異世界になったこの世界を取り戻す

文戸玲

Long long time ago, ・・・・・・

 むかしむかし,遠い昔のこと。一人の子どもが生まれた。
 
 時には力で力強いたくましい体で剣を振り,時には華奢な体で不思議な魔力を使った。その身体に秘められた力と二つの性質は,世界を変える力を秘めていた。
 
 人々は,時にはその子を世界を救う神の生みたまひし子と呼び,時には災厄をもたらす悪魔の血を引く子と呼んだ。
 
 その子が何かを成し遂げたいと強く願うとき,力は発揮される。それはこの世界を正しい方向へと導くことが出来るが,破滅への歯車を加速させることも可能である。
 
 どのようにコンパスが針を刺すかは,その時を生きてその道にいるものにしか分からない。そして,その時を操るものがこの世に存在することもまた確かであった。

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