結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

126話 放送席のオフライン。

これは1stゲームが終わり次の試合が始まるまでの間のお話。


「ねーねー翔くん。さっきの試合で動き悪かったのって…。」
「奏人さんは食べ過ぎだと。」
「やっぱりかぁ~」
「あの子はまたやったんですか?」
「奏人さんは結構そういう事多いのですか?」


ルフィス学園長は頭を抱えため息を吐く。
話を聞くといつもはそんな事はないらしく、決まって大事な時にやらかす事が多いらしい。
始業式や試験当日と言った学園での事。
討伐依頼などの仕事からプライベートで遊びに行く時もあったらしい。


「それをフォローするのって全部がソラなんですか?」
「そうねですね。大体は彼女がしてくれますね。」
「やんちゃする弟の面倒を見るお姉さんポディションですね。」
「確かに!翔くんが言うそれがしっくりくるね。」
「彼女の方が2つも年下なんですけど。」
「…。」


ルフィス学園長と先輩とそんな話をしていると、今まで静かだったテトラ学園長が口を開いた。


「翔と和歌みたいじゃのぉ。」
「…俺あんな食べたりしませんよ。」
「役割は逆じゃがの。…お転婆な姉を見てきてしっかりした弟って図じゃよ。」
「確かに!…あ、なんでもないっす。」
「……は!私がトラブル側!?」
「お二人のやり取りを見ていると、そう感じますわね。ふふふ。」


そんなこんなで盛り上がる放送席。
しかし弟に姉って見られ方は俺と同じなのか。
奏人さんも苦労しているのだろうか…いや、この場合は坂俣さんかな?
今度それとなく話してみよう。


「試合も始まるみたいですわ。」
「んじゃ、ここから盛り上げていこー!」


『ぽんぽん…よし。さて!2ndゲームが始まります!この後の展開どうみますか?』
『まずは動きの悪い彼がどうなるかですわね。』
『ルカもヘレンも悠長には待ってくれんから、すぐ終わるかもしれんな。』
『見ている限りではきっと一波乱ありそうですけど。』


「2ndゲーム ラブオールプレイ。」


―スッパーン。
―パーン。
―パーン。
―パーン。
―パーン。
「うぐっ。」
―パーン。


『やっぱり狙われているのか!奏人選手に集中的に返球されます!』
『きれいに返しますね。素晴らしいクリアですわ。』
『ん〜お互い上手くないか?』
『そうですね。なんか奏人さん復活してきた?』


−スポーン。
−パン。
−パーン。
−パーン。
−スポーン。
−パン。


ドロップに対してもしっかり拾えている。
その後にクリアがきてもしっかり返してるな。


『容赦ない!前後に揺さぶられてますが、それをしっかり対応してます!』
『やっと動き出しましたか。』
『まるで別人じゃな。』
『でも、きつそうですよ。』


−スポーン。
「また前か!」
−パン。
−パーン。
「後ろ!!…しかもギリギリ!」
−パーン。
−スポーン。
「ひぃぃ。前〜!?」
−パン。


前にドロップと後ろにクリアの繰り返し。
あそこまで徹底してると調子の良し悪し関係無しにきつい。


そんな中でも坂俣さんはずっと我慢して見ている。
下手にフォローしたりすれば、穴ができて確実に狙い撃ちされるだろう。
ルカさんとヘレンさんは一切の隙がなく、ドロップとクリアを使い分けて攻め続ける。


−パーン。
−パーン。
−スポーン。
−パン。
−スポーン。
−パン。


しかし…これどこまで続くんだ?


『ん〜これの落とし所が分からない!』
『どちらかがミスをするかでしょうか。』
『そうじゃな〜どちらもそんな雰囲気は無いがの。』
『こっちが緊張しますね。』


緊張感漂う試合は1ポイント目から大接戦。
1stゲームで上手く消化ができたか、奏人さんの動きが別物だ。
そんな彼の動きがこの試合の鍵になるであろう事は分かっていた。


「天さん…フォローを。」
「今私が動くのはどうかと思うわ。」
「デスヨネー。頑張ります!」


彼の泣き言が聞こえてくるがスルー。
前半坂俣さんに迷惑かけたのだから、その分は頑張れと心の中で思うことにした。



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