最強のカップルはただ単に楽しみたい ~最強(トール)と天魔(パートナー)の学園無双~
第一章 ~入学試験~ 9 グループ分け
「よし。これで大丈夫だろ?」
「え、えっと……」
男が気づいたときには、既に相馬の瞳はもとの状態に戻っていた。言葉の意味が分からず、彼は戸惑いの声を上げる。
「入試で落ちることに、今、恐怖はあるか?」
相馬にそう言われ、彼ははっと気づいた。さっきまで感じていた緊張、落ちることへの恐怖が消失している。
「あ、ありません。……でも、どうして……」
「緊張感っていうのは、言い換えれば今後の何かに対する恐怖だからな。恐怖を感じる基準を無理やり上げてしまえば、ほとんどのことには、緊張を覚えなくなるってわけだ」
「な、なるほど……参考になります!」
彼は素直、それもかなりヤバイレベルだった。彼のその反応に対して、ノイはジト目で言う。
「……いや、そんなことを出来るのは相馬くらいだと思うし、参考にするべきじゃないと思うけど」
「で、ですよね。ははは……」
頭を掻きつつ、彼は苦笑を浮かべる。その姿を見て、相馬は笑った。
「やっぱ、面白いな。お前、名前は何ていうんだ?」
「フェ、フェイロです。フェイロ・ネイテル」
「そうか。俺の名前は黒星相馬。こっちがノイ・ホワイトだ。……っと。もう少し話をしていたいところなんだが、そろそろ教師が来るな」
「……そう、ですね」
前の方から順々に、百人ごとのグループに分けていた教師たちだったが、いつのまにか目に入るところまで来ていた。すぐに彼らのところに来ることはないだろうが、さすがに話している暇はない。
「列から外れてたとかでケチをつけれるかもしれないし、もとの場所に戻ってた方がいいぞ」
「あ、そうですね。……色々と、ありがとうございました」
「ああ。わざわざ恐怖への体勢をつけてやったんだ。思う存分、やってこい」
「はい、頑張ります!」
そしてフェイロは、もとの場所に戻って行った。その後ろ姿に目をやる相馬に、ノイは問いかける。
「彼のこと、気に入ったの?」
「まぁな。……俺たちが緊張感が無さ過ぎて目立っていたのは、多分事実なんだろう。だが、話しかけて来たのはフェイロ一人だ。それだけでも十分凄いのに、フェイロは変な自負心を捨てて、俺に向かって頭を下げたんだ。フェイロのことを認めるには、十分な行動だろう?」
「……かつ、彼の性格が気に入ったから、名前を聞いたってわけなの?」
「そりゃあそうだ。ただの真面目君なんて、面白くないからな」
全く隠さず、相馬はそう答えた。つまり相馬がフェイロに名前を聞いたのは、言葉の通り面白そうだったからなのである。
「正直、私はフェイロのことを認めてはいないんだけど」
「別にいいんじゃないか? 俺も興味があるだけで、認めてるかっていうと微妙なところだしな」
「そう。それじゃあ一応、気にしておく程度に見ておくの」
「ああ、それでいいと思うよ」
そんな話をしてからしばらくして、一人の教師がやって来た。教師が分けた百人グループには、相馬とノイ以外に、もう一人。
「お、同じグループでしたね……」
「……よくよく考えれば、百人グループだもんな。そんなに遠いわけでもなかったんだから、同じグループになる可能性は十分あったか」
「グループって言葉に、惑わされてたの……」
「だな。ま、だからって別に何かがあるわけでもないんだがな」
「それもそうなの」
「で、ですね……」
そんなことを話しながら、三人は他の受験者とともに、教師の後を追った。
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
        
「え、えっと……」
男が気づいたときには、既に相馬の瞳はもとの状態に戻っていた。言葉の意味が分からず、彼は戸惑いの声を上げる。
「入試で落ちることに、今、恐怖はあるか?」
相馬にそう言われ、彼ははっと気づいた。さっきまで感じていた緊張、落ちることへの恐怖が消失している。
「あ、ありません。……でも、どうして……」
「緊張感っていうのは、言い換えれば今後の何かに対する恐怖だからな。恐怖を感じる基準を無理やり上げてしまえば、ほとんどのことには、緊張を覚えなくなるってわけだ」
「な、なるほど……参考になります!」
彼は素直、それもかなりヤバイレベルだった。彼のその反応に対して、ノイはジト目で言う。
「……いや、そんなことを出来るのは相馬くらいだと思うし、参考にするべきじゃないと思うけど」
「で、ですよね。ははは……」
頭を掻きつつ、彼は苦笑を浮かべる。その姿を見て、相馬は笑った。
「やっぱ、面白いな。お前、名前は何ていうんだ?」
「フェ、フェイロです。フェイロ・ネイテル」
「そうか。俺の名前は黒星相馬。こっちがノイ・ホワイトだ。……っと。もう少し話をしていたいところなんだが、そろそろ教師が来るな」
「……そう、ですね」
前の方から順々に、百人ごとのグループに分けていた教師たちだったが、いつのまにか目に入るところまで来ていた。すぐに彼らのところに来ることはないだろうが、さすがに話している暇はない。
「列から外れてたとかでケチをつけれるかもしれないし、もとの場所に戻ってた方がいいぞ」
「あ、そうですね。……色々と、ありがとうございました」
「ああ。わざわざ恐怖への体勢をつけてやったんだ。思う存分、やってこい」
「はい、頑張ります!」
そしてフェイロは、もとの場所に戻って行った。その後ろ姿に目をやる相馬に、ノイは問いかける。
「彼のこと、気に入ったの?」
「まぁな。……俺たちが緊張感が無さ過ぎて目立っていたのは、多分事実なんだろう。だが、話しかけて来たのはフェイロ一人だ。それだけでも十分凄いのに、フェイロは変な自負心を捨てて、俺に向かって頭を下げたんだ。フェイロのことを認めるには、十分な行動だろう?」
「……かつ、彼の性格が気に入ったから、名前を聞いたってわけなの?」
「そりゃあそうだ。ただの真面目君なんて、面白くないからな」
全く隠さず、相馬はそう答えた。つまり相馬がフェイロに名前を聞いたのは、言葉の通り面白そうだったからなのである。
「正直、私はフェイロのことを認めてはいないんだけど」
「別にいいんじゃないか? 俺も興味があるだけで、認めてるかっていうと微妙なところだしな」
「そう。それじゃあ一応、気にしておく程度に見ておくの」
「ああ、それでいいと思うよ」
そんな話をしてからしばらくして、一人の教師がやって来た。教師が分けた百人グループには、相馬とノイ以外に、もう一人。
「お、同じグループでしたね……」
「……よくよく考えれば、百人グループだもんな。そんなに遠いわけでもなかったんだから、同じグループになる可能性は十分あったか」
「グループって言葉に、惑わされてたの……」
「だな。ま、だからって別に何かがあるわけでもないんだがな」
「それもそうなの」
「で、ですね……」
そんなことを話しながら、三人は他の受験者とともに、教師の後を追った。
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