結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

68話 想像を遥かに超えて。

網野さんからあの蛇は、魔物を食べて大きくなるという事が判明した。
1人で戦おうとしたのは、ひとまず置いておこう。


「とりあえずどうしましょう。3方向から攻めてみます?」
「3方向はいいが、どういう動きをするか分かるまで回避に専念してくれ。」
「「はい。」」
「では、行くぞ!」


突然現れた俺達を見て大蛇は警戒して頭を起こす。
そのまましばらく見つめ合う。


「さすがに飛び込んでは来ないか。」
「んー蛇さん動かないね。」
「接近戦のみってのもなんだな。…土と木しかないしなぁ。」


この3人じゃ、盾になって戦うスタイルじゃないし。
かと言って魔法で遠距離攻撃出来ない。
バド部隊の人が全員居たら、いろいろ戦況は変わるだろうけど。


「きりんちゃ〜ん!やってみたい事あるんだけどいいかな?」
「突撃じゃダメだぞ。」
「私はリコちゃんじゃないよ?」
「ならば、翔と私でフォローする。いいか?」
「了解っす。」
「じゃ、やっちゃうよ〜」


そう言って先輩は森の中に走り出す。
大蛇も警戒して先輩に振り向いたが、森に入る先輩を見て俺と網野さんに向き直す。
先輩は何か投げれそうなものを探しに行ったと俺は思っていた。
なんだかんだで、機転の利く人だし。


ードゴォォン!!!ばきっ!!


「は!?まさか!」


位置的に大蛇の正面の網野さん。
先輩と対象に立っていた俺。
そして俺に向かって倒れてくる木。


「あぁ…そう来ましー…」


ードォォン!!


「な!翔!?」
「翔くんなら大丈夫ですよ。」
「はぁ〜時々その信用が怖いです。回避しましたが。」
「ぶ、無事で何よりだ…」
「翔くんは分かってくれると思ったよ!」
「想像を遥かに超えてきましたがね!」


俺が思っていた遠距離攻撃って石とかなんだが。
木が倒れてきて、さすがにビビりました。


「蛇さんど〜なった?」
「翔みたいに回避はできなかったみたいだな…」
「あれを避けるには、予想外の事態が起こる心構えと俊敏さが必要ですしね…。」
「食べ過ぎたんだね!」
「あ、はい。そうっすね。」
「ちゃんと倒せたか見てくる。2人はそこに居てくれ。」


網野さんは大蛇の様子を見に行った。


「これでお仕事終わりなのかな?」
「下敷きではありますが、起きる可能性もありますし。まだわからないですよ。」
「う〜ん。木に潰れてない部分と胴体切っちゃえばいいのかな?」
「………まぁ、切るもの無いですが。」


先輩…恐ろしい事をさらっと言いますね。
とにかく網野さんが戻るのを待つしかないな。


ードゴォォン!!


「今度はなんだ!?」
「翔くん。私を見ても、何もしてないよ。」


轟音がした後、網野さんが戻ってくる。


「あ、網野さん!さっき凄い音しましたが大丈夫ですか?」
「ん?大蛇は問題ないぞ。」
「そっか。じゃ〜帰ろっか。」
「いやいや。さっき凄い音したのスルー?」
「音?もしかして大蛇切断を試みて蹴り入れたやつか?」


そう言われ、俺と先輩は大蛇を見に行った。


「ぺしゃんこだね〜」
「……。」


なんでか大蛇が不憫でしょうがない気がしてきたよ。
似た思考を持つ2人が怖いです。


「さて、任務完了だ。帰るぞ。」
「翔くん置いてくよ〜」
「あ、はい。今行きます。」


こうして大蛇討伐はあっさり終わりました。



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