Time Synchronicity
EP7.ずれた時間
「免許か・・・まぁ、何かしなくちゃいけないのはわかるんだけどな」
翌日は休日だった大希。
珍しく部活動もないとうことで家で1人、お気に入りのソファーでスマートフォンを眺めながらバイクの免許を取るべく、教習所を調べていた。
「今更免許は・・・面倒なんだよな。一発試験にチャレンジしてみようかな・・・」
免許を取った時の教習は楽しかったが、ツーリングの楽しみを知ってしまった大希にとって教習が退屈であることは容易に想像ができた。
しかし、部活動のため年間の休日が20日ないくらいの生活をしていたため、一発試験も面倒であることには違いはない。
一発試験とは、免許センターで行われている試験のみで免許が取得できる夢のような制度だ。
免許を持っていた大希にとっては、受かる可能性が十分ある。
しかし、実施される日程の確保や、「必ず一度は落とされる」という噂を聞いて取得は難しいのではないかと感じていた。
そんな中、スマートフォンに一通のメッセージが届く。
莉緒からだった。
-見て?これ 笑-
画像が添付されていたので開いてみると、ギプスで固定された足首が映し出されていた。
大希はすぐさま莉緒に電話をかけた。
「どうしたんだよ!怪我するなんて」
率直に莉緒に疑問を投げかけた大希。
「昨日マンションの階段踏み外しちゃって。ってかなんでそんなに驚くの?未来は知っているんじゃないの?」
そのセリフに大希はハッとした。
別れてから莉緒がどんな生活を送っていたかはわからないが、この時期に莉緒が怪我をするというのはなかった出来事だ。
「莉緒が大怪我するっていうのは知らなかったよ。まさか・・・」
大希は過去に見た様々な小説やアニメで見たタイムリープについての知識を頭の中でかき集めた。
「もしかすると、時間軸がズレたのかも・・・ってか莉緒は生活できるのか?」
「なんとか大丈夫だよ。ってかもう付き合ってもいないのに異性に生活の面倒を見てもらうわけいかないからね。」
莉緒の言葉に、昨日カミングアウトしたことが大希の頭に鮮明に蘇る。
「昨日部屋を出て行く時に気をつけてねの一言もなかったから文句言うために画像送ったんだけど、知らなかったみたいだね。」
莉緒はどことなく寂しい雰囲気で大希に話しかけた。
「色々と考えなければいけないこともあるけど、とりあえず前にいた世界の通りにはならないことがわかったよ。」
大希は冷静さを取り戻して答えた。
「とにかくお大事にしてくれ。望まないのに行ったら迷惑行為にひっかかっちゃうもんね。」
一度言い始めると突き進む莉緒の性格上、お大事にとしか大希は言えなかった。
「そうだよ。じゃあまたね。」
そう言うと、大希が返答する前に電話を切られてしまった。
いつもの莉緒の電話の癖だ。
「前の世界で怒らなかったことが現実に起きている・・・もしかして・・・」
大希は前に知ったバタフライ効果という話を思い出していた。
ブラジルで蝶が羽ばたいた時におこったわずかな風がどんどん大きくなり、テキサスで竜巻になるか?という話だ。
つまり、大希がタイムリープして過去に戻ったという出来事であっても、世界中に影響を及ぼす可能性があるということだ。
現実に、大希がタイムリープしていなければ莉緒は部屋に来なかったので、足を怪我することもなかったということだ。
「そうなるとタイムリープしたが元の世界とは全く別の世界を生きることになるってことなのか?」
そう思いながら、一方では違った考えも生まれていた。
「出来事はあらかじめ決まっていて、最も自然な方法で訪れるという話もあったな。」
莉緒が足を怪我するという未来は決まっていたが、それが前の世界では別れた後に訪れる出来事だった。
しかし、それ以上に失恋と夜中という条件下で元の世界で起こった怪我よりも自然な形で訪れるタイミングがあったので昨日怪我をしたということだ。
「どちらにしても俺がタイムリープしたことで完全に世界線がズレているらしいな・・・」
元々この手の話は好きで詳しかった大希だが、現実に起こったことに戸惑いを隠せないでいた。
「全く新しい世界・・・美月には会うことができるのだろうか・・・」
そう考えているうちに、そのままベッドで寝てしまった。
翌日は休日だった大希。
珍しく部活動もないとうことで家で1人、お気に入りのソファーでスマートフォンを眺めながらバイクの免許を取るべく、教習所を調べていた。
「今更免許は・・・面倒なんだよな。一発試験にチャレンジしてみようかな・・・」
免許を取った時の教習は楽しかったが、ツーリングの楽しみを知ってしまった大希にとって教習が退屈であることは容易に想像ができた。
しかし、部活動のため年間の休日が20日ないくらいの生活をしていたため、一発試験も面倒であることには違いはない。
一発試験とは、免許センターで行われている試験のみで免許が取得できる夢のような制度だ。
免許を持っていた大希にとっては、受かる可能性が十分ある。
しかし、実施される日程の確保や、「必ず一度は落とされる」という噂を聞いて取得は難しいのではないかと感じていた。
そんな中、スマートフォンに一通のメッセージが届く。
莉緒からだった。
-見て?これ 笑-
画像が添付されていたので開いてみると、ギプスで固定された足首が映し出されていた。
大希はすぐさま莉緒に電話をかけた。
「どうしたんだよ!怪我するなんて」
率直に莉緒に疑問を投げかけた大希。
「昨日マンションの階段踏み外しちゃって。ってかなんでそんなに驚くの?未来は知っているんじゃないの?」
そのセリフに大希はハッとした。
別れてから莉緒がどんな生活を送っていたかはわからないが、この時期に莉緒が怪我をするというのはなかった出来事だ。
「莉緒が大怪我するっていうのは知らなかったよ。まさか・・・」
大希は過去に見た様々な小説やアニメで見たタイムリープについての知識を頭の中でかき集めた。
「もしかすると、時間軸がズレたのかも・・・ってか莉緒は生活できるのか?」
「なんとか大丈夫だよ。ってかもう付き合ってもいないのに異性に生活の面倒を見てもらうわけいかないからね。」
莉緒の言葉に、昨日カミングアウトしたことが大希の頭に鮮明に蘇る。
「昨日部屋を出て行く時に気をつけてねの一言もなかったから文句言うために画像送ったんだけど、知らなかったみたいだね。」
莉緒はどことなく寂しい雰囲気で大希に話しかけた。
「色々と考えなければいけないこともあるけど、とりあえず前にいた世界の通りにはならないことがわかったよ。」
大希は冷静さを取り戻して答えた。
「とにかくお大事にしてくれ。望まないのに行ったら迷惑行為にひっかかっちゃうもんね。」
一度言い始めると突き進む莉緒の性格上、お大事にとしか大希は言えなかった。
「そうだよ。じゃあまたね。」
そう言うと、大希が返答する前に電話を切られてしまった。
いつもの莉緒の電話の癖だ。
「前の世界で怒らなかったことが現実に起きている・・・もしかして・・・」
大希は前に知ったバタフライ効果という話を思い出していた。
ブラジルで蝶が羽ばたいた時におこったわずかな風がどんどん大きくなり、テキサスで竜巻になるか?という話だ。
つまり、大希がタイムリープして過去に戻ったという出来事であっても、世界中に影響を及ぼす可能性があるということだ。
現実に、大希がタイムリープしていなければ莉緒は部屋に来なかったので、足を怪我することもなかったということだ。
「そうなるとタイムリープしたが元の世界とは全く別の世界を生きることになるってことなのか?」
そう思いながら、一方では違った考えも生まれていた。
「出来事はあらかじめ決まっていて、最も自然な方法で訪れるという話もあったな。」
莉緒が足を怪我するという未来は決まっていたが、それが前の世界では別れた後に訪れる出来事だった。
しかし、それ以上に失恋と夜中という条件下で元の世界で起こった怪我よりも自然な形で訪れるタイミングがあったので昨日怪我をしたということだ。
「どちらにしても俺がタイムリープしたことで完全に世界線がズレているらしいな・・・」
元々この手の話は好きで詳しかった大希だが、現実に起こったことに戸惑いを隠せないでいた。
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