覚醒屋の源九郎 第一部

流川おるたな

みくる&リアーネ

「こんにちは、いらっしゃいませ」
ジョギング用のランニングに短パン、ショートな髪型、身長は170cmくらいで出るとこは出てるがスリムな身体つきをしている。顔がボーイッシュで可愛い事も付け加えておこう。
 そんな彼女を普通の対応で出迎えたが悩みのある雰囲気が感じられない。お客さんではないのかな?
 取り敢えずテンプレの自己紹介を済ませた。彼女の名は瀬戸みくるさん。
「此処ってどんな事でも相談に乗ってもらえるんでしょうか?」
「何でもご相談いただけるのが当事務所のコンセプトでして、どのようなご相談でしょうか?」
女性は躊躇なく話し始めた。
「わたしは大学1年生でまだ友人が少ないんです。その少ない友人の中でも特に親しくしている女の子がここ最近めっきり姿を見せなくなって、電話してもLINEやメールを送っても反応が無くて連絡が取れないんですよね」
友人の安否を知りたいといったところか。何だか探偵業っぽいな。
「そのご友人宅には行ってみたんですか?」
「もちろん行きました。ただ、彼女の家は物凄い豪邸でして、門のインターフォンに出たメイドさんに門前払いされて終了です」
「そうですか。よろしければご友人の住所を教えていただけますか?外から様子を確認したいんです」
 俺はペンとメモ紙を彼女の目の前に差し出した。
 友人の個人情報を教えることに負い目を感じたのか、今度は一瞬躊躇したが友人の住所と氏名を書いてくれた。
 友人の名は薬師寺藍里(やくしじあいり)。
「あの〜お願いがあるんですけど、彼女に絶対バレないようにして頂けますか?」
「勿論です。もし身分を確認される場面があっても上手く誤魔化しますよ」
 敢えず瀬戸さんの相談は受けた。今回の案件は時間がかかるかもな。
「この案件は取り敢えず分かりました。ところで瀬戸さん、最近あなたに何か不思議な出来事などは無かったですか?」
 俺はさっき見た現象が異世界者との契約ではないかと踏んでいたが、念のため確認しておきたかったのだ。
「凄い!何か分かるんですか?2週間前くらいに不思議な体験をしたんです。あっ!」
瀬戸さんが話を中断して指差す。その先にミーコともう一人の女性が見えた。背中に小さな羽が生えていて、容姿はエルフのルカリに勝るとも劣らない美しさ。
その女性と目が合った。
「初めまして、風の精霊シルフのリアーネです。みくる共々よろしくでございます」
「こちらこそよろしくお願いします」
書籍などによれば、四大精霊は他に水の精霊ウンディーネ、地の精霊ノーム、火の精霊サラマンダーがいる。折角?なので可能なら全て拝みたいものだ。

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