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【書籍化決定】前世で両親に愛されなかった俺、転生先で溺愛されましたが実家は没落貴族でした! ~ハズレと評されたスキル『超器用貧乏』で全てを覆し大賢者と呼ばれるまで~

八神 凪

第百五十話 みんな成長中!

 
 「おはようー」
 「おはようルシエール、ノーラとルシエラも」
 「おはようー! 今日から三年生だねー。デダイト君は今年いっぱいで卒業だねー」
 「うん。寂しくなるけど、会えないわけじゃないから大丈夫だよ。まだ一年あるし」

 ノーラが兄さんの前に回り込んで不満げな表情をし、兄さんが頭に手を乗せて柔らかに笑う。ノーラの言う通り今日から俺達は三年になり、兄さんは五年生。最高学年になった兄さんは今年で卒業となる。
 まあ、兄さんは父さんの手伝いをするということが決定しているので、家に帰ればいつでも会えるんだけど、ノーラは一緒に学院へ行けなくなるのが不満らしい。

 「ノーラはいいじゃない、卒業したらお屋敷で一緒に暮らすんでしょ? 私はもう会うことすら……チラッ」

 ルシエラが泣きまねを向けると、兄さんは気にした様子もなくルシエラに言う。

 「ルシエラも家の手伝いで近くに居るんだから遊びにくればいいじゃないか」
 「そうだよー」
 「ふーんだ、あんたたちのイチャイチャを見てられないっての。あーあ、いい男どっかに居ないかな」
 
 ルシエラ俺達より前に出て、悪態をつきながら長い髪を振り回しながらぶつくさと文句を言う。その後ろ姿を見て、

 「髪、長くなったよねルシエラ」

 と、俺がなんとなくそう言うと、ルシエラは笑顔で振り返り口を開く。さっきまで不満そうな顔をしていたのがウソのようだ。

 「でしょ! 結構頑張ってるからね。でもお手入れが大変なのよ。ふふん、付き合ってもいいわよ?」
 「いや、全然必要ないけど……」
 「くそ……! 兄弟揃って……!」

 いつものやりとりにルシエールがクスクスと笑い、ルシエラへ言う。

 「ふふ、いつも乾かすのが大変だってお姉ちゃんぼやいているもんね。私は短い方が好きだから切っちゃったけど」

 ルシエラとは対照的に、髪を肩までにしているルシエールが微笑む。二歳差だけど、ふたりは良く似ているので髪型で個を見せようとしたのかもしれない。

 「ルシエールは短い髪にリボンが似合うから、それでいいと思うよ」
 「も、もう、ラース君ったら……すぐそう言うこと……」
 「目に見える差別……。ダメよルシエール、こいつはこういうやつなんだから。まだ誰も選んでいない優柔不断男なんてもうやめたら?」
 「はは、それは確かに申し訳ないけどね……」

 顔を赤くするルシエールに、ジト目を向けてくるルシエラ。俺は愛想笑いをしてそのまま学院へと向かう。
 相変わらずマキナとルシエールには好意を寄せられているけど、クーデリカは煮え切らない態度のせいで俺から離れていった。
 とはいっても、好きだということを言わなくなっただけで、友達として仲良くしている。だからぎくしゃくするようなことは無いのが幸いかつ、同時にありがたいと思う。
 
 そこでふと思い出したようにルシエラが俺に言う。

 「そういえばアイナちゃんは元気?」
 「もちろんだよ、毎日サージュと庭を駆け回っているみたいだよ」
 
 アイナとは俺と兄さんの妹で、俺が二年になって少しくらいの時に産まれた。俺と同じく母さんの金髪を受け継ぎ、現在二歳。
 家に帰ればサージュと共に『おあえりー』と突撃してくるくらい元気な妹である。
 もちろん母さんも面倒を見ているけど、サージュが大のお気に入り。サージュも満更ではない様子で背中に乗せて飛んだりして喜ばせているようだ。
 
 「それじゃ、またお昼にね」
 「ちゃんと勉強するのよ?」
 「お姉ちゃんもね♪」
 「うぐ……、まったく生意気になってきたんだから……」
 「いいじゃないか、仲が良くて。ウチもアイナが生まれてからみんな付きっ切りでさ――」

 学院に到着し、別の建物になる兄さんとルシエラがクラスへ行くため俺達から離れて行き、それを見送った後、三階のクラスへ向かった。

 「おはようリューゼ」
 「おう、ラースか! おはよう! 今日から三年だな。よろしく頼むぜ」
 「もちろんだよ。あ、おはようマキナ」
 「おはよう! ねえ、今日はギルド部行くでしょ? あ、ルシエールとノーラもおはよう!」
 「うーん、初日だしどうしようかな……」

 マキナが俺に近づき、ルシエールとノーラにも挨拶をする。ウルカとヨグスも席で手を振り、ジャックも慌ててクラスへ入ってくる。いつもと変わらない風景のようだが、ひとつ変わっていることがある。
 
 「みんなおはよう!」
 「おはようパティ」

 それはヘレナのことで、一年の終わりの時に王都の学院へと転院したのだ。あの対抗戦の時、ヘレナの歌とダンスを見ていた王都から視察に来ていた人が居たという。
 それで今から磨けばもっと光ると説得されて連れていかれたのだった。手紙は来るし、向こうでも元気でやっている。Bクラスのアンシアも同じく引き抜かれて王都に行った。
 代わりに王都の学校から入れ替わりでやはり二人がこちらに来ることになり、パティはその一人という訳だ。

 ……色々あって王都でアイドルという言葉ができたのは余談だけど……
 
 それと子供と言えばもう一人――

 「おはようみんな! 久しぶりにお前らの担任だ、よろしくな!」
 「ティグレ先生だー!」

 クラスに入ってきたのはティグレ先生だった。去年は違う先生だったんだけど、今年はティグレ先生に戻ったらしい。
 ベルナ先生はというと子供が出来たため去年から保健室へ回っている。まあ背負って授業をするわけにはいかないしね。という訳で一児のお父さんになったティグレ先生もこうして頑張っている。
 
 ……ちなみに結婚式は大変だった……ベルナ先生のお父さん……国王様の意向でルツィアール国で行ったんだけど……う、思い出したくない……
 俺は頭を振ってあの時のことを振り払うと、後からもう一人、副担任が入ってくる。が、その姿を見て俺達は目を丸くする。

 「それと……バスレー先生……?」

 このテンションの高さは

 「ふははは! 諸君、おはよう。今年はこのわたしが居るから安心しなさい!」
 「「「「チェンジで」」」
 「ぬおおお! なぜだぁぁぁぁ!?」
 「うるせぇぞ!」

 俺達のはもった声にバスレー先生が地団太を踏み、クラスに笑いが広がる。
 去年は姿を見なかったからどうしたのかと思っていたけれど、どうやら解雇にはならなかったらしい。今年はさらに賑やかになりそうだと思いながら俺の顔は自然と笑みがこぼれた。
 
 あ、そういえば今日はレオールさんが来るんだっけ? マキナには悪いけど、今日はまっすぐ家かな?

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