結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

97話 久しぶりの再会?

走り始めてからどれ位経っただろうか。
後ろからきりんさんの励ます声が聞こえて来たので気になって後ろを見てみる。


「ん?翔様、どうかしましたか?」
「後ろからきりんさんの励ます声が気になって。」
「へばって来たか?軟弱者達め…まぁいつもよりペースが速いですが。」
「はは…。ペースはいつもより速いんですか?」
「前を走る2人が馬鹿みたいに…失礼。面白がって競ってるのかも知れません。」


ツェゴさんは俺と話す時は物凄く丁寧なのに、偶に毒舌が入ってくるな。
走っている時にも話はしていたが、部隊の運営等は全て任されているらしく色々大変みたいだ。


「へばって動けなくなっても困るからな。そろそろ1度休むか…む!」
「全体止まれ!」


終わりの見えないランニング。
後ろの部隊の人達がきつそうだったが。
ツェゴさんと話しつつ走っていたが、突然停止の掛け声。


「翔様。何か感じる事はありますか?」
「えっと、あっちの方角で…数は5ですかね。戦っている感じがします。」
「数まで分かりますか、凄いですね。アメリ!」
「あぁ。分かっている。奴が近くで暴れているな。」
「ん〜この感じどこかで会った気がする子だな〜」


前で走っていた俺達はそれぞれに何かを感じていた。
そこで1度全員止まりこの後について話をする事になった。


「あまり大人数で行って、相手を刺激するわけにはいかない。少数で行く事にする。」
「人選はどうする?奴がここに居るとなると残るもの達も戦闘になる可能性があるぞ。」
「それはもう決めている。俺とツェゴ、翔と和歌が俺達と着いて来てもらう。」
「な!ならば私も行くぞ。」
「いや、きりんはここでこいつらの指揮を任せたい。」
「むぅ…考えている事は分からなくも無いが。だが!」
「部隊の連携に即席で3人を入れるより、俺とツェゴと着いていた方が翔達も安全だ。」
「2人を心配なのも分かりますが、ここは私達にお任せください。」
「ツェゴさんがそう言うのであれば…翔に和歌!くれぐれも無理をするなよ。」
「きりんさんや。お、俺も居るんだが。」
「はい。しっかり指示には従います。」
「私は大丈夫だよ〜」
「どちらかと言うと和歌の方が心配だ。」
「えぇ〜きりんちゃんひどい〜」


きりんさんもツェゴさんが言うならと了承した。
若干1名落ち込んでる人もいるけど。
部隊の編成も終わり俺達4人は気配がしと方へと駆け出した。


「ここで止まって下さい。」


ツェゴさんの指示で茂みに隠れる4人。
向かった先には熊と豹の数体が戦闘中だった。


「はぁ…いつまでしょげている?切り替えろ。」
「あ…あぁ。」
「まぁいい。少しここで様子をみる事にします。2人とも魔力をなるべく抑えて呼吸もゆっくりしてくれますか?」
「「(こくこく)」」
「小声であれば喋っても大丈夫ですよ。」


熊と豹が戦闘していたが、あの熊は前に討伐依頼で戦ったやつよりでかい気がするな。
俺がそう感じていたら先輩が小声で声をかけてきた。


「翔くん。あのクマさん私達が初めて会った子だよ。」
「あぁ。名前は確か…フェイスでしたか?って事はやばい奴なのでは?」
「お2人とも奴に会った事があるんですか?」
「はい。初めてこに森に来た時に。その時は逃げましたが。」
「前にフェイスから逃げ切った2人組みが居ると噂があったが、お2人の事でしたか。」
「その時はペティットも居たよ〜」
「ペティット?もう1人居たんですか?」
「ペティットはお喋り出来るうさぎさんだよ〜」
「いや、喋れるのは先輩だけですよ。」
「何やら色々興味がありますが、それは後程お聞きしたいですね。」


様子を見ていたが、どうやらクマさんの方が優勢で3頭の豹は傷つき残り1頭が守っている形になった。


『くそ!俺は仲間も守れないのか!』


そこで俺はふと聞こえてくる声が気になった。


「あの。何か声が聞こえるんですが。」
「ん?声?私は聞こえないが。」
「私も聞こえないよ。」
「俺も喋ってない。」
「いや、でも確かに…」


俺は周りを見てもここに居る4人以外はあのクマさんと豹だけ…


『俺は諦めない!ここで諦めれば後ろの仲間は食われちまう!』
「ま、まさか。あの豹が喋っている…。」
「翔様?声が聞こえるのですか?あの豹の…。」
「はい。きっとそうです。あそこで戦う豹の声です。」


魔物の声が聞こえる事が本当は信じられないが。
実際先輩はあの兎の聞こえている事に、聞こえた声の状況から豹からだと確信できた。
そう確信が得たからか、その言葉の意味が分かったから…このまま放って置けない!


「あの!3人に頼みがあります。」


俺は行動に出るべく、3人に話をする事にした。



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