最強のカップルはただ単に楽しみたい ~最強(トール)と天魔(パートナー)の学園無双~

志水零士

第一章 ~入学試験~  20 残されたフェイロ

「とりあえず、お主は合格なわけじゃが……儂は学園の者ではあっても、試験官ではないのでな。ちょっとややこしい手続きが必要になるのじゃ。すまんが、儂について来てもらっても構わんかの?」
「もちろんいいが……ノイも一緒でいいよな?」
「ああ、当然じゃ」

 許可をもらえたので、相馬はノイに向かって大きく手を振り、遠くに見える建物を指差してみせた。それに気づいたノイは、フェイロに向かって言う。

「どうやら、ここでお別れみたいなの。合格したからにはまた会うこともあるだろうし、その時にでも、また」
「あ、はい。また今度、お話しましょう」
「ん」

 そしてノイは二人の方に向かうと、一緒にこの場から去って行った。残されたフェイロは、周囲を見渡して小さくつぶやく。

「それにしても、酷い状況ですね……」

 さきほど相馬に浴びせられた無数の攻撃によって、周囲の至る所がボコボコだった。場所によっては、焦げているところもある。
 地面の焦げは、雷撃や炎の矢によるものだ。氷の槍はその熱を受けて気化したため、形が残っているのは石弾だけである。

「かなり荒れちゃってますけどこれってあのお爺さんがやったことですし、さすがに相馬さんの責任になったりは……しませんよね? ……いや、あの人たちだったらそんな不合理な話には納得しないでしょうし、無理やり責任を負わせられそうになったら、返り討ちするだけですね。気にするだけ無駄ですか」

 薄情ともとれる言葉だが、実際その考えは間違っていない。「まぁ二人なら大丈夫か」という考え方が出来ないと、二人と付き合っていくことなんて出来やしない。

「……そう言えば、二人のインパクトが強すぎて意識していませんでしたが、よくよく考えたらあの人も尋常じゃない強さでしたよね。結構、有名な方だったりするのでしょうか?」

 フェイロは必死に思い出そうとしたが、どうにもあの攻撃方法に合致する現夢想マジックを持つ覚醒者ブレイバーに覚えはなかった。

「よくよく考えたら、あの人って突然現れましたよね。ますます分からなくなりました……」

 若干落ち込むフェイロだったが、ふとあることに気づき、考えを改める。

「あの人が突然現れた時、相馬さんは冷静でしたが、ノイさんはかなり驚いていました。相馬さんは知っていたが、ノイさんは知らなかった? もしそれくらい知られていない人なら、私が考えても無駄ですね。次あった時にでも聞いてみるとして……現実逃避は、ここらへんで終わりにしておきますか」

 周囲はほとんど荒れているが、ノイによって守られていた場所だけは荒れていない。その一角に、横たわる人が一人。

「先生……早く起きてくれませんかね。試験が終わった後に何をすればいいのかとか、何も聞いていないんですから、どうするべきかさっぱりですよ」

 そう言って、フェイロは小さく溜息を吐いた。





はてさて、しばらく後書きをコピペしてたんですが、いつまでそんなことをするわけにはいきませんからね。ちゃんと書きます。

既にお爺さんの正体に気づいてる人、いますかね? ま、いたからなんだって話でもないんですが。
ただ、感想欄には一定の配慮を願います。まぁ、感想欄に何か書き込んでく人ととかいないんですが、念のため。
感想とか、待ってますよ? どしどしください。

最後に、いつもの奴を

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