少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

186話 僕らは天使族?

 両目を撃って視界は奪った。しかし倒れる様子も無く暴れている。


「ブルーム、ナイト、は離れて。ゴウとマレットさんの後ろに。クロイとソラヤで遠距離。」
「あ、クロイは氷と風のみ!」
「ソラヤは風魔弾だけだよ〜。」
「ほほ。畏まりました。」
「ん〜了解。」


―ブゥワ……。
―ガチャ。


「羽根も抑えられない!」
「ほほ。風で斬り裂きましょう。


―スパ!スパ!


「ふむ。傷は付きますが、落とせませんね。」
「飛べなくすればいいよね。」


―ズゥゥゥン!ガン!


「ガンって硬いな。羽根だよねあれ?」
「飛び上がりそうですぞ?ローゼ闇は良いですか?」
「許可する。」
「飛ばさないよう、落として下さい。」


―ズズ……ズン!


『ギギィ!』
「中々にタフだね。クロイ何かある?」
「ふむ。動きを止めるくらいしか。氷ももう砕けそうです。」
「クロイ追加でいけるか?」
「今は難しいですな。闇を止めれば出来ますが?」
「そしたらソラヤ。100までね。」
「分かった。」


―ガチャ、ズゥゥゥン!パキ……パリィィン!!


 足を狙い撃ってキマイラを凍らせる。足と羽根が凍ってとりあえず動けない状態だ。


「とりあえず撃っておく?」
『打撃は効いていたぞ?』
「ブルームとナイトにリナ。凍っていない部分に攻撃を。」
「待ってました〜思いっきり行くよ!」
『我が正面に行こう。ブレス等があると危ないからな。』
「ありがとう。じゃ、ブルームそっちを。」
「「せーの!」」
『ふん!!』


―ドゴ!ドゴ!ドゴ、バキィ!


『ギィ!キェェェ……。』




➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 


《ホーリー・キマイラLv70を倒した。280(2,800)の経験値を得た。》
―クロイはLv34→Lv35になった。5ポイント獲得。
―ゴウはLv34→Lv35になった。5ポイント獲得。
―エイリはLv34→Lv35になった。5ポイント獲得。
―シー・ブルームはLv34→Lv35になった。5ポイント獲得。
―ローゼ・ヴァイスはLv34→Lv35になった。5ポイント獲得。




➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


 さすがに凄い経験値来たなぁ。 Lv85のリナがいて10人で分配して280って。


「ちょっと前からおかしいと思っていたのだが……。」
「どうかしたローゼ。」
「経験値おかしくないか?」
「さすがローゼ。よく気がついたね。」
「何か知っているのか?」


 皆んなにメイクのスキル【グロウエッグ】の説明をした。皆んなそれでか〜ってすぐ納得してくれた。


『ソラヤ自体がおかしいからか、色々とおかしい者が集まるのかも知れんな。』
「それはリナも含めて?」
『否定はせんぞ。人族とパーティを組む龍族はおらんとだろう。』
「え?おかしいのはソラヤだけじゃ?」
「メイクさんや。それは酷いと思うの。」


 皆んなを見ても目を逸らされたり、優しく微笑まれるだけだった。誰も否定してはくれないのかね?まぁいいけどさ。
 気になるから戦闘はしてみたけど勝てない事は分かった。それに父さんが女神スキルを使わなくても攻撃を耐えられる事は分かったし。


「じゃ〜まっすぐ教会に向かおうか。」
「これ食べれるなら回収する?」
「どうだろう……素材売ったりはできるかもだし、一応回収しようか。」
「分かった。」


―ヒュン。


『先程の魔物はかなり重量もあると思うが。』
「まぁそうだね。」
『あぁ……良い。ソラヤの仲間だったな。』
「ちょっとどういう意味!?メイクのスキルが凄いだけだからね?」
『はっはっは。では行こう。』


 笑って誤魔化された?この流れを楽しんでいるのか。リナはスタスタと歩いて行ってしまった。皆んながそれに続き、抜かす時に僕の肩をポンと叩いて着いて行く。


―ポン。


「いやいや。メイクの事だからね?」
「ん?まぁいいじゃん。行くよソラヤ。」
「どうしてこうなってる?」


 僕の扱いが皆んな酷くない?普通の人だからね僕。




 少し歩くと目視で確認出来る距離にキマイラが近付いてくる。


『キェ?』
「……。」


 こちらに気がつき首を傾げる素振りをするキマイラ。


「……。」
『……。』


 特に襲って来る様子も無くその横を過ぎる。


「襲ってこない?不思議そうには見られているけど。」
「理由は分からんが、戦わぬならそれでいい。一応ゴウが最後尾で頼む。」
「了解だローゼ。」


 そして何事も無く距離をとる事が出来た。そしてその後も襲って来る事はなかった。でも全てのキマイラは何かを見て動こうとしない様に見える。


「もしかしてさっきの戦わなくて良かった?」
「Lvも上がったし、無駄という訳ではないだろう。それよりあそこに扉があるぞ。」


 ローゼに言われてキマイラから視線を前に戻すと、お城の様な門が見えた。


「門の割には壁が低いね。」
「天使族だからな。飛べるから高くする意味がないのでは?」
「あぁ。成る程ね。」
「適当に言っただけだが。」


 そして門は閉まっていて、1人の天使が座って……。


「すぅ……。」
「寝てる?」
「ん〜……ん?入るのか?ふぁぁ。」


 門番らしき天使は気だるそうに対応してくる。てか簡単に入れていいのか門番。


「てか、門を通るなんて物好きな天使だな。飛んでけばいいのに。」
「飛んで入っていいもの?」
「ん?他所は違うのか?まぁ羽根を隠す魔法を使ってるくらいだし。1人片方隠れてないが。」


 どういう事だ?僕らを天使族と思っている?それに羽根を隠す魔法?


「まぁいいや。今開けるから待ってな。よっと。」


 何かを取り出して扉に刺す天使。あれは鍵かな?


―ガチャ。ズズズ……。


「ほら。とっとと入ってくれ。キマイラ達が寄って来ちまう。」
「は、はい。ありがとうございます。」
「いいって事よ。ゆっくりしてくれ旅の同士達よ。」


―ズズズ……バタン。ガチャ。


「えーっと……。入れたね。」
「そうですな。」


 中に入ると同じ様な人達がいる。何人かこっちを見て来たが特に何も無い。


「これがサリエルさんの言っていた教会だよね?」
「私に言われても。とりあえず誰かに聞いてみる?」


 そう言うとメイクはスタスタ歩いて行き声をかけた。


「すいません。ここはミカエル様の教会ですか?」
「あら?旅の方?そうよ。あの一番大きい建物がミカエル様の教会よ。」
「そうですか。有難うございます。」
「いいのよ。」


 ぽんぽんと頭を撫でる人。


「あら、ごめんなさい。懐かしくてつい。」
「懐かしい?私が?」
「いえいえ。その片方隠れていない翼よ。」
「これですか?」
「私も始めは苦労したわ。でも慣れちゃえばすぐ出来るから頑張って。後ろの仲間の方に遅れてるとか気にしちゃダメよ?」
「はい。ありがとうございます?」
「ふふ。ゆっくりしていってね。」


 手を振り歩いていく人。戻ってきたメイクは、何やら混乱した感じだった。


「どう言う事だろう?」
「聞いた感じだと、僕らは翼を隠した天使族って思われているって事?片方見えるのは慣れてない天使とかかな。」
「もともと無いんだけどな〜。もしかしたら知らないうちに隠してるのかな?」


 まぁ隠れているのは間違ってないかも知れない。ミステリアの人格の時は2つあったし。


 とりあえずは無事に入れて良かったって事で。あの高い建物を目指そうかな。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品