オルトロス・ノエル

つかっちゃ

入学



「────以上で入学式を閉会いたします。新入生の皆さんは出口を出てすぐ隣にクラス分けを張り出していますので、確認でき次第教室へ向かってください」




入学式が終わった。
学長からあの後制服を受け取ると近くの更衣室で着替えたのだが、これまでボロ布の様な服ばかり着ていたのかずっと違和感がある。

白のシャツの上には所々金の刺繍が施してあるブレザーにベージュのスラックス、首には純白のスカーフ、黒の革靴。

どれを取ってもかなり上質で、他の学園生が着るような普通の制服じゃないように思えた。


入学式は基本退屈でぼーっとしていたがひとつだけ覚えているのは、ジュディが首席で入学生代表挨拶をしていた事だった。
首席だからなのか、襟元には黄金といくつかの宝石で出来ているバッチをつけていてジュディの風貌とよくマッチしていた。

元兄として見るなら、あいつは根は努力家で俺以外の人間には基本人当たりが良い様なので普通に優等生なのだろう。見た目も良いので既に女子生徒の目がハートになりつつあった。



(もし、学園内でアイツに会ったらなんて会話すればいいのだろうか……………無視?でもアイツが無視すっかなぁ)

なんてジュディと鉢合わせたときの事を考えているとクラス分けの紙が張り出された場所に着いた。
クラスは大まかに分けて3つ。


メインは武術で足りない所を魔法で補う、所謂戦士タイプの魔法使いを育成する“シルバークラス”。

魔法にのみ特化し理論や魔法の応用を学ぶ、純魔法使いを育成する“ゴールドクラス”。


そしてその2つのクラスで特に成績優秀な生徒のみが入る事ができ、現役の宮廷魔道士や騎士団の人達と実践訓練、迷宮探索など更に一歩踏み込んで学習できる“クリスタルクラス”。


内訳としてはシルバーが4組まであり、ゴールドは5組まで、クリスタルは1組のみ。
1組30人ずつ居るので計300名の学園生が、一年に三度あるクラス替えに向けて全力で勉学に励んでいるのである。

因みに複数クラスのあるゴールドやシルバーはより1組に近いほうが優秀らしい。



閑話休題。




俺は張り出された紙を見て自分のクラスを探した。


…………ああ、あった。

俺はシルバーの1組らしい。

同年代の人と戦ったのはジュディが初めてだったので、普通の同級生達は一体どのくらいの魔法を使いこなし、剣やその他の武術の腕について全くわからない。
だがきっと1組に入ってくる様な生徒は俺なんかが手出しもできない程強いと思う。


今日から4ヶ月みっちり心身ともに鍛え、7月に行われるクラス分けのテストでどうにか1組に残れるように頑張ろうと心に決め、1年1組シルバークラスの教室に向かった。







******************






教室に入るとある程度の生徒が既に来ていて、段状に並べられている席に疎らに腰掛けていた。ノエルが席に着き5分もしない程度で全員集まったのか男性教師が入ってきた。

身長は俺と同じ位だが、がっしりとした筋肉があるせいか大きく見える。獅子のようなオレンジの髪の毛と、頬にある大きめな切り傷の痕のせいで得も言われぬ圧力を感じる。

「新入生の諸君。入学おめでとう。俺はこのシルバー1組の担任になるリュークだ。ここの卒業生で、現在はここサンドロスの隣であるセキローで騎士団に籍を置いているが、一昨年に騎士育成の任を受けてここに戻ってきた。ひとまずよろしく頼む」

自己紹介を終えたリューク先生は手元の資料に目を落とすと、進行を始めた。

「それじゃあこれから最低でも4ヶ月は共に学ぶ仲間だ、自己紹介をしようか」

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