Time Synchronicity
EP0.プロローグ〜タイムリープの朝〜
『ピピピッ・・・ピピピッ・・・ピピピッ・・・』
部屋に鳴り響く目覚まし時計の音に、大希は無理矢理意識を取り戻す。
なんとか手探りで目覚まし時計を止め、妙な違和感を覚える。
「あれ?この目覚まし捨てなかったっけ?」
手に取ったのは、半年前に捨てたはずの目覚まし時計だった。
彼女の美月が目覚ましの音が気に入らないと言って、普段はスマートフォンの目覚まし機能に頼りっきりだった。
しかし、先ほどまで大音量で大希の眠りを阻止したものはスマートフォンではなく捨てたはずの目覚まし時計だった。
「どうなってんだよ・・・」
捨てたはずの目覚まし時計が手元にあることに違和感を覚えつつ、体を起こしあたりを見回す。
「これって・・・どういうことだ?」
部屋を見渡すと、置いてあるものや衣類に違和感を感じた。
そこには以前使用していたものばかりが置いてあり、ここ最近購入したものはどこにも見当たらない。
「俺が引っ越してきてすぐの部屋じゃねぇか・・・まさか!!!」
スマートフォンを探し当てて画面を表示させる。
しかし、操作に戸惑いを覚えていた。
使い慣れたスマートフォンではなく、以前使用していた別機種だったからだ。
さらに、表示を見た大希は混乱を覚えた。
「2015年?は?今は2020年だろ?しかも6時って・・・遅刻じゃねえか!」
混乱を覚える中、大希は起きる予定だった時間を大幅に過ぎていることに気づいた。
以前は高校で数学の教師に就いていた大希だったが、教師に失望して全く別の業種に就いたばかりだった。
起床予定時刻は5時にも関わらず、現在は6時である。
「さすがにまずいだろ・・・急げば間に合うか・・・ん?」
スマートフォンをよく見ると、すでに過去に追いやった名前が表示されていた。
-莉緒  
ちゃんと起きた?昨日遅かったんでしょ?遅刻しないでね?-
「莉緒だって?なんで今更こいつの名前が・・・」
5年前に別れたはずの莉緒の名前がそこにあった。
「ちょっと待てよ・・・冷静になれ・・・今は・・・2015年なのか・・・?」
部屋の環境やスマートフォンの表示、さらには元カノからのメッセージを見て今が2015年であることを感じ始めていた。
さらにテレビをつけるとニュース番組が流れている。
「マイナンバー発行?今更?マイナンバーカードなんて教師やってた時に冬休み中に取りに行って・・・」
信じられないことではあるが、今いる世界が2015年であることを少しずつ信じ始めている。
「そういえば昨日、美月と話したせいか変な夢を見たような・・・」
昨日は寝る間際に美月と電話をしながら、先日見た映画の内容であるタイムリープについて話をしていた。
「もし時間が戻ったら、大希はいつに戻りたい?」
「そうだなぁ、5年前くらいがいいんじゃないかな?」
「けどそれだったら、私と会う前ってことだよね・・・」
こんな会話をしていたためか妙に5年前を意識してしまい、夢で5年前のことを鮮明に見ていたのだ。
「こんなことって・・・けど、もし本当に5年前だったとしたら出勤先は学校なのか?」
頭が混乱し、何をして良いのかわからない状況ではあったが、朝起きて仕事へ行かなければならないという本能だけは残っているらしい。
「まずは学校へ行ってみるか・・・」
身支度を整える途中も、5年前に身の回りにあったものばかりであり、最近購入したものは一切ない。
そんな時、スマートフォンが着信を告げる。
スマートフォンを見ると、『莉緒』という文字が表示されている。
「ちょっと!起きてるの!?起きてるなら返信くらいしなさいよ!」
声を聞いた瞬間、懐かしさを覚える。
しかし、今がいつなのかということと、莉緒の怒りが懐かしさを払拭させる。
「あぁ、ごめん。ちょっと寝坊して急いで準備してたんだ。ところで莉緒、今年って何年だっけ?」
「は?寝ぼけてるんじゃないの?2015年でしょ!高校教師が聞いて呆れるんだけど!」
この感じは間違いなく莉緒だ。
そして、莉緒いわくやはり今は2015年らしい。
「ありがとう。じゃあ、仕事行ってくるね。わざわざ電話してくれて・・・」
「こっちも忙しいの!じゃあね!」
言い終わる前に電話を切られてしまったが、これで莉緒は通常モードなのだ。
「じゃあ俺は・・・学校に出勤するのか・・・」
小さな頃から教師を夢見て努力してきたが、教育業界に失望して退職したばかりの大希である。
出勤することに足が重くなるのも無理はない。
「けど5年前ってことは・・・美月は高校生か?」
昨日までは最愛の彼女であった美月は17歳の高校2年生だ。
そして高校教師である大希は27歳であり美月とは出会う前。つまり赤の他人だ。
おまけに莉緒という1つ上の彼女がいるのが2015年の状態だ。
「あぁ・・・どういうことなんだ?いよいよ混乱してきた・・・・」
莉緒との別れの原因を回避することは可能である。
しかし、昨日まで愛していた人は赤の他人の美月だ。
さらに教師と高校生の恋愛など認められるはずもない。
発覚した時点で報道レベルの犯罪である。
「まずは仕事に・・・けど・・・あぁぁ」
大希は混乱しながら職場である学校へ向かった。
部屋に鳴り響く目覚まし時計の音に、大希は無理矢理意識を取り戻す。
なんとか手探りで目覚まし時計を止め、妙な違和感を覚える。
「あれ?この目覚まし捨てなかったっけ?」
手に取ったのは、半年前に捨てたはずの目覚まし時計だった。
彼女の美月が目覚ましの音が気に入らないと言って、普段はスマートフォンの目覚まし機能に頼りっきりだった。
しかし、先ほどまで大音量で大希の眠りを阻止したものはスマートフォンではなく捨てたはずの目覚まし時計だった。
「どうなってんだよ・・・」
捨てたはずの目覚まし時計が手元にあることに違和感を覚えつつ、体を起こしあたりを見回す。
「これって・・・どういうことだ?」
部屋を見渡すと、置いてあるものや衣類に違和感を感じた。
そこには以前使用していたものばかりが置いてあり、ここ最近購入したものはどこにも見当たらない。
「俺が引っ越してきてすぐの部屋じゃねぇか・・・まさか!!!」
スマートフォンを探し当てて画面を表示させる。
しかし、操作に戸惑いを覚えていた。
使い慣れたスマートフォンではなく、以前使用していた別機種だったからだ。
さらに、表示を見た大希は混乱を覚えた。
「2015年?は?今は2020年だろ?しかも6時って・・・遅刻じゃねえか!」
混乱を覚える中、大希は起きる予定だった時間を大幅に過ぎていることに気づいた。
以前は高校で数学の教師に就いていた大希だったが、教師に失望して全く別の業種に就いたばかりだった。
起床予定時刻は5時にも関わらず、現在は6時である。
「さすがにまずいだろ・・・急げば間に合うか・・・ん?」
スマートフォンをよく見ると、すでに過去に追いやった名前が表示されていた。
-莉緒  
ちゃんと起きた?昨日遅かったんでしょ?遅刻しないでね?-
「莉緒だって?なんで今更こいつの名前が・・・」
5年前に別れたはずの莉緒の名前がそこにあった。
「ちょっと待てよ・・・冷静になれ・・・今は・・・2015年なのか・・・?」
部屋の環境やスマートフォンの表示、さらには元カノからのメッセージを見て今が2015年であることを感じ始めていた。
さらにテレビをつけるとニュース番組が流れている。
「マイナンバー発行?今更?マイナンバーカードなんて教師やってた時に冬休み中に取りに行って・・・」
信じられないことではあるが、今いる世界が2015年であることを少しずつ信じ始めている。
「そういえば昨日、美月と話したせいか変な夢を見たような・・・」
昨日は寝る間際に美月と電話をしながら、先日見た映画の内容であるタイムリープについて話をしていた。
「もし時間が戻ったら、大希はいつに戻りたい?」
「そうだなぁ、5年前くらいがいいんじゃないかな?」
「けどそれだったら、私と会う前ってことだよね・・・」
こんな会話をしていたためか妙に5年前を意識してしまい、夢で5年前のことを鮮明に見ていたのだ。
「こんなことって・・・けど、もし本当に5年前だったとしたら出勤先は学校なのか?」
頭が混乱し、何をして良いのかわからない状況ではあったが、朝起きて仕事へ行かなければならないという本能だけは残っているらしい。
「まずは学校へ行ってみるか・・・」
身支度を整える途中も、5年前に身の回りにあったものばかりであり、最近購入したものは一切ない。
そんな時、スマートフォンが着信を告げる。
スマートフォンを見ると、『莉緒』という文字が表示されている。
「ちょっと!起きてるの!?起きてるなら返信くらいしなさいよ!」
声を聞いた瞬間、懐かしさを覚える。
しかし、今がいつなのかということと、莉緒の怒りが懐かしさを払拭させる。
「あぁ、ごめん。ちょっと寝坊して急いで準備してたんだ。ところで莉緒、今年って何年だっけ?」
「は?寝ぼけてるんじゃないの?2015年でしょ!高校教師が聞いて呆れるんだけど!」
この感じは間違いなく莉緒だ。
そして、莉緒いわくやはり今は2015年らしい。
「ありがとう。じゃあ、仕事行ってくるね。わざわざ電話してくれて・・・」
「こっちも忙しいの!じゃあね!」
言い終わる前に電話を切られてしまったが、これで莉緒は通常モードなのだ。
「じゃあ俺は・・・学校に出勤するのか・・・」
小さな頃から教師を夢見て努力してきたが、教育業界に失望して退職したばかりの大希である。
出勤することに足が重くなるのも無理はない。
「けど5年前ってことは・・・美月は高校生か?」
昨日までは最愛の彼女であった美月は17歳の高校2年生だ。
そして高校教師である大希は27歳であり美月とは出会う前。つまり赤の他人だ。
おまけに莉緒という1つ上の彼女がいるのが2015年の状態だ。
「あぁ・・・どういうことなんだ?いよいよ混乱してきた・・・・」
莉緒との別れの原因を回避することは可能である。
しかし、昨日まで愛していた人は赤の他人の美月だ。
さらに教師と高校生の恋愛など認められるはずもない。
発覚した時点で報道レベルの犯罪である。
「まずは仕事に・・・けど・・・あぁぁ」
大希は混乱しながら職場である学校へ向かった。
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