少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
199話 決めた事②
キンキンと金属が合わさった音が響く。
―ギン!
「中々の剣さばきではあるが、覚えたばかりの様な拙い感じだぞ?」
「スキル手に入れて1週間経ってないから。」
「そんな剣で我に勝てると思ったか?」
「大丈夫。慣れればいいんでしょ。そんな時間はかからないよ。」
―ギギン!ギン!
「我には時間は悠にあるから構わんが。」
「残念だけど、僕は人間だからそんなに付き合ってあげられない。」
「久方ぶりの退屈凌ぎだ。簡単に倒れてくれるなよ!」
―ギィン!
遊び感覚なのか?そんなんで僕の家族に傷を……いけない、いけない。冷静さは無くさないようにしないと。誰かの二の前だ。
―ギギン!ギン!ギィン!
剣は慣れたんだけど、妙に規則正しい気もする。スキルに任せて振ってるからか?これに慣れて早さもイマイチな気がする。武器変えてみるか……でもナイフ2本より剣一本の方が力のバランスなんかもうまく取れる。攻守バランスいい訳で。
―ギィン!ギィン!ギィン!
「防ぐだけでは我に勝てんぞ。」
「そうなんだよね〜。」
剣で隙を崩したり、反撃できる様になるにはどうすれば。そう考えていると背中が少しピリピリし始めた。
ああ、ハンドガンの存在を忘れてた。魔力貯めたままずっとそのままだ。中に入っているのは雷魔弾で魔力は1,000込めてある。正直さっきのみたいにデカい雷が落ちてくるものだと皆んなを巻き込んでしまう。う〜ん、どうしたものか。
♢
ソラヤが一人で戦っている。私も手助けしたいけど、さっきの魔法陣で力がうまくでない。目で追うのもやっとな戦いに私が出ても……。
「悔しいな……。」
「……それは私も一緒です。」
「サリエルさんも?」
「本来であれば、この地をミカエルに任せた私が動かないといけないと思っています。」
そう言えばそんな話をしていた様な。でもそれって。
「ソラヤは気にしていないと思う。」
「でしょうね。ソラヤのパーティからそんな気は微塵も感じません。だからこそ……皆さんの力になりたいのです。」
「何か出来ることがありますか?」
「今の力であれば、1人くらいなら加護を与えられるかと。」
「それはどんな事をするんですか?」
サリエルさんは周りを少しみる。
「儀式はシンプルなものですが、10分ミカエルを抑える事が出来れば。」
「10分の間、あの戦いをするって事ですか?」
目の前で見るこの光景を見る。
「ソラヤと同じ事が出来る人は……リナくらいかな。」
「龍族の方でも厳しいかと。見たところスピード型では無いですし。」
「まぁ力とタフさは上ですけど。早さとなると違う気もする。」
「儀式の間ミカエルが待っていてくれれば良いのですが。儀式で力をつける事を知るミカエルは必ず妨害に来ます。」
「その為の10分間抑えるか……。」
数回の攻撃ならゴウさんとマレットくんで出来る。しかし今は傷ついている。ブルームちゃんやナイトさんでも10分となると……。
「あ。」
「どうかしましたか?」
「私なら出来るかも。」
「ソラヤにステータスを合わすスキルですか?ソラヤは恐らくですが、別のスキルを持ってあの動きのはずですが。」
「ううん。出来るよ。私達なら……。」
♢
困ったな。打ち合いを続けているけど、有効打がない。て言うかミカエルさっきより強くなってない?
「……さっきの魔法陣。」
「ん?なんだもう気づいたか?」
「やっぱりか。魔力は今も供給されているんだね。」
「ふはは。お陰で凄く戦いやすいぞ。強化も。」
―ギギン!ギュン!
「うわ、危な!いきなり剣筋変えて速度上げるとか反則だろ。」
「ふむ。これに反応する人間が反則だがな。」
「いや、ギリギリだって。」
「その喋る余裕も、我は気に食わんのだがな!」
―ギギン!ギン!ギン!
早さだけじゃない、受ける手も少し痺れる。受け流しのスキルも使ってやっとこれか。これはやっぱり雷魔弾を……。
「その腰の武器もここじゃ使えんしな。」
ん〜バレているか。まぁこれだけ魔力貯めて、光っていれば気がつくよね。
「足手纏いを切り捨てればいいだけの事。そうすれば我ともう少し遊べるぞ?」
「足手纏いとかいないから。僕が守ると決めたんだ……守る者がある方が強くなれる!」
「ふん。そんなのも言い訳だ。」
「現にミカエルは仲間に手出し出来てないよね?」
「その代わりがこの状況だが?」
む。その余裕そうな顔もイラっとする。何か手は無いか……。
「ソラヤよ。下がるが良い。」
「え?」
すぐ後ろから声がした。っと思ったら後ろに投げられる。
「おぉ!?っとと。」
慌てて受け身を取る。
―ギン!
「貴様は先程の見習い?いや、それが我の剣を受けられるはずが。」
「少しの間遊んであげるわ。いらっしゃい坊や。」
「我を坊や呼ばわりか。死にたいらしいな……。」
「え?メイク?」
後ろに投げ捨てられた僕の前にいるのは、白い羽根に黒い羽根の天使。
「ミステリア?」
「久方ぶりだな。私が少し相手をしてあげるから。詳しくはサリエルに聞きなさい。」
「え?え?どう言う事?」
隣にはサリエルさんに聞く。
「私にも何が何だか……。」
―キィィン!ドォォン!ドォォン!
「ミカエルと互角?いえ、それ以上?」
「サリエル何しているの!早くして!」
「は、はい!畏まりました!」
―コツン。
サリエルさんが杖を地面につくと、僕の真下に魔法陣が現れる。
「ちょっとこれどう言う事?」
「要は加護です。」
「訳し過ぎじゃない?加護?」
「悪い事は無いです。多分ですが、恐らく……もしかすれば?」
「不安な単語が並ぶね!」
とりあえずは任せるけど。ミステリアは大丈夫なのか?
「くそ!なんだと言うのだ!この出鱈目っな!?」
―ドォォン!
「ほらどうした?遊びたいんだろ?避けるないで欲しいわね。」
―ギュゥゥン!チリ。
「無茶苦茶だ……こんな戦いが続く訳が!」
「ふふ。紙一重ね。ほらほら、喋ると舌を噛むわよ?」
これまた楽しそうだな。でも何だろう……前に魔界でバトラーさんと戦っている時とは違う様な。
「あれ、少し無理しているよね。」
「そ、そうなのですか?楽しそうに戦って、私の力も必要ない気がしますけど。」
「メイクは……ミステリアは何分って言ってた?」
「私は10分お願いしましたが。」
「何か分からないけど、10分かけてでもこの作業が重要だって事は分かった。悪いんだけど、早められるならお願いしたいな。」
「分かりました。努力します。」
加護がどう言う事か全く分からない。でもメイクが無理をするくらいの事だから、きっと意味はある。
「なんだと言うのだ!貴様も天使族であろう!?」
「私は前から決めているのよ。この子を守ると……そしてこの子が守りたいモノを守ると。」
ミステリアの周りに光の玉が集まり出す。それは一つの形を剣へと変えていく。
「天叢雲…………。ここで倒れてくれても構わなくてよ?」
「っく。なんとデタラメな神気。だが、私にも引けないものがあるのだ。」
待っている間僕は、ミステリアの背中を見守ることしか出来ない。何事もない事を祈るだけ。頑張れミステリア。
―ギン!
「中々の剣さばきではあるが、覚えたばかりの様な拙い感じだぞ?」
「スキル手に入れて1週間経ってないから。」
「そんな剣で我に勝てると思ったか?」
「大丈夫。慣れればいいんでしょ。そんな時間はかからないよ。」
―ギギン!ギン!
「我には時間は悠にあるから構わんが。」
「残念だけど、僕は人間だからそんなに付き合ってあげられない。」
「久方ぶりの退屈凌ぎだ。簡単に倒れてくれるなよ!」
―ギィン!
遊び感覚なのか?そんなんで僕の家族に傷を……いけない、いけない。冷静さは無くさないようにしないと。誰かの二の前だ。
―ギギン!ギン!ギィン!
剣は慣れたんだけど、妙に規則正しい気もする。スキルに任せて振ってるからか?これに慣れて早さもイマイチな気がする。武器変えてみるか……でもナイフ2本より剣一本の方が力のバランスなんかもうまく取れる。攻守バランスいい訳で。
―ギィン!ギィン!ギィン!
「防ぐだけでは我に勝てんぞ。」
「そうなんだよね〜。」
剣で隙を崩したり、反撃できる様になるにはどうすれば。そう考えていると背中が少しピリピリし始めた。
ああ、ハンドガンの存在を忘れてた。魔力貯めたままずっとそのままだ。中に入っているのは雷魔弾で魔力は1,000込めてある。正直さっきのみたいにデカい雷が落ちてくるものだと皆んなを巻き込んでしまう。う〜ん、どうしたものか。
♢
ソラヤが一人で戦っている。私も手助けしたいけど、さっきの魔法陣で力がうまくでない。目で追うのもやっとな戦いに私が出ても……。
「悔しいな……。」
「……それは私も一緒です。」
「サリエルさんも?」
「本来であれば、この地をミカエルに任せた私が動かないといけないと思っています。」
そう言えばそんな話をしていた様な。でもそれって。
「ソラヤは気にしていないと思う。」
「でしょうね。ソラヤのパーティからそんな気は微塵も感じません。だからこそ……皆さんの力になりたいのです。」
「何か出来ることがありますか?」
「今の力であれば、1人くらいなら加護を与えられるかと。」
「それはどんな事をするんですか?」
サリエルさんは周りを少しみる。
「儀式はシンプルなものですが、10分ミカエルを抑える事が出来れば。」
「10分の間、あの戦いをするって事ですか?」
目の前で見るこの光景を見る。
「ソラヤと同じ事が出来る人は……リナくらいかな。」
「龍族の方でも厳しいかと。見たところスピード型では無いですし。」
「まぁ力とタフさは上ですけど。早さとなると違う気もする。」
「儀式の間ミカエルが待っていてくれれば良いのですが。儀式で力をつける事を知るミカエルは必ず妨害に来ます。」
「その為の10分間抑えるか……。」
数回の攻撃ならゴウさんとマレットくんで出来る。しかし今は傷ついている。ブルームちゃんやナイトさんでも10分となると……。
「あ。」
「どうかしましたか?」
「私なら出来るかも。」
「ソラヤにステータスを合わすスキルですか?ソラヤは恐らくですが、別のスキルを持ってあの動きのはずですが。」
「ううん。出来るよ。私達なら……。」
♢
困ったな。打ち合いを続けているけど、有効打がない。て言うかミカエルさっきより強くなってない?
「……さっきの魔法陣。」
「ん?なんだもう気づいたか?」
「やっぱりか。魔力は今も供給されているんだね。」
「ふはは。お陰で凄く戦いやすいぞ。強化も。」
―ギギン!ギュン!
「うわ、危な!いきなり剣筋変えて速度上げるとか反則だろ。」
「ふむ。これに反応する人間が反則だがな。」
「いや、ギリギリだって。」
「その喋る余裕も、我は気に食わんのだがな!」
―ギギン!ギン!ギン!
早さだけじゃない、受ける手も少し痺れる。受け流しのスキルも使ってやっとこれか。これはやっぱり雷魔弾を……。
「その腰の武器もここじゃ使えんしな。」
ん〜バレているか。まぁこれだけ魔力貯めて、光っていれば気がつくよね。
「足手纏いを切り捨てればいいだけの事。そうすれば我ともう少し遊べるぞ?」
「足手纏いとかいないから。僕が守ると決めたんだ……守る者がある方が強くなれる!」
「ふん。そんなのも言い訳だ。」
「現にミカエルは仲間に手出し出来てないよね?」
「その代わりがこの状況だが?」
む。その余裕そうな顔もイラっとする。何か手は無いか……。
「ソラヤよ。下がるが良い。」
「え?」
すぐ後ろから声がした。っと思ったら後ろに投げられる。
「おぉ!?っとと。」
慌てて受け身を取る。
―ギン!
「貴様は先程の見習い?いや、それが我の剣を受けられるはずが。」
「少しの間遊んであげるわ。いらっしゃい坊や。」
「我を坊や呼ばわりか。死にたいらしいな……。」
「え?メイク?」
後ろに投げ捨てられた僕の前にいるのは、白い羽根に黒い羽根の天使。
「ミステリア?」
「久方ぶりだな。私が少し相手をしてあげるから。詳しくはサリエルに聞きなさい。」
「え?え?どう言う事?」
隣にはサリエルさんに聞く。
「私にも何が何だか……。」
―キィィン!ドォォン!ドォォン!
「ミカエルと互角?いえ、それ以上?」
「サリエル何しているの!早くして!」
「は、はい!畏まりました!」
―コツン。
サリエルさんが杖を地面につくと、僕の真下に魔法陣が現れる。
「ちょっとこれどう言う事?」
「要は加護です。」
「訳し過ぎじゃない?加護?」
「悪い事は無いです。多分ですが、恐らく……もしかすれば?」
「不安な単語が並ぶね!」
とりあえずは任せるけど。ミステリアは大丈夫なのか?
「くそ!なんだと言うのだ!この出鱈目っな!?」
―ドォォン!
「ほらどうした?遊びたいんだろ?避けるないで欲しいわね。」
―ギュゥゥン!チリ。
「無茶苦茶だ……こんな戦いが続く訳が!」
「ふふ。紙一重ね。ほらほら、喋ると舌を噛むわよ?」
これまた楽しそうだな。でも何だろう……前に魔界でバトラーさんと戦っている時とは違う様な。
「あれ、少し無理しているよね。」
「そ、そうなのですか?楽しそうに戦って、私の力も必要ない気がしますけど。」
「メイクは……ミステリアは何分って言ってた?」
「私は10分お願いしましたが。」
「何か分からないけど、10分かけてでもこの作業が重要だって事は分かった。悪いんだけど、早められるならお願いしたいな。」
「分かりました。努力します。」
加護がどう言う事か全く分からない。でもメイクが無理をするくらいの事だから、きっと意味はある。
「なんだと言うのだ!貴様も天使族であろう!?」
「私は前から決めているのよ。この子を守ると……そしてこの子が守りたいモノを守ると。」
ミステリアの周りに光の玉が集まり出す。それは一つの形を剣へと変えていく。
「天叢雲…………。ここで倒れてくれても構わなくてよ?」
「っく。なんとデタラメな神気。だが、私にも引けないものがあるのだ。」
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