結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

91話 逃れられない戦い?

全員揃って行く方がいいと少し手前で学園長は待っていたみたいで。
少し歩いた所に1つの小屋が見えた。
そこに立っていた1人が俺達に気が付いて声を掛けてきた。


「おや?学園長にきりん様では無いですか。隊長はいつもの場所で訓練中で、今は不在なんですが。」
「そうか…少し話があったんだが。」
「急ぎであれば呼んで来ますが?」
「訓練であれば近いし、こちらから出向くかの。」
「であれば、案内させます。少々お待ち下さい。」
「うむ。すまんな。」


そう言ってその騎士の人は小屋に入って行く。


「近いのであれば、そのまま向かっても良いのでは?」
「ん?そうしたいんだが。近いとは言え、案内無しで向かうと隊長様が煩いからの。」
「あぁ学園長ですし、万が一危なくない様に案内は必要か。」
「ん?ワシは問題無いんじゃが…」
「お待たせしました!では、案内致します!」


さほど待たずに小屋から騎士部隊の人達が出てきた…その数8人。
案内するだけで多すぎないか?っと思った。
学園長も気にしない感じでそのまま着いて行く。
これから向かう所はそんなに危ない所なのか…少し身構えてしまう。


「訓練中失礼します!隊長におきゃ…」
「おぉ!?きりん!!」


案内してくれた人が呼ぶ前に、網野さんの前に物凄い速さで現れた。


「げ、元気そうでなによりです。」
「きりんに会えたのだ。元気になるに決まっている。」
「そ、そうですか。」


突然現れた人に網野さんも、若干引いている。
あの人は誰なんだろう?


「それよりだ…お前らぁ!護衛8人とか舐めてるのか!」
「も、申し訳ありません!!」


突然怒鳴りだした人は、案内してくれた人達に怒号を上げていた。
まぁ確かに訓練中の所に8人は多いよ…


「足りねぇ!倍は用意しろ!」
「足りないのかよ!?」
「あぁ?…見ない顔だな。それにきりんの隣に立つとは…」


しまった、つい突っ込んでしまった。
そんな俺に睨みを利かせて近づいて来る。
その前に網野さんが遮る様に前に出る。


「か、翔さんに詰め寄るのは…や、やめて下さい!」
「む。きりんが言うのであればしょうがない。」
「アメリよ。少し落ち着け。」
「学園長…いや、テトラ。丁度話があったんです。」
「ん?何かあったのか?」
「この前きりんを討伐依頼をしたそうだな。しかも3人で…。」
「……あ、あぁ。頼んだが…。」
「無事だったからいいと思ってるか?」
「ははは…だが網野殿に和歌と翔が居たので、問題無いと…」
「和歌と翔?」
「和歌は私だよ〜」


学園長に詰め寄っていた人が今度は先輩を見る。


「…ほぅ。それと先程きりんの横に居たやつだな。」
「はい。兵頭 翔です。よろしくお願いします。」
「兵頭…翔か。」
「2人は網野殿も一目奥存在じゃ。」
「…この黒髪美少女は良いとして、翔と言ったな。」
「はい。」
「俺と手合わせしてもらおう。」
「へ?」
「貴様がきりんと並びえる存在か…この身で確かめさせてもらうぞ!!」


何もかも突然で思考が追いつかない。
その後ろで学園長が俺に向かって、手を合わせて謝る仕草が見えた。
俺は矛先を変えられて、巻き込まれたんだと気がついた。


「黒髪美少女って私かなぁ〜?照れるね!」
「和歌はマイペースじゃのぉ…。」
「な、なんでこうなったの?」


誰も止めてくれそうに無いので、俺はどうやら手合わせをするしか無いみたいだ。
逃れられない戦い?
これも特訓の一環と俺も受け止める事にした。



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