くぞ?」
「あ、ちょっと待て 」
ライナル教師のそんな言葉など聞かず、相馬は入学式が行われている場所、『総合会場』に向かって颯爽と走り出した。
まぁ……そういうことです。
前回の問題の答えは、主人公二人のせいでした。はい
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
        
        
「……誰だ?」
目の前にいる男に気づき、顔を上げた相馬から咄嗟に出たのはそんな言葉だった。頭を押さえながら、その男は言う。
「私はこのクラス、一年十三組担当のゼイク・ライナルだ。……とりあえず、そっちの子を正気に戻してくれないか?」
「あー、それは無理だわ。本を読んだりしてるならともかく、単純に考え込んでる場合は有効な対処法はないからな」
「……そうか、分かった。で、お前らは誰だ?」
若干疲れたような表情でライナル先生は尋ねた。相馬は不思議そうな表情を浮かべ、彼に向かって言う。
「あんたのクラス、この教室の生徒に選ばれた黒星相馬だ。あ、因みに生まれは和の国だから、相馬が名前な。で、こっちが俺の彼女のノイ・ホワイト」
「お前が和の国の出身なんてことは、その黒髪と名前の響きで分かるわ! それと、そっちの子がお前の彼女だってこともどうでもいい 」
「あ、そう。ま、そりゃあ分かるよなー。この学園に来てからした自己紹介で、わざわざ説明したのは今回だけなのに、みんな分かってたし。……ところで、他の生徒たちはいないんだな? もしかして、入学式ってまだ終わってないのか?」
一言付け加えておくと、相馬に悪意は全く無い。しかしその言葉は、ライナル先生をキレさせるのに十分な効力を持っていた。
「お前らのせいだよ 学園長の頼みだからわざわざ二人分のスピーチの時間を作ったのに、全然来ないとかふざけてんのか 」
「いや、そんなことは知らんし」
司書のレカルにそのことを聞いた上で行かなかったのにも関わらず、相馬は白々しくもそう言った。そのことに気づく手段をライナル先生は持たなかったが、だから言って彼の怒りが収まるわけでもなかった。
「だとしても、だ! 新入生が入学式に出ないとか、ふざけてんのか 」
「いやだって、最終的に成果さえ出れば、授業に出なくていいって言ってたし」
「誰だ、そんなことを言ったのは 」
「ケイロ学園長だな」
そう言った途端、ライナル先生は黙った。もう、なんと言うべきか分からなくなったらしい。
「というか、俺たちのスピーチを無くせば良かったんじゃないのか?」
「……それは私も思った。だが、予定がそうである以上は、その予定に沿ってやるべきだと言う馬鹿が多くてな」
「その前に、学園長によって予定が変更されているのにか?」
「理屈が通用するような相手ではない、ということだ」
「なるほど……」
そう呟いた後、相馬は大きな笑みを浮かべた。嫌な予感が、ライナル教師の背中を走る。
「おい……お前、一体何をするつもりだ?」
「ノイは思考に集中していて、いつその状態から抜け出すかは不明。しかし俺一人で言っても、結局のところそいつらは納得しない。……となれば、俺が言ってそいつらを黙らせたら解決だろ?」
「……は 」
「ってことで、行くぞ。あ、引き留めても無駄だからな」
「いや、確かに面倒な奴らだから黙らせてくれるのはありがたいんだが……彼女、放っておいていいのか?」
そう言って、ライナル教師は座ったまま動かないノイの方を見た。相馬は笑って、彼に向かって言う。
「問題ない。考え事が終わったら、勝手に探して追ってくるだけだろうからな。ってことで……行くぞ?」
「あ、ちょっと待て 」
ライナル教師のそんな言葉など聞かず、相馬は入学式が行われている場所、『総合会場』に向かって颯爽と走り出した。
まぁ……そういうことです。
前回の問題の答えは、主人公二人のせいでした。はい
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
        
        
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