結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

116話 見守って正解だった。



『さっきの試合は凄いものでした。次も楽しめそうです。』
『そうじゃな。次はダブルスどうなるかの。』
『さぁお待たせしました!天河森テンガモリからは、ローランド&リコペア!』
『わ、和歌いつの間に。』
『うん。試合終わって暇になったから。』
『暇って…主審や線審もあるんじゃが?』
『ん!主審はルニアラくんに任せたよ。』
『そ、そうか。いいのかのぉ?』
『いいのです。勝者の特権です。』
『わーい。ルフィスさんに許可貰えた。』


先輩が解説席に行ってしまった。
案の定あの場がめちゃくちゃになっている。
と、言っても初めからめちゃくちゃか。
先輩の事だ、きっと何か考えが…あるかな、あるといいな…今は見守っておこう。


「俺ら紹介されたと思えば、ほったらかしどうすればいいんだ?」
「いいじゃん。リコは面白いと思うの。」
「だけど、いつまでも始まらないのはあれよね。どうするロスア?」
「こっちで始めちゃいましょう。ルニアラ。」
「はいっす。では、始めます。サービスのじゃんけんを。」


どうやらほっといて始めるようだ。
じゃんけんの結果、シロク&ロスアペアのサービス。


「改めて私はロスアよ。今日はよろしくね。」
「私はシロク。今日は楽しみましょう!」
「ローランドだ。よろしく頼む。」
「リコだよ!思いっきり楽しもう!」


改めて自己紹介した後、数本の打ち合い。
―パーン。
―パーン。
―パーン。


『ん。いい音してるね。お互いに緊張は無さそうだね。』
『音で分かるものですか?』
『分かるよ。緊張とかするとなんか固い音がするの。』
『そう言うものですか。天才の境地ってものなのでしょうか。』
『ん?天才って何が?』
『ワカさんの事ですが。』
『私ですか?そんなの初めて言われました。』
『天才のぉ…天然じゃないのかの。』
『あ、それは皆に言われるよ。』


「「だろうね。」」
「天さんと奏人さんの息ぴったりですね。」
「妙に納得してしまったわ。」
「天河森の学園長はいいところを突きますね。」
「始まるみたいですよ。」


練習も終わり試合が始まる。


「ファーストゲーム、ラブオール・プレイ!」
―スッパーン。
―スパン!
―パン。
「俺が行く。」
―ズパァァン!!
「ん!重たい!」
―パン。
―ズパァァン!!…こつん。
「サービスオーバー、ワン・ラブ。」


「あらあら、シロク大丈夫?」
「重たいの打ってくるわね。手が少し痺れたわ。でも次は大丈夫。」
「私も受ける時は気を付けるわ。」


「ロー容赦ないねぇ。」
「そうか?和歌さんに比べりゃ可愛いもんだろう。」
「ローもあれやる?」
「俺には無理だな。あれやるのは和歌さんぐらいだろう。」
「そうだね、あれは忘れようか。」


『まずは1ポイント。力強いジャンピングスマッシュを決めたね。』
『ローの強みじゃからな。』
『男女混合での強みですね。』
『さぁ、サービスオーバー。今度はローさんのサ-ビスです。レシーブはシロクちゃん。』


―スッパーン。
「今度はこっちの番だ。てあ!」
―ズパァン!
「させん!おらぁ!」
―パン。
「ロスア!」
「はぁ~い…な!」
―ズパァン!
「まだまだ行くよぉ!」
―パン。
「シロク。」
「うん。」
―スポーン。
「っと。」
―パン。
―パシュ!…こつん。
「サービスオーバー、ワンオール。」


『スマッシュからのドロップでタイミング外してからのプッシュ!』
『連携もしっかりしておるな。』
『両チームともしっかり声掛けに相手の動きをよく見ていますね。』
『再びサービスも変わって、激しく攻防が入れ替わる!』


「「……。」」
「2人が思っている事当てましょうか?和歌先輩がしっかり実況してて驚いている…でしょう?」
「あなたは心読めたりしないわよね?」
「そんな能力ありませんよ。2人が驚く事ならそこかと。」
「それに引っ張られて、2人の学園長もちゃんとコメントしてますね。」


それにしても、スマッシュとドロップと緩急つけて上手く攻めているシロクさんとロスアさん。
一筋縄ではいかないと分かってか、リコさんとローランドさんも再度気合を入れなおしている。
再びサービスが戻ってきて、今度はシロクさんのサービスから。


見守って正解だったな。
俺は試合に目を向けるのであった。



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