結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

57話 ほっといていいのー?

学園の外周を2周走って今は休憩中。
喋る余裕がない3人は、息を整えるので急がしそうだ。


「翔と和歌は息もあまり上がってないし凄いな。」
「まぁランニングはしてましたし。これくらいなら。」
「私もまだ走れますよー」
「ふむ。大したものだ。ヘレンもまだいけるか?」
「…あぁ。」
「「「……。」」」


網野さんは俺と先輩がしっかり着いてこれた事に驚いていた。
ヘレンさんもまだいけるみたいだが…。
そんな中涼しい顔をした4人で、後ろの3人は目線だけこちらに向いている。
走りたくなさそうな目を俺にされても困ります。


「さて、次は魔力を使う事を意識をしてくれ。」
「んー…ん?全力で走ればいいの?」
「あぁ。和歌はそれでいいぞ。」
「成る程。分かった!」


網野さんが魔力を使う事を意識と言って、先輩は理解したのかやる気満々だ。
外周を走るとなると、持久力が必要かな?
瞬発力繰り返してもいいけど消耗が気になるな。
俺が考え込んでいると、網野さんが助け舟を出してくれた。


「翔はいろいろ考えているみたいだが、どう考えている?」
「持久力ってなるとローランドさんみたいな使い方が理想ですよね。」
「うむ。間違ってはいないが、翔の場合は違う方がいいと思うぞ。」
「そうなると…これって走るんですか?」
「ふふ。なんとなく分かったみたいだな。自分なりにやってみるといい。」


網野さんと少し話して、答えは聞けなかったけどヒントは貰えた。
走る事には変わらないだろう、俺なりにか…よし!


「ではそろそろ行くとしよう。皆準備はいいか?」
「はい!」
「いつでも!」
「…あぁ。」
「「「……。」」」
「このコインが合図だ。」


―ピーン。
―コツン。
―ドォーン!!


「はは!やはり2人が並ぶか。着いてこれるか?」
「着いては行きませんよ。」
「「抜かします!」」
「面白い!負けんぞ。」


俺達3人は魔力全快で飛び出している。
先頭は網野さんに俺と先輩。
すぐ後ろにヘレンさん。
少し離れて、ローランドさん、リコさん、ルカさん。



……
………。


「…はぁはぁ。」
「…ふぅー。」
「はぁっ…いや、なかなか面白かったぞ。」


2周目と比べて半分くらいの時間で外周を終わらせた俺と先輩と網野さん。
魔力を全力で使うってすっごい疲れる。


「…はぁ…簡単には抜かせて…くれませんね。」
「…次は…負けません。」
「ふぅっ。これでも部長だしな。…うかうかしてられんな。」
「何か言いました?」
「いや。なんでもない。」


しばらく待ってると、ヘレンさんが戻ってきた。
その後に3人が…。


『『『っどさ。』』』


「「…え?」」
「へ、ヘレンお疲れ様です。」
「…いえ。」
「ご、ごめんなさい。み、見てもらって。」
「…問題ない。」
「3人はほっといていいのー?」
「は、はい。く、訓練はこれで終わりなので。」
「あ、きりんちゃんが元に戻ってる。」
「さすがの切り替えですね。」


ヘレンさんが先導して戻ってきた3人はそのまま倒れた。
何事も無い感じでスルーしていたけど、これも日常みたいだ。
網野さんはいつもの言葉に戻っていた。
訓練はこれで終わりだって分かるからいいのかもしれない。


「風も気持ちいいし、すぐに起きるかなー。」
「そうだといいですね。」


森から吹く風で早く回復すればいいなと思いつつ、俺達は3人が起きるのを待ってるのであった


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