少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
180話 ヒートアップとクールダウン。
王妃様との戦いラストバトル。
―ギンギンギン!
「はは。さっきより動きがいいぞ。この調子だ。」
「王妃様はまだまだ余裕そうですね。」
「王妃様とか堅苦しく無くてよいぞ?気軽にフェンスと呼ぶがいい。」
「そんな恐れ多い。」
何度か打ち合いをしているうちに剣の扱い方が分かってきた。何となくだけど、こうやって使えばいいって感覚が頭に流れて来る感じ。これが勇者のスキルのお陰なのか?
―ギンギン!ビュン。ギンギンギン!ビュン。
全て受け止められていた剣も徐々に当たりそう。まぁ簡単に躱されてしまうけど。
「今のは危なかった。」
「本当ですか?でも余裕で避けられてますよ?」
「この私が受ける以外の選択肢が出来たんだ。十分に誇れる事だがな。では、こちらも反撃しようか。」
―ビュゥン!
「のわ!?」
「ふむ。今のを躱すか。」
「あんな攻撃食らったら終わりますよ。」
「たった一度の反撃で何を言う。面白いのはこれからだ……ぞ!」
―ビュゥン!ビュゥン!
「っと。っふ!」
「ははは!凄いじゃないか!」
―ビュゥン!ビュゥン!ビュゥン、ズガァン!
横降り2回に最後の縦振り。地面に刺さった剣が王妃様の威力を物語る。
―ビュゥン!ギギン!
初手の剣を受け流す。
「せい!」
―ヒュン!ッチ。
切り崩した反撃だったけど紙一重で躱された。
「もう対応して反撃するか。ソラヤは順応性が高いな!」
「さっきと同じ剣筋でしたし。」
「一度で見切るとか普通出来ないからな?」
「そうでしょうか?王妃様が…。」
―ビュゥゥゥン!
「王妃様?」
「……フェンス。」
「よろしい。」
今のは危なかった。大剣の横薙ぎには変わらなかったが、峰打ちって感じで剣の横っ腹で振り抜いてきた。剣をそんな振り回すとか王…フェンスのSTRどんだけだと思ったよ。
―ギン!ビュゥン!ギギン!
―ヒュン!ギン!ヒュン!
あれ?僕らなんのためにここにいるんだっけ?
徐々に剣を振るのに慣れてきて。振り抜いたり、フェイクを入れたり。受け流しは剣でもスキル効果が発揮された。だけど少しでも気を抜けば斬られる感覚が拭えない。
だけど……これが剣での戦闘。銃とは違った緊張感がまた堪らず、楽しくなってきた。
♢
「クロイさん。そろそろ母上達を止めた方が良くないですか?」
「ふむ。時間は過ぎてますが、あれだけ楽しそうに戦っているソラヤを止めますか?」
「どちらも躱しきれず切り傷が増えてますし。このままだと大変な事態になりそうでヒヤヒヤします。」
「終わりどころが見えませんな。」
「あれで母上も周りが見えなくなるので。」
「ふむ。それでは多数決をとりましょうか。」
危険だと進言するマレット殿の意見はごもっとも。このままではソラヤが斬られるか、マレット殿のお母様が斬られるか終わらないでしょう。
ソラヤの方は当たれば終わる可能性がありますが、あの回避に運がついていますからね。スキル的にも躱すに関して何にも心配はしていません。問題は相手に有り、万が一会心で当たりどころが悪いと……。
「母さん。死者を蘇生させられます?」
「出来ないよ〜。やった事はないけど、一番最初にクロイがそう言ったでしょ?」
「そうでしたね。」
これは皆様に母さんでも死者は治せない。そう思わせる為であって深い意味は特にない。
「出は皆様……この戦い止めますか?」
♢
「ではお願いします。派手めに沢山で。」
―ぽつ…ぽつ……ザァァァァァァ!!!
「「!!!」」」
―ザァァァァァァ……ピチャ…ピチャ。
「ぷは!一瞬息できなかったよ。」
「……ずぶ濡れだわ。」
「止まった様で何より。剣の打ち合いで30分以上使ってましたぞ。」
「あれ?少し超えたかなーって思ってたけどそんなに?」
「楽しい時間はあっという間に過ぎる者だからな。」
そして魔神とのラストバイトも終わりお互い生還。剣を収める。そこで僕は思い出した。これって特訓だったか?あの感じ普通に死闘だったけど。でもそもそもに用事があったはず……。
あ、そう。スキル付与の話。
「そう言えばその様な話だったな。そうだな……何がいい?」
「何がいいってそれ選ぶの?それじゃさっきの戦いって。」
「趣味だ。」
「……選ぶってどんな物があるのですか?」
「その前に。2人とも着替えたら?」
母さんがタオルを用意してくれていた。濡れた髪を拭き、服は何かあったかな?
「ちょっとソラヤ!ここで脱がない!」
「別に僕は気にしないよシー?」
「私が気にするの!ほらあっちにテントがあるから!」
「はーい。分かったよ。」
―ピチャ、ピチャ、ピチャ。
服が体に服が張り付いて気持ち悪い。後ろを振り向くとテントを指差すシー。怒られそうだし素直に従うか。
「母上!!??この様な所でいけません!!」
「何よマレット。一緒にお風呂はいった事あるでしょう?」
「そ、それは子供の頃の話です!」
「今も子供よ?」
「いや、まぁそうなんですが。じゃなくてゴウさんやクロイさんがいますから!」
「別に見られて減るものではないが。」
僕がテントで着替えている中まで聞こえてくる声。きっとあの場で脱ぎ始めたんだろう、僕もそうしようとしたし気持ちは分かる。
―パシン!
―シュルゥゥ、スパン!
「栄理よ。少し痛い。」
「防御力高いから大丈夫!」
「ローゼ。何度も言う様ですが……せめて手でお願い致します。」
「すまんクロイ。手より先にこいつを握ってしまう。」
この光景は見なくても分かる。きっと今着替えて出ていけば僕もどうなるか分からない。出る前に一声かけよう。
「仕方ないな。隠せば良いのだろう?暗い霧。」
「シー。着替えたよ。出てもいい?」
「え?あーうん。多分。」
煮え切らない感じだな。まぁいいと言われたから出るか。
「ん?暗い?夜になった?」
「ソラヤ……見つけた。」
「シーこれは何?」
「分からない。マレットくんのお母さんが魔法を使ったみたいなんだけど。」
―パチン!
音と共に黒い何かが消えていく。
「フェンス今のは?」
「ただの霧だ。闇魔法の一つで、目くらましに過ぎん。」
「へぇ。魔法にも色々あるんだね。」
「これでも長年実験と研究を重ねてきたからな。」
出てきたフェンスはお城で見たドレスを着ていた。
「さて。スキルの話をしようか。」
「あ、お茶の用意しますね。」
「う、うむ。ありがとう。」
そして中々話が進まないのであった。
―ギンギンギン!
「はは。さっきより動きがいいぞ。この調子だ。」
「王妃様はまだまだ余裕そうですね。」
「王妃様とか堅苦しく無くてよいぞ?気軽にフェンスと呼ぶがいい。」
「そんな恐れ多い。」
何度か打ち合いをしているうちに剣の扱い方が分かってきた。何となくだけど、こうやって使えばいいって感覚が頭に流れて来る感じ。これが勇者のスキルのお陰なのか?
―ギンギン!ビュン。ギンギンギン!ビュン。
全て受け止められていた剣も徐々に当たりそう。まぁ簡単に躱されてしまうけど。
「今のは危なかった。」
「本当ですか?でも余裕で避けられてますよ?」
「この私が受ける以外の選択肢が出来たんだ。十分に誇れる事だがな。では、こちらも反撃しようか。」
―ビュゥン!
「のわ!?」
「ふむ。今のを躱すか。」
「あんな攻撃食らったら終わりますよ。」
「たった一度の反撃で何を言う。面白いのはこれからだ……ぞ!」
―ビュゥン!ビュゥン!
「っと。っふ!」
「ははは!凄いじゃないか!」
―ビュゥン!ビュゥン!ビュゥン、ズガァン!
横降り2回に最後の縦振り。地面に刺さった剣が王妃様の威力を物語る。
―ビュゥン!ギギン!
初手の剣を受け流す。
「せい!」
―ヒュン!ッチ。
切り崩した反撃だったけど紙一重で躱された。
「もう対応して反撃するか。ソラヤは順応性が高いな!」
「さっきと同じ剣筋でしたし。」
「一度で見切るとか普通出来ないからな?」
「そうでしょうか?王妃様が…。」
―ビュゥゥゥン!
「王妃様?」
「……フェンス。」
「よろしい。」
今のは危なかった。大剣の横薙ぎには変わらなかったが、峰打ちって感じで剣の横っ腹で振り抜いてきた。剣をそんな振り回すとか王…フェンスのSTRどんだけだと思ったよ。
―ギン!ビュゥン!ギギン!
―ヒュン!ギン!ヒュン!
あれ?僕らなんのためにここにいるんだっけ?
徐々に剣を振るのに慣れてきて。振り抜いたり、フェイクを入れたり。受け流しは剣でもスキル効果が発揮された。だけど少しでも気を抜けば斬られる感覚が拭えない。
だけど……これが剣での戦闘。銃とは違った緊張感がまた堪らず、楽しくなってきた。
♢
「クロイさん。そろそろ母上達を止めた方が良くないですか?」
「ふむ。時間は過ぎてますが、あれだけ楽しそうに戦っているソラヤを止めますか?」
「どちらも躱しきれず切り傷が増えてますし。このままだと大変な事態になりそうでヒヤヒヤします。」
「終わりどころが見えませんな。」
「あれで母上も周りが見えなくなるので。」
「ふむ。それでは多数決をとりましょうか。」
危険だと進言するマレット殿の意見はごもっとも。このままではソラヤが斬られるか、マレット殿のお母様が斬られるか終わらないでしょう。
ソラヤの方は当たれば終わる可能性がありますが、あの回避に運がついていますからね。スキル的にも躱すに関して何にも心配はしていません。問題は相手に有り、万が一会心で当たりどころが悪いと……。
「母さん。死者を蘇生させられます?」
「出来ないよ〜。やった事はないけど、一番最初にクロイがそう言ったでしょ?」
「そうでしたね。」
これは皆様に母さんでも死者は治せない。そう思わせる為であって深い意味は特にない。
「出は皆様……この戦い止めますか?」
♢
「ではお願いします。派手めに沢山で。」
―ぽつ…ぽつ……ザァァァァァァ!!!
「「!!!」」」
―ザァァァァァァ……ピチャ…ピチャ。
「ぷは!一瞬息できなかったよ。」
「……ずぶ濡れだわ。」
「止まった様で何より。剣の打ち合いで30分以上使ってましたぞ。」
「あれ?少し超えたかなーって思ってたけどそんなに?」
「楽しい時間はあっという間に過ぎる者だからな。」
そして魔神とのラストバイトも終わりお互い生還。剣を収める。そこで僕は思い出した。これって特訓だったか?あの感じ普通に死闘だったけど。でもそもそもに用事があったはず……。
あ、そう。スキル付与の話。
「そう言えばその様な話だったな。そうだな……何がいい?」
「何がいいってそれ選ぶの?それじゃさっきの戦いって。」
「趣味だ。」
「……選ぶってどんな物があるのですか?」
「その前に。2人とも着替えたら?」
母さんがタオルを用意してくれていた。濡れた髪を拭き、服は何かあったかな?
「ちょっとソラヤ!ここで脱がない!」
「別に僕は気にしないよシー?」
「私が気にするの!ほらあっちにテントがあるから!」
「はーい。分かったよ。」
―ピチャ、ピチャ、ピチャ。
服が体に服が張り付いて気持ち悪い。後ろを振り向くとテントを指差すシー。怒られそうだし素直に従うか。
「母上!!??この様な所でいけません!!」
「何よマレット。一緒にお風呂はいった事あるでしょう?」
「そ、それは子供の頃の話です!」
「今も子供よ?」
「いや、まぁそうなんですが。じゃなくてゴウさんやクロイさんがいますから!」
「別に見られて減るものではないが。」
僕がテントで着替えている中まで聞こえてくる声。きっとあの場で脱ぎ始めたんだろう、僕もそうしようとしたし気持ちは分かる。
―パシン!
―シュルゥゥ、スパン!
「栄理よ。少し痛い。」
「防御力高いから大丈夫!」
「ローゼ。何度も言う様ですが……せめて手でお願い致します。」
「すまんクロイ。手より先にこいつを握ってしまう。」
この光景は見なくても分かる。きっと今着替えて出ていけば僕もどうなるか分からない。出る前に一声かけよう。
「仕方ないな。隠せば良いのだろう?暗い霧。」
「シー。着替えたよ。出てもいい?」
「え?あーうん。多分。」
煮え切らない感じだな。まぁいいと言われたから出るか。
「ん?暗い?夜になった?」
「ソラヤ……見つけた。」
「シーこれは何?」
「分からない。マレットくんのお母さんが魔法を使ったみたいなんだけど。」
―パチン!
音と共に黒い何かが消えていく。
「フェンス今のは?」
「ただの霧だ。闇魔法の一つで、目くらましに過ぎん。」
「へぇ。魔法にも色々あるんだね。」
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