結構マジでやってます。

ノベルバユーザー458883

19話 置いてけぼりな2人?

「さて次の訓練だが。2人にはまず能力の確認からしてもらう。」
「能力ですか?それって俺達にもあるんですか?」
「あぁ、誰しもあるものだ。しかも2人はガットの生成が出来ているから、確認すればある程度使えるのではないかと思っている。」


網野さんは能力については誰にでもあると言っている。
能力と言われてなんとなくイメージできる事は、攻撃だったり回復と言った魔法と呼ばれるものか。
俺は火を出したりできるって事なのか?何それ。カッコイイ!


「んー?能力って火を出したり、空飛んだりですか?」
「うむ。火を出したりはできんが。空は飛べる者もいるな。ただ皆が飛べるわけではない。人によって能力は多少違うものになる。」


先輩がほぼ俺と同じ感じで考えていたのか。網野さんに聞いていた。
そっか、火は出せないのか。ちょっと残念。でも空飛ぶ人いるんだ。


「そこで、まずは2人の能力を確認するところからになる。ルカ、例の物は持ってきているか?」
「あるよーちょっと持ってくるねー」


網野さんに言われ、ルカさんが壁の隅に置いてあったキャリーケースを持ってくる。
ガチャガチャと準備を始めて、怪しげなゴーグルをかけた。


「な、なんだか大掛かりですね。何かの発明品ですか?」
「そうよー。能力についての色が分かるの。まぁ細かい事は言いから、そこに2人並んでー。」


俺と先輩は言われるままに並んで立つ。
これから何が起こるんだろうか。


「ほー。やっぱりかー。成る程ね。あ、ちょっと混じる。2人もう少し離れてー」
「あのー立ってるだけでいいんですか?」
「うん。大丈夫よー」


俺と先輩はやはり立ったまま。少し離れてと支持されたがそれ以外何もしていない。


「なーなー。もったいぶらない教えてくれよ!どうなんだ?赤か?」
「あたしもー見たいー。」
「ローにリコ。ルカの邪魔しない。で?どうなの?」
「…。」


4人はルカの後ろからキャリーケースの中を覗き込む。
ヘレンさんもあの輪に入ってるし。何がどうなっているのかまったく分からない。


「ルカちゃん。何か分かったの?」
「そうだね。和歌は白で翔は青ね。」
「俺が青で、和歌先輩が白だと何かあるんですか?そもそも色って?」
「あぁ。色とは魔力の性質みたいなものだ。翔の青色は速度の魔力で、主には瞬発力など速さに特化した魔力の事だ。」


俺は速度の魔力なのか。って言われてもぴんと来ないけど。
速く動けるって事なのかな?じゃ先輩の白ってなんだろう。


「はーい。私の白はなんですかー?」
「和歌の白は感受の魔力と言われている。周囲の魔力を感知したり、察知する。言わば感覚型ってことだ。」
「んー?感覚?翔くん。どー言う事?」
「俺に聞きますか?んー。感覚で魔力を使う…って事は。…ある程度なんでも出来るのでは?」


先輩に言われちょっと考えて見たけど。正直自分の事もよく分からない。
こう言う時は…


「って事ですか?ヘレンさん?」
「…あぁ。」


おぉ。正解だったぽい。


「よし!では次に、能力使ってみよー。」


ルカさんは能力使ってみよーって言ってるが、いろいろと説明が無さ過ぎる。
俺と先輩は同じ場所に立ったまま、話はどんどん先に進んでいく。


もしかして、俺以外の人は…みんな感覚型なのだろうか?
俺はただへレンさんに説明を求めるように目で合図するしかなかった。



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