結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

23話 こうなる事が分かってた?

そんな訳で俺は魔力使い方を同じ系統の網野さんに教えてもらえた。
先輩は引き続きリコさんに教えてもらってる。このままではいろいろ不味い気もするが…。


「さーやって参りました。部隊対抗100メートル走。実況は部隊の頭脳こと、ルカと。」
「…。」
「ヘレン喋ってよー。これじゃ実質1人だわ。」


実況とかルカさんは楽しんでる。ヘレンさんもなんだかんだで実況席にいる。
なんでこうなったんだろうか。


「第一の走者。部隊の特攻少女!小柄な体からは想像できない、力と素早さ!イーベ・リコ!」
「ふふふ。今日は負けないよ!リコの本気見せてあげるよ。」
「第二の走者。部隊の暴走特急!筋肉鎧の力自慢。速く動けるの見ものです!ローランド!」
「ル、ルカさん。俺の紹介ひどくないですか?」
「第三の走者。我等が部隊長!今回の大本命。網野きりん!」
「さぁ。いつでもいいぞ。勝つのは私だがな。」
「第四の走者。リコの技をぶっつけでやってのける天才少女。その実力はいかに!?宇佐美和歌!」
「やる前から勝利宣言ですか?そうはさせませんよ。」
「第五の走者。森の生ける伝説。あのフェイスから逃げ切る脚力はどこまで速いのか!?兵頭翔!」
「え?伝説?あの熊さんそんなにやばいやつなの??」
「さー出揃いました!各レーン気合が入ってます。」
「あれー?無視ですか?」


なんか皆の気合が凄まじい。
しかも、さらっとあの熊さんが伝説とか言ってたけど。どういうことだ?聞いたが無視された。
あとで教えてくれるかな?とりあえず、出来る事をやるか。半端は嫌われるからな。


「ではいきますよ!よーい…」
「…。」
「どん!!スタートダッシュはほぼ横並び!」
「…いや、翔。」
「1人飛びぬけて速い!?突然現れたように見えたけど?あ、抜かれた。さすがに瞬発力だけか。」
「…。」
「あ、でも同じ魔力でもきりんは速いわね。リコと和歌もそれに続いてる。ローランドは普通。翔が抜いた。」
「…実戦派。」
「ん?そうね。翔はきっときりんを見て能力を使っているわね。だから1歩2歩遅れを取っている。」
「…あぁ。」
「もうゴールね。トップ集団が5~6秒って異常ね。ローランドと翔は8秒くらいかしら。」


わずか10秒くらいの間で勝負は付いた。前3人はめっちゃ速いし。
俺はぎりぎりでローランドさんに勝てたくらいか。


「はは。私の勝ちだな。2人も中々速かったぞ。」
「むむむ。悔しいー!きりんちゃんもう一回やろうよ!」
「リコもやる!このままでは終われないの!」
「うむ。いいだろう。魔力尽きるまで付き合ってやる。」


網野さんに先輩とリコさんがリベンジを申し込んでいた。
魔力尽きるまでってどれだけ走る気なんだよ…。


「無論。そこの2人もやってもらうぞ。」
「え?俺もですか?」
「当然だよ、翔くん。一緒にきりんちゃんを倒すよ!」
「頑張れ翔。俺は応援して…ぐふ。」
「ローランドも。逃がさないよー」
「「……。」」
「ん?二人もやるか?」
「「……。(ぶんぶん)」」


なぜかリベンジマッチに巻き込まれた、俺とローランドさん。
ルカさんとヘレンさんは揃って、首を横に振る。
あの2人こうなる事が分かっていたのでは?


「そうか。ではスタートの合図を頼む。いくぞ!」
「負けませんよ!」
「リコだって!」
「…翔。お前が居てくれて良かった。」
「…ローランドさん。お互い頑張りましょう。」


この後、対抗100メートル走りこみに俺は地獄を見る事になる。
早くこの部隊の雰囲気に慣れないと、体が持たない気がしてならない。
ふぅ…。頑張れ男!今はただ走るしかないのであった。



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