少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜
176話 戦闘好きの試練②
シーの一撃を当ててみよう。だけど見るからに強力な攻撃を受け止める保証はない。
「ソラヤどうします?当てるのも大変そうですけど。」
「大丈夫クロイ、作戦はある。それとマレット君ちょっと相談が。」
「戦う最中に作戦?そんな余裕本当は無いんだよ?」
「知ってるよ。だから…。」
『我が遊んでやろう。』
―ッシュ!
「おっと!」
『中々の反応速度だ。だがその余裕いつまで続くかな?』
「1、2、3、4……。」
―キュン、キュン、キュン、キュン。
「ん?どこに投げてるの?」
「準備完了。いっくよ〜。」
―ビュン!ビュン!
「単調ね〜」
「これ意外に神経使うんだよ?」
簡単に避ける王妃様。でもメイクの狙いはそれじゃ無い。そろそろだな。
「すぅ……はぁ!!」
王妃様から赤と黒の何かが出る。
―ギン、ギン、ギン、ギン。
「後ろからのは分かっていたぞ。」
「今度は避けずに弾くんだ。」
「そりゃ〜…。」
―ビュン!
『我のは避けるのか?』
「一度貴女の攻撃は受けたし。あれは結構ギリギリで、何度も受けたら苦しくなりそう。」
「それ言っちゃうんだ。」
「隠す必要もないからね。それに言えばそれに対して、対策をするでしょう?楽しみだわ〜」
戦闘をあんなに楽しそうに話す人なのか。それじゃその期待に応えないとね。
「クロイ行くよ。」
「えぇ。腕がなりますね。」
僕がハンドガン片手に走り込む。
「次は君か!どんなのを見せてくれる。」
「ご期待に添える様に……。」
「致しましょう。水神様お願いします。」
―ブクゥ……バァァン!
「ん?特に効果はない様だな。濡れてもどうともないぞ。」
「それがあるんだ。」
「そなたの攻撃は当たらぬ……ん?」
―バリ…バリバリ!!
「あばば!!」
「当てなくてもいいんだよ。水は電気を通すって、理科でやったからね。」
「まだ行きますよ。火神様、竜巻で。」
―ゴォォォォン!
王妃様の足元から巻き上がる炎。水が蒸発して白い煙が出てくる。これを…?
「白い煙なんだっけ?」
「これが水蒸気ですぞ。」
「あーそんな名前だった。」
「そして更に炎の竜巻に、軽く水を当てて水蒸気を追加します。」
―ブクゥ…ザァァ。
「これの意味は?」
「水蒸気は上に、冷気を少し足しますと……雲を作るのです。」
「へぇ〜で?」
「久し振りなので、皆様の気合が見えますね。」
―ゴロゴロ……。
「それは雷雲となり……マレットさん先程のを。」
「設置しました!」
「では、皆様離れて下さい。遠雷の音!」
―ピカ!!……ズドォォン!!!!
これ前に見たな〜。カエルだったかが一撃で真っ黒だった。雷の勢いで炎の竜巻も消えた。
「おいクロイ。それは撃つ時に私に言えと言った気がしたが?」
「ほっほ。ローゼ。撃ちました。」
「事後報告じゃ遅いからな?」
「ほっほ。ソラヤ次は考えてます?」
煙が晴れてきて、人影が見える。
「効くわ〜。竜巻がただの足止めかと思いきや、少し息苦しかったわ。あれは何かしら?」
「火は酸素を使い燃えます。竜巻による中心部の真空状態。それが答えですよ。」
「教えてくれるのね。それとソラヤくんもそうだったけど、雷属性の魔法なんて存在するのかしら?」
「わたくしのは複数の属性魔法を組み合わせ、イオンによる静電気です。ソラヤのは…謎ですな。」
なんだか難しい話をしている大人2人。クロイは見た目は僕と変わらないけど。
「博識な少年ですね。」
「ほっほ。ありがとう御座います。」
「しかし、同じ技は2度は効かんぞ?」
「いえ、まだ終わってませんので。」
―ブォン。
「いっくよ〜!」
そんな掛け声出したら、マレット君の転送で死角から出た意味がないよ。
「そんな言葉を発して、奇襲の意味を分かっているのですか?」
―ブォン。
『我もそう思うぞ。』
「!?」
シーに向きを変えた王妃様の、死角から今度はリナが出てくる。声のかけたも上手いし、攻撃の軌道もどちらも回避するのは難しい。さてどっちを選ぶ?
「せあ!!」
『ふん!』
「っく!」
―ゴッ、バキィ……バリン!
「かは!?」
当たったのはシーの一撃。散々派手な攻撃を仕掛けてきたリナ、見た目は僕と変わらない女の子供の一撃。どちらか食らうとしたら、シーの方を選ぶ気持ちはわかる。
「やった。当たった。」
『う、うむ…………嫌な音がしたな。』
腹部を抑えて立ち上がる王妃様。
「や、やるわね。小さい体のどこにそんな力が?」
「どこってここ?っふ。」
腕を捲り上げ、力こぶを作ろうとする。
「どちらにしろ、油断した事には変わらん。素晴らしい連携だったよ。」
「僕らも向こうに行く前に動きを確認できて良かったです。」
「ちょっと心配だったけど、子供を信じて見送るのも親の務めよね……。よいしょ。」
目の前から消えて、行方を目で追うと椅子のある所まで移動して座った。
「あぁ。こんなに動いたの久しぶりでしんどいわ〜。少し休ませて。」
これで戦闘終了?ステータスを見ても何も変わりはない。戦いが好きな割には終わりがスッキリだな。てっきりもっとボロボロになるまでやると思ったのに。
とりあえず、戦闘する気はなさそうだから僕らも休憩する。
1日って言ってたし、今のは準備運動だろう。次はどうするか、頭の中で色々考える。あれ?僕ももしかして戦闘好きなのか?……まぁいいか。
「ソラヤどうします?当てるのも大変そうですけど。」
「大丈夫クロイ、作戦はある。それとマレット君ちょっと相談が。」
「戦う最中に作戦?そんな余裕本当は無いんだよ?」
「知ってるよ。だから…。」
『我が遊んでやろう。』
―ッシュ!
「おっと!」
『中々の反応速度だ。だがその余裕いつまで続くかな?』
「1、2、3、4……。」
―キュン、キュン、キュン、キュン。
「ん?どこに投げてるの?」
「準備完了。いっくよ〜。」
―ビュン!ビュン!
「単調ね〜」
「これ意外に神経使うんだよ?」
簡単に避ける王妃様。でもメイクの狙いはそれじゃ無い。そろそろだな。
「すぅ……はぁ!!」
王妃様から赤と黒の何かが出る。
―ギン、ギン、ギン、ギン。
「後ろからのは分かっていたぞ。」
「今度は避けずに弾くんだ。」
「そりゃ〜…。」
―ビュン!
『我のは避けるのか?』
「一度貴女の攻撃は受けたし。あれは結構ギリギリで、何度も受けたら苦しくなりそう。」
「それ言っちゃうんだ。」
「隠す必要もないからね。それに言えばそれに対して、対策をするでしょう?楽しみだわ〜」
戦闘をあんなに楽しそうに話す人なのか。それじゃその期待に応えないとね。
「クロイ行くよ。」
「えぇ。腕がなりますね。」
僕がハンドガン片手に走り込む。
「次は君か!どんなのを見せてくれる。」
「ご期待に添える様に……。」
「致しましょう。水神様お願いします。」
―ブクゥ……バァァン!
「ん?特に効果はない様だな。濡れてもどうともないぞ。」
「それがあるんだ。」
「そなたの攻撃は当たらぬ……ん?」
―バリ…バリバリ!!
「あばば!!」
「当てなくてもいいんだよ。水は電気を通すって、理科でやったからね。」
「まだ行きますよ。火神様、竜巻で。」
―ゴォォォォン!
王妃様の足元から巻き上がる炎。水が蒸発して白い煙が出てくる。これを…?
「白い煙なんだっけ?」
「これが水蒸気ですぞ。」
「あーそんな名前だった。」
「そして更に炎の竜巻に、軽く水を当てて水蒸気を追加します。」
―ブクゥ…ザァァ。
「これの意味は?」
「水蒸気は上に、冷気を少し足しますと……雲を作るのです。」
「へぇ〜で?」
「久し振りなので、皆様の気合が見えますね。」
―ゴロゴロ……。
「それは雷雲となり……マレットさん先程のを。」
「設置しました!」
「では、皆様離れて下さい。遠雷の音!」
―ピカ!!……ズドォォン!!!!
これ前に見たな〜。カエルだったかが一撃で真っ黒だった。雷の勢いで炎の竜巻も消えた。
「おいクロイ。それは撃つ時に私に言えと言った気がしたが?」
「ほっほ。ローゼ。撃ちました。」
「事後報告じゃ遅いからな?」
「ほっほ。ソラヤ次は考えてます?」
煙が晴れてきて、人影が見える。
「効くわ〜。竜巻がただの足止めかと思いきや、少し息苦しかったわ。あれは何かしら?」
「火は酸素を使い燃えます。竜巻による中心部の真空状態。それが答えですよ。」
「教えてくれるのね。それとソラヤくんもそうだったけど、雷属性の魔法なんて存在するのかしら?」
「わたくしのは複数の属性魔法を組み合わせ、イオンによる静電気です。ソラヤのは…謎ですな。」
なんだか難しい話をしている大人2人。クロイは見た目は僕と変わらないけど。
「博識な少年ですね。」
「ほっほ。ありがとう御座います。」
「しかし、同じ技は2度は効かんぞ?」
「いえ、まだ終わってませんので。」
―ブォン。
「いっくよ〜!」
そんな掛け声出したら、マレット君の転送で死角から出た意味がないよ。
「そんな言葉を発して、奇襲の意味を分かっているのですか?」
―ブォン。
『我もそう思うぞ。』
「!?」
シーに向きを変えた王妃様の、死角から今度はリナが出てくる。声のかけたも上手いし、攻撃の軌道もどちらも回避するのは難しい。さてどっちを選ぶ?
「せあ!!」
『ふん!』
「っく!」
―ゴッ、バキィ……バリン!
「かは!?」
当たったのはシーの一撃。散々派手な攻撃を仕掛けてきたリナ、見た目は僕と変わらない女の子供の一撃。どちらか食らうとしたら、シーの方を選ぶ気持ちはわかる。
「やった。当たった。」
『う、うむ…………嫌な音がしたな。』
腹部を抑えて立ち上がる王妃様。
「や、やるわね。小さい体のどこにそんな力が?」
「どこってここ?っふ。」
腕を捲り上げ、力こぶを作ろうとする。
「どちらにしろ、油断した事には変わらん。素晴らしい連携だったよ。」
「僕らも向こうに行く前に動きを確認できて良かったです。」
「ちょっと心配だったけど、子供を信じて見送るのも親の務めよね……。よいしょ。」
目の前から消えて、行方を目で追うと椅子のある所まで移動して座った。
「あぁ。こんなに動いたの久しぶりでしんどいわ〜。少し休ませて。」
これで戦闘終了?ステータスを見ても何も変わりはない。戦いが好きな割には終わりがスッキリだな。てっきりもっとボロボロになるまでやると思ったのに。
とりあえず、戦闘する気はなさそうだから僕らも休憩する。
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