最強のカップルはただ単に楽しみたい ~最強(トール)と天魔(パートナー)の学園無双~
第一章 ~入学試験~ 11 試験開始
「よし、ここらへんでいいだろう。お前ら! やる気がある奴から、順番に並べ 他の人の試験も見えるように、真っ直ぐと並べよ!」
しばらく歩いたあと、教師が大声で叫んだ。かなり、熱血漢な教師らしい。
「えっと、もっと前に並ばなくて良かったんですか?」
周りの受験者たちは我先にと、出来るだけ前に並んだ。その方がやる気があると判断されて、評価が向上すると考えたのだ。
しかし相馬とノイは、迷わず最後尾に向かったのだ。黙ってついて来たフェイロだったが、さすがは疑問には思っていたらしい。
「やる気がある奴は、前に行く。じゃあ、進んで後ろにいる奴はどんなやつだと思う?」
「……やる気がない人、ではないすよね。そもそもここにきている時点で、ある程度のやる気があるはずですし。……自信がない人、じゃないですか?」
「いや、違うな。正解は、自信がある奴だ。やる気なんて評価されなくても、入学できるって自信がな」
「なるほど……いえ、ちょっと待ってください! それって何の利点があるんですか 」
フェイロが大声でそう叫ぶと、相馬は淡々と告げる。
「そんなもの無いぞ。ただ、自信過剰な可能性を考えて厳しめに評価されるだろうし、それなり本気を出してくるかも……ま、俺たちからしたら、やりがいがあってありがたいんだけど」
「……ただの教師に、あんまり期待しない方がいいと思うの」
ノイが呟いた直後、一人目の男子が教師に向かって殴りかかっていった。同時に、割とポピュラーな現夢想である、炎を操る現夢想による攻撃を放つ。
火炎弾と拳による、二方向からの攻撃。教師はそれを、ある程度の余裕をもって避けた。
ある程度の攻防の後、試験は終わった。教師が合格を告げると、その男は満面の笑みで列に戻って来た。
「ああ、確かに駄目だな」
「まぁ、ある意味当然なの」
「……何故ですか? ほとんどの攻撃をかなり余裕を持って避けていましたし、十分強かったと思うのですが」
「いや、受験生をあしらえるくらいの実力は当然なんだよ。あそこは、ぎりぎりで避けるくらいの心の余裕がないと。その余裕がなかった時点で、実力なんてたかがしれてるからな」
「一応、危険を限界まで減らしたかった可能性はあるけど、そんな人が、私たちとまともな戦いをしてくれるわけがないの。……まぁ、あんな大声で叫ぶ先生が危険度計算なんてしているとは思えないから、単に実力不足なだけだとは思うけど」
実のところ、ある程度の距離が離れているのに、余裕を持って避けていたか否かが判断できるというのは、かなり凄いことだ。遠距離特化の現夢想を持つ者でも、そうはいない。
しかし、二人が常識外の化け物だったために、フェイロ自身もその凄さに気づくことはなかった。それどころか情報の受け取り方に訂正を入れられることとなったのだ。
「なるほど……というか、何で教えてくれなかったんですか? 言われていたら、絶対前に行っていたのに」
フェイロはそう言って、不満げな表情を浮かべる。しかしそれは、理不尽な言葉だ。
「別に俺は、ついて来いなんて言ってないぞ。お前が勝手について来ただけだ……無条件で人のことは信じるのは、あまりいいとは言えないな」
「ええ……」
「ところでだが、お前、本当にその場所でいいのか?」
相馬とノイの後ろをついて来たため、フェイロがいるのは、一番目立つ列の最後。その前にノイがいて、更に前にいるのが相馬だ。
「……前に入れてください。お願いします」
「ああ、いいぞ」
憎々しげな表情だが、しかし礼儀は忘れず、小さく礼までする。そんなフェイロの律儀な姿に、相馬は思わず笑いを漏らした。
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
   
しばらく歩いたあと、教師が大声で叫んだ。かなり、熱血漢な教師らしい。
「えっと、もっと前に並ばなくて良かったんですか?」
周りの受験者たちは我先にと、出来るだけ前に並んだ。その方がやる気があると判断されて、評価が向上すると考えたのだ。
しかし相馬とノイは、迷わず最後尾に向かったのだ。黙ってついて来たフェイロだったが、さすがは疑問には思っていたらしい。
「やる気がある奴は、前に行く。じゃあ、進んで後ろにいる奴はどんなやつだと思う?」
「……やる気がない人、ではないすよね。そもそもここにきている時点で、ある程度のやる気があるはずですし。……自信がない人、じゃないですか?」
「いや、違うな。正解は、自信がある奴だ。やる気なんて評価されなくても、入学できるって自信がな」
「なるほど……いえ、ちょっと待ってください! それって何の利点があるんですか 」
フェイロが大声でそう叫ぶと、相馬は淡々と告げる。
「そんなもの無いぞ。ただ、自信過剰な可能性を考えて厳しめに評価されるだろうし、それなり本気を出してくるかも……ま、俺たちからしたら、やりがいがあってありがたいんだけど」
「……ただの教師に、あんまり期待しない方がいいと思うの」
ノイが呟いた直後、一人目の男子が教師に向かって殴りかかっていった。同時に、割とポピュラーな現夢想である、炎を操る現夢想による攻撃を放つ。
火炎弾と拳による、二方向からの攻撃。教師はそれを、ある程度の余裕をもって避けた。
ある程度の攻防の後、試験は終わった。教師が合格を告げると、その男は満面の笑みで列に戻って来た。
「ああ、確かに駄目だな」
「まぁ、ある意味当然なの」
「……何故ですか? ほとんどの攻撃をかなり余裕を持って避けていましたし、十分強かったと思うのですが」
「いや、受験生をあしらえるくらいの実力は当然なんだよ。あそこは、ぎりぎりで避けるくらいの心の余裕がないと。その余裕がなかった時点で、実力なんてたかがしれてるからな」
「一応、危険を限界まで減らしたかった可能性はあるけど、そんな人が、私たちとまともな戦いをしてくれるわけがないの。……まぁ、あんな大声で叫ぶ先生が危険度計算なんてしているとは思えないから、単に実力不足なだけだとは思うけど」
実のところ、ある程度の距離が離れているのに、余裕を持って避けていたか否かが判断できるというのは、かなり凄いことだ。遠距離特化の現夢想を持つ者でも、そうはいない。
しかし、二人が常識外の化け物だったために、フェイロ自身もその凄さに気づくことはなかった。それどころか情報の受け取り方に訂正を入れられることとなったのだ。
「なるほど……というか、何で教えてくれなかったんですか? 言われていたら、絶対前に行っていたのに」
フェイロはそう言って、不満げな表情を浮かべる。しかしそれは、理不尽な言葉だ。
「別に俺は、ついて来いなんて言ってないぞ。お前が勝手について来ただけだ……無条件で人のことは信じるのは、あまりいいとは言えないな」
「ええ……」
「ところでだが、お前、本当にその場所でいいのか?」
相馬とノイの後ろをついて来たため、フェイロがいるのは、一番目立つ列の最後。その前にノイがいて、更に前にいるのが相馬だ。
「……前に入れてください。お願いします」
「ああ、いいぞ」
憎々しげな表情だが、しかし礼儀は忘れず、小さく礼までする。そんなフェイロの律儀な姿に、相馬は思わず笑いを漏らした。
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
   
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