結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

93話 いつか分かる日が?

網野さんはここに来た目的を話した。
試合の事、2人に魔力の使い方を覚える為に魔物を探している事。


「確かに魔力の使い方を手っ取り早く覚えるなら実践が1番だと思うが。」
「それで騎士部隊に聞いた方が早いじゃろうて。ワシが案内したのじゃ。」
「それでテトラと来たのか。きりん1人じゃここに辿り着けるか分からないしな。」
「に、兄様!?」
「はは。すまない。」
「実際きりんちゃん逸れたしね。」
「わ、和歌!?」
「やはりか。きりんは突っ走るから。連れ戻すのも大変だっただろう。」
「それは翔くんが手を繋いで連れて来たよ。」
「そうか、翔が手を…手を繋いだだと!?そうなのか翔!!」
「え?あ、はい。逸れないようにするには良いかと。」
「は、はぅ…」
「むむ。まぁそうなんだが…そうなんだが!」
「やっぱり抱き上げて走る方が良かったですか?」
「だ、抱き上げてぇ!?」
「いかーん!それはいかんぞ。嫁入り前のきりんには!」
「よ、嫁ぇ!?」


2人の網野さんはぶつぶついって黙ってしまっている。


「て、手…(ぶんぶん)だ、抱き…(ぶんぶん)」
「…きりんが…大人になって…いや、まだ手を…」
「大丈夫ですか、網野・・さん?」
「だ、大丈夫!」
「大丈夫だ!」
「あ、2人とも網野さんか。きりんさん大丈夫ですか?」
「ひ、ひゃい!だ、だいじょぶ…です。」
「むむむ!きりん…もしかして。翔のこ…むぐ。」


素早く動いた網野さ…きりんさんはアメリさんの口を塞ぐ。
この光景さっきも見たな。
アメリさんはきりんさんに連れてどこかへ行ってしまった。


「俺何かしましたかね?」
「ん〜大丈夫!いつか分かるよ…多分?」
「そこ疑問形ですか?ん〜…。」
「そんな日は来るのかの〜?」


結局何が何だか分からないけど。
きりんさんが止めるなら、自分で気がつくべきなんだろう。
いつか分かる日が?うーむ...。
とりあえず、今は訓練の事考えるか。
しばらくしてアメリさんときりんさん達が戻って来た。


「少々待たせた。さて討伐の話だが今はあまり動きがないのだ。で、1つ提案だが俺達が相手になろう。」
「ほう。騎士部隊が相手であれば申し分ないじゃろう。」
「無論テトラもそこには参加してもらうぞ。」
「ワシもか!?」
「何でも手伝う事になってるときりんから聞いたが?」
「うっ。そう…じゃな。」
「ならば早速始めようか、組み合わせはきりんが指示をする。」
「では和歌は兄と手合わせだ。先程やりたそうだったしな。」
「うん。やる〜!さっきと同じでやってみた〜い。」
「いいだろう。だが負ける気は無いぞ。」
「私だって負けないよ〜。」


やる気満々の先輩はアメリさんと場所を移した。


「次に翔だが、うってつけのサンドバ…練習台が…相手がいる。」
「…色々言い直しておるが、全部聞こえておるぞ?」
「という訳だ。学園長とやってくれ。」
「はい。よろしくお願いします!」
「腑に落ちない部分はあるが、まぁいいじゃろう。」


俺は学園長に相手をして貰えるのか…てか学園長は戦えるのか?


「何を考えておるかだいたい想像出来るが、ワシは翔より強いぞ?」
「あ、いえ、想像出来なくてですね。」
「まぁ良い。ちょっと待っておれ。」


そう言うと学園長は円を地面に書いた。


「どこから打ち込んでもらっても構わぬ。ワシをこの円から出してみよ。」
「え?あ、はい。良いんですか?」


正直言うと円から出すってそんな難しい事じゃ無いと思ってる。
きりんさんが言いかけてた、サンドバックって事だよな。


「翔、遠慮は要らないぞ。思いっきりやってみろ。」
「そうですか?きりんさんがそう言うのであれば。」
「きり!?…んん!…はぁ〜慣れねばな…」
「何か言いました?」
「な、何でも無い!頑張ってこい!」
「了解です。」
「こちらはいつでも良いぞ?」
「はい!では…行かせていただきます!!」


訓練の意図は分からないが、きっと何かあるんだろう。
俺は思いっきり助走をつけて学園長に向かう。





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