結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

156話 うっかりなシステムさん。

俺達は北東にある学園から旅を始めた。
ぐるっと時計回りに回っていたら謎の灯台を見つけた。
夜にここについて、まずは上を調べる為に登った。
謎の機械を見つけたが、動かし方が分からず放置。
その日はそこで眠り、翌朝地下に降りた。
暗いから電気がないか調べていたら、魔力不足で動かないシステムを復旧した。


『って事でいいかしら?』
「はい。概ねそんな感じです。」


俺が要約して話した事をシステムさんが確認してくる。


『マスターの知り合いでも無いのね。あれ?そうなるとどうやって入って来たの?』
「……正面カラデスガ。」
『え?ちょっと待って…扉壊れてんじゃん!猪でもぶつかったのかしら?」
「「「「ソウデスネ。」」」」
『システム休止してても、物理的に壊せない設計のはずなんだけどなぁ。』
「ここに来る途中に大きい猪の魔物に会ったのでそうかもしれないませんね。」
『私が少し寝てる間に世界は変わったのねぇ〜』


録画などはされていないのだろう、俺達が言った事を信じてくれた。
後で聞いた話だけど、ここにいる人間に扉を壊せると思っていないから信じたみたいだけどね。
深掘りされる前に別の事でも聞くとしよう。


「ところであなたはここで何をしていたんですか?」
『私?この塔の管理とマスターの話し相手よ。』
「そのマスターさんはどこかにいらっしゃるんですか?」
『旅に出るって海に出たっきりじゃないかしら?私は寝てたし分からないわ。』
「そうですか…。」


ここにはマスターと言う人は居ないらしい。
聞けばインターホンの声は録音されたものらしい。
これだけの技術を作った人だから、この世界について色々聞きたかったな。


「ねーねーシステムちゃん。マスターさんってどんな人なの?」
『マスター?ん〜寂しがり?後は考えなしの何でもツクレル人…かな?』
「さみしがり屋さんか〜そしたらそのうち戻って来るのかな?」
『喋る相手がいないとつまらないからって、私を作ったくらいだからね〜そんな遠くには行かない気がするけど。』
「そっかー。どれくらい前に出発したの?」
『私の再稼働前とすると236,688時間くらい前かな。』
「「「「……。」」」」
「結構前なんだね〜。」
「「「「感想それだけ!?」」」」


いやいや、ちょっとびっくりだよ。
話を聞いている限りだとついこの前ぽい言い方じゃん。
23万時間って言えば、時間と日付は前の世界とほぼ一緒とテトラ学園長に聞いているから…


「えっと24時間を365日でかけて…ダメだ、天分かる?」
「諦めるの早いわね。ちなみに私は数学とかほぼ赤点だったし。きりんは出来そうじゃない?」
「わ、私!え!えっと…か、かけるって何?翔さん?」
「こちらにはかけ算とか無いのか…翔さん分かります?」
「3桁を暗算はちょっと…うーん。24×365で…4かけて1460で…20で…7300を足して、4かけたのなんだっけ?」
「もう難しく考えすぎだよ。システムちゃん!さっきの時間を年だとどれくらい前?」
『はい。27年と7日です。』
「おぉ流石システムちゃん。」


計算しようとしてすぐ諦めた奏人さん。
坂俣さんは考える気もなく、きりんさんに至ってはかけ算を知らないっぽい。
頑張って計算しようとしたけど、よくよく考えれば先輩みたいに聞けばよかったな。
てか始めから年で言ってくれればいいのに。
それにしても前だな…。


「あの?帰ってこない理由とか思い当たる事はありますか?」
『マスターの事だから……道に迷ったのかな?灯台の灯りも付けないで海に行ったし。』
「え?灯台ってその為の灯りなのにどうして?」
『だってマスター主電源切って出かけるんだもん。』
「「「「……。」」」」
「あはは。ドジっ子だぁ〜。」


そこまで帰って来ないなら、もう帰って来ないのかもしれないと思い何か理由が無いか聞いてみた。
帰って来た答えは迷子かもとか。
先輩の言うドジっ子で片付けていいレベルでは無い気がしますが。


…ん?って事は?


「灯台の明かりつけたら帰って来ますかね?」
『あぁ〜かも。魔力余裕あるしやってみる?』
「一応やってみてください。」
『了解よ〜』


なんとも軽い感じでシステムさんが応じてくれた。
結構色々と応えたくれるんだなっと思った。


『ん?どうした少年。私に言いたい事でもあるの?』
「あ、いえ。色々答えてくれるんだな〜。守秘義務とかマスター以外の命令聞かないとか無いのかなっと。」
『守秘義務?何かあった気がするけどなんだっけな…。』
「いや、別に聞かないのでいいですよ。」
『それ言われたら気になるじゃんか!う〜…あ!「俺は神の力を手に入れてしまったのか…」って言った事を絶対口外するなって言われたんだ!』


「それ喋っちゃいけないんじゃ?」
『あ。』
「私は神の力を手に…あ、これ恥ずかしい。」
「セリフとしては男の子なら通る道かと。その事は心にしまっておきましょう。」
「わ、私、し、喋らないから。」
「神様の力か…本当にあるのか?」
『はいダメ、この話お終い!皆んなは何も聞かなかった。』


冷静に突っ込む坂俣さんと、セリフを言おうとして恥ずかしいとやめた先輩。
奏人さんは悟った様に…触れないでおこう。
きりんさんは喋らないと言っている。
神の力か…魔力自体も言った仕舞えば神の力なのか?
ただ恥ずかしいから言わないように言ったのか、本人に会うまで分からない。


…あ、言っちゃダメなのか。


特に急ぎでやらなければいけない事も無いから、今ここがどうなっているか色々知りたいと言うシステムさんと沢山お話ししました。
明日からどうしようかなっと考えもしつつ日は暮れていった…と思う。



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