覚醒屋の源九郎 第一部
決着
「やべえ!スピードが付きすぎて止まれねーーーっ!」
「キラーン!」勢いの止まらない悟空はそのまま進行方向の山の方まで飛んで行ってしまった。
「ヴァガガガオオオーーーッ!!!」
ヴァルカンが断末魔の叫び声を上げ前のめりにゆっくり倒れ込む。
「ズドォーーーーーーーーン!」
その巨体が地面触れた瞬間、爆音と爆風が発生して、焼け野原となった城下町の残り火が吹き飛ばされ消滅した。
全ての力を使い尽くして気絶してしまっていた太公望は、上空にふわふわと浮く觔斗雲の上で横に倒れて身動き一つしない。
暫くしてジオンとミリシャが遠く離れた避難場所から飛んで来て、太公望の安否を確かめる。
「やったな太公望!おい、生きているか?」
呼びかけるが全く反応がない。
心配したミリシャが太公望の耳元で呼び掛けようとした時...
「zzz...ZZZ...zzz...ZZZ...」
イビキをかいて寝ていただけであった。
「あ〜もう、心配損だ。でも生きててくれて良かったよ」
ミリシャは太公望をすっかり気に入ってしまったようである。
「ミリシャ、こいつを雲ごと城まで運ぶぞ」
「あいよ」
こうして太公望は無事に城まで運ばれ、ダークエルフの苦手ではあるが少しは効果のある回復魔法で応急処置を受けた。
アザーム国王ダリクは、太公望と悟空がヴァルカンと戦っている最中、ジオンらに救出され健在であったが酷く落胆していた。
王国の国民ほぼ全員が城に集まっていたのだが、残念ながら全体の人数はヴァルカン襲撃前の半分以下になってしまっていたのである。
「まさかこんな日が来ようとは...」
ダリクは城上層の外に出て立ち竦み、苦痛の表情で焼け野原となった城下町を見ていた。
「100年前あの猿が暴れた時でさえ、これ程の損害を被る事は無かったですからな...」
王の隣に居たカルンも無念さを隠しきれない。
太公望が落ち着いた状態にあるのを見届けたジオンとミリシャが、悲観している二人の側へ駆け寄り報告する。
「ダリク様、太公望は目こそ覚ましませんが、安静にしていれば大丈夫かと思われます」
「そうか、それは朗報だ。今回はあの二人に助けられたな...もし我々だけで戦っていれば、生存者はこの場に一人も残っていなかったであろう」
ダリクは本心から太公望と悟空に感謝していた。
カルンが王の意を汲み取り話す。
「そうですな。あの二人に感謝し、これだけでも生き残った事を喜びましょう」
ジオンとミリシャは少し笑顔を見せ頷く。
アザーム王国の人々が悲しみや少しの希望で感傷に浸っていると...
「あ、猿が帰って来た」
ミリシャが誰よりも早く気付く。
山に突き刺さってようやく止まった悟空が、觔斗雲に乗って猛スピードでアザーム城に向かって来る姿が見えたのだった。
「キラーン!」勢いの止まらない悟空はそのまま進行方向の山の方まで飛んで行ってしまった。
「ヴァガガガオオオーーーッ!!!」
ヴァルカンが断末魔の叫び声を上げ前のめりにゆっくり倒れ込む。
「ズドォーーーーーーーーン!」
その巨体が地面触れた瞬間、爆音と爆風が発生して、焼け野原となった城下町の残り火が吹き飛ばされ消滅した。
全ての力を使い尽くして気絶してしまっていた太公望は、上空にふわふわと浮く觔斗雲の上で横に倒れて身動き一つしない。
暫くしてジオンとミリシャが遠く離れた避難場所から飛んで来て、太公望の安否を確かめる。
「やったな太公望!おい、生きているか?」
呼びかけるが全く反応がない。
心配したミリシャが太公望の耳元で呼び掛けようとした時...
「zzz...ZZZ...zzz...ZZZ...」
イビキをかいて寝ていただけであった。
「あ〜もう、心配損だ。でも生きててくれて良かったよ」
ミリシャは太公望をすっかり気に入ってしまったようである。
「ミリシャ、こいつを雲ごと城まで運ぶぞ」
「あいよ」
こうして太公望は無事に城まで運ばれ、ダークエルフの苦手ではあるが少しは効果のある回復魔法で応急処置を受けた。
アザーム国王ダリクは、太公望と悟空がヴァルカンと戦っている最中、ジオンらに救出され健在であったが酷く落胆していた。
王国の国民ほぼ全員が城に集まっていたのだが、残念ながら全体の人数はヴァルカン襲撃前の半分以下になってしまっていたのである。
「まさかこんな日が来ようとは...」
ダリクは城上層の外に出て立ち竦み、苦痛の表情で焼け野原となった城下町を見ていた。
「100年前あの猿が暴れた時でさえ、これ程の損害を被る事は無かったですからな...」
王の隣に居たカルンも無念さを隠しきれない。
太公望が落ち着いた状態にあるのを見届けたジオンとミリシャが、悲観している二人の側へ駆け寄り報告する。
「ダリク様、太公望は目こそ覚ましませんが、安静にしていれば大丈夫かと思われます」
「そうか、それは朗報だ。今回はあの二人に助けられたな...もし我々だけで戦っていれば、生存者はこの場に一人も残っていなかったであろう」
ダリクは本心から太公望と悟空に感謝していた。
カルンが王の意を汲み取り話す。
「そうですな。あの二人に感謝し、これだけでも生き残った事を喜びましょう」
ジオンとミリシャは少し笑顔を見せ頷く。
アザーム王国の人々が悲しみや少しの希望で感傷に浸っていると...
「あ、猿が帰って来た」
ミリシャが誰よりも早く気付く。
山に突き刺さってようやく止まった悟空が、觔斗雲に乗って猛スピードでアザーム城に向かって来る姿が見えたのだった。
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