少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

105話 仮面の意味は安全面?

翌日の朝全員で朝食を取る。


「そうだ、ソラヤ。」
「なんでしょうかマスター。」
「マスター?あぁここじゃ呼び方は好きにしてくれていいぞ。」
「じゃー何?おじさん。」
「切り替え早いな。まぁいい。これからのことなんだが、今日は何か予定はあるのか?」


予定と言われて、昨日は何も考えずに寝ていた事に気がついた。
朝食を食べて、すっかり目覚めた頭を稼動し始める。


「そうですね…まずは皆んなで武器屋に行こうかと。その後は…西の谷で篭ってLv上げですかね?」
「何故に疑問なんだ?」
「これはあくまで僕だけの考えなので。皆んなの意見を聞いて、まとめるつもりですから。」
「ふむ。若いのにしっかりしてるな。」


パッと思いついた内容を話す。
皆んなの顔を見て行くと皆んな頷くので、この内容になりそうだけど。


「それならまぁいいか。」
「何かあるんですか?」
「ん?2しばらくすればまた大臣が動くだろうからな。予定を聞いておいて、なるべく接触させない様にしようかとな。」


あー…こんなに広い王都で、一番会いたくない人に初日から出会った。
そんな問題を毎回の様に引き寄せるのは、何かある気がしてならない。


「なんかおじさんにしては……。」


隣にいたレイランさんと目が合う。
そっと口に手を当てて、片目を瞑る。


まぁクランのマスターとしての何かなんだろう。
ここは特に何も言わないでおこう。


「じゃ、皆んなに聞くけど。さっきのでいい?大臣が何かあるそうであれば、3日くらいは篭りたけど。」


皆んな問題なく賛成してくれる。


「そんな訳で少し篭ります。エッジも来る?」
「え?いいんですか?」
「僕達は構わないけど。おじさんとレイランさんが良いのであれば。」


「今の所、例の事がありエッジに依頼はありませんし。私は構わないかと。」
「行けばいいさ!それが強くなる為なら、俺は止めないぞ。」
「ありがとうございます!では、お供させて下さい!」
「うん。こちらこそよろしくね。」


武器屋を見た後、西の谷でLv上げ。
別に東や北にも行っていいけど、谷の散策はまだぜんぜんんででんきていない。


「そしたら早速武器屋に行こうか。」
「武器屋に行くのか?なら俺も行きたいな。」
「マスター1人だと…スタン一緒に行ってくれるかしら?」
「(こくこく)」


おじさんとスタンさんも着いて来ることになった。
確かおじさんの武器は、シーが壊したみたいでまだ新しいのを買っていないらしい。


「じゃ、早速行くとするか。案内は頼むぞソラヤ。」
「分かった。じゃ、行こうか。」






僕達はクランの屋敷を出て、街を歩く。
道案内を頼まれた僕だったが、少し後悔した。
案内をする訳だから、当然一番前を歩いている訳だが。


「おい、あれ仮面の団長じゃないか!」
「本当だ!でっけーな。」
「その後ろにも仮面がいっぱいいるぞ。あれが噂の新人か。」
「それより先頭だろ。団長の前を歩いてるぞ?」
「十番?増えた数字の中で、一番若い数字だな。」
「「あの十番…何者なんだ?」」


おじさんが目立ち過ぎるだけに、先頭を歩く僕への注目感がやばい。
悪いイメージではないんだけど、今後も注目されると動きずらいな。


「ねぇおじ……マスター。この仮面着けてないといけない?」
「ん?俺は別に外しても構わないけどな。」
「……やめた方がいい。」
「え?…あ、スタンさん。」


ぼそっと何かが聞こえてから、声の主を探すとスタンさんだった。
おじさんの肩に乗って担がれて来たスタンさん。


まるで親と子と思わせるこの図。
これもトレーニングだと、おじさんは気にしていない。
スタンさんもいつもの事って感じで担がれている。
っほ。っと肩から降りて色々と話してくれる。


「やめた方がいいですか?」
「……顔バレる。」
「まぁ今取ればそうですね。」
「……街歩きずらい。」
「だはは。いやでも我がクランは目立つからな!」


おじさんが笑うと、街の人がビクッと何かに反応する。
怖がる人もいれば、影で何かを言っている人。
隙を伺っているのか?バレバレな気配で着いて来る何者か。


「え、何?このクラン狙われているの?」
「……もいる。」
「うわぁ〜物騒な街だな。」
「……大丈夫。」
「影から睨んでいた人が、誰かに連れて行かれる。」
「あの尾行してた人捕まったよ?」
「……ファンクラブの人。」
「…………ちなみに誰の?」
「……今日のは私。」


怪しい人を捕まえた人達に向かって、ひらひら手を振るスタンさん。




「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」


どこからともなく、大声で叫ぶ男の声。


「……安全。」
「ソウデウネ。」


あまり多く言葉は交わせなかったけど、てか周りから殺気が集まりだしたので切り上げた。


言われた事をまとめて考えると、街で仮面を着けていれば素顔がばれない。
そうなるとこの監視もなくなるだろうし、自由に出来るかな。
逆に仮面を着けて歩けば安全。


「……そのうち慣れる。」


そう言うと、スタンさんはおじさんの肩に戻って行った。


また一つ王都の事情を知り、さらにこの街の事が分からなくなったよ。



「少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く