結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

58話 繰り返される現状。

森から吹く風が気持ちいい今日この頃。
俺と先輩と網野さんはストレッチをしつつ話をしていた。


「そうだ。網野さんに聞きたいことが。」
「は、はい。な、なんでしょうか?」
「学園の外周走って気になったんですが、魔物が来たりしないんですか?」
「が、学園の周り100メートルなら。だ、大丈夫です。」
「なら一つやりたい事があって、早朝に走っても大丈夫ですか?」
「が、学園の外に1人では…」
「はい!なら私も一緒に走る!」


いつも朝ランニングをしていたから、こっちでもやっておきたくて網野さんに聞いてみた。
学園の周り100メートルは結界が張られていて魔物は来ないらしい。
ただ1人ではダメだったが、先輩が食い気味で一緒に走ると言ってくれた。


「ふ、2人でなら良いです。あ、あとで入り口の魔法陣に刻みましょう。」
「ん?刻むって何をー?」
「しょ、ショートカットの話は覚えてますか?」
「…全然!」
「和歌先輩…。あの俺が覚えてるので、そのまま話を。」


魔法陣には学生証でショートカットを登録できる。
今は【運動場】【食堂】を追加してもらっている。
入り口が追加されれば訓練する場所は揃うみたいだ。
しかし、先輩はあんな自信満々に知らないって…俺が分かっていればいいのか?


「あ、あの。わ、私も走っても。」
「え?きりんちゃんも走ってくれるの?」
「は、はい。か、翔さん。い、いいですか?」
「え?はい。お願いしたいくらいです。」
「…。」


なぜか俺に許可を求めてくる網野さん。
ん?ヘレンさんが俺と先輩を交互に目配せを…。
おや?網野さんも同じ目配せを…。


「そ、そんな気にしなくて大丈夫です!」
「ん?どうしたの翔くん?」
「なんでもありませんよ。ヘレンさんもどうですか?」
「…俺はいい。」
「…朝から走るって本気なの?」
「あ、ルカさん大丈夫ですか?」


ヘレンさんと網野さんが妙な気遣いをしてきたが、ほっといて頂きたい。
気がつけばルカさんが起きていた。ローランドさんとリコさんは…寝てる。


「大丈夫…ではないわ。脚ががくがくするわ。」
「も、もう少しルカは走る方がいい。」
「きりんだけかと思ったけど、翔も和歌もおかしいわ。」
「あ、あれ。す、スルーですか?」
「…朝から走るって聞いていたけど。翔本気なの?」
「はい。そのつもりです。ルカさんもどうですか?」
「そ、そうだ。る、ルカも…」
「ローランドとリコはそのまま寝たみたいだけど、ヘレンどうする?」
「「す、スルー?」」


ルカさんは起きてきたが、まだ少しふらふらしている。
走る事に関して何故かスルーされる。
触れてはいけない所なのかな。
ローランドとリコさんが起きないと思ったら、そのまま寝てしまったらしい。


「…運ぶか。」
「り、リコは、私が。」
「じゃ、私は戻るわ。きりんお願いね。」
「私達も戻ろうか。」
「そうですね、朝の時間とかは食堂で。」
「は、はい。で、ではまた。」


リコさんは網野さんにおんぶされて魔法陣に消えていく。
ローランドさんは…脚をもたれ引きずられている。何故起きないんだ?
ルカさんはふらふらと帰った。


「魔法陣ってどうやって刻むんだろう?」
「あとできりんちゃんに聞けばいいと思うよー。」
「そうですね。」


俺達は魔法陣で自分達の部屋に…部屋に―!?
ずっと同じ部屋は嬉しいんですが…。
この下りを俺は後何回すればいいのだろう。
部屋が一緒なのはなんでだ!っと心の中で叫んでいた。



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