少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

59話 休憩と発散。

王都に向かうソラヤ一行。


平坦な道をただひたすらに進む。


道中の敵はと言うと…。


―ガチャ、ズゥゥン……
―ガチャ、ズゥゥン……
―ガチャ、ズゥゥン……


この前馬車内からの狙撃で怒られたから、今は馬車の上から撃ってます。




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《ウルフLv28を倒した。20(140)の経験値を得た。》
《ウルフLv28を倒した。20(140)の経験値を得た。》
《ウルフLv28を倒した。20(140)の経験値を得た。》


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「ふーん。少し進んだだけで、Lv高いウルフいるね。」
「倒した〜?」


屋根の上にいるのは僕とシー。
撃つ動作を見て、タイミングよく耳を塞ぐシー。
馬車の中にいるのも暇だからと、一緒に上がってきている。


「とりあえず、前方にはいないね。周りにも見える魔物もいない…かな。」
「近づかないから、私の出番がないなぁ〜早く戦ってみたいのに。」


Lvが上がった試し打ちをしたくて、うずうずしているシー。
別に急いでいないから、止まって戦闘してもいいんだけど。
周りを見るにあまり魔物が見えない。


「どこかで馬を休ませるはずだし。どこかで出番あるよ。」
「あるかな〜?この感じだとソラヤとクロイで、近づく前に殲滅出来そうだよ。」
「まぁ出来なくも無いけど。あまり銃はバンバン撃ちたくないし。弾丸もタダじゃないし。」


この辺の魔物は、近づかれる前に狙い撃てば、きっと楽に倒せるだろう。
僕らよりLvはちょっと高いけど、狙って撃てば1撃だった。


「タダじゃないって言ってる割に、バンバン撃つよね?」
「まぁ〜石じゃ近距離だし……別に遠くも届かない訳じゃ無いけど。」
「あれでしょ?ソラヤ楽しいんでしょ?銃撃つの。」
「…そうだね。」
「じゃ〜しょうがない。楽しい気持ちは分かるからね!」


そう言って拳を突き出すシー。
そっか。楽しいもんな…仕方がない…よね!


「ソラヤ降りてこい。そろそろ例の弾丸使いそうだ。」
「例の弾丸?」


―ガチャ


「それだそれ。今装填したそれだ。」
「装填した…これは聖魔弾!」
「何を驚いている。」
「いや、無意識で装填してた!」
「怖いな、おい。じゃ無くてだ。」


ローゼに止められ、僕とシーは馬車に戻る。
銃声は聞こえていて、僕がそろそろ違う事をすると悟ったらしい。
エスパー?僕のスキルで言う『危険察知』みたいなもんかな…。
誰が危険だ!っと自分で自分を心の中で突っ込む。


「どうかしたか?」
「何もしてません。」
「ならばいいが…。」


疑うローゼは僕を観察している。
流石に心が読める訳じゃないだろう。
深くは突っ込んではこない。




「それにしても退屈だね〜。」
「確かに!王都まで後どれくらいあるの?」
「分からないよ。そして今どこにいるかもね。」
「迷子じゃん。」
「道なりに進んでるから、いつか違う風景になるよ。」








「川だな。」


っとお父さんが言う。。


「川ね。」


っとお母さんが続く。


「橋かな?」
「恐らくは…。」


馬車の中から顔を出して見る、シーとローゼ。


「ぶっ壊れてるね。」


ナイトが言うように僕らの目に前には橋があったと思われる川にに辿り着いた。
そして人が作ったであろう橋も。
…途中で道が無いけどね。


「ほほ。これは、何かによって壊されてますな。」
「誰か直してくれるかな?とりあえず…ちょっと休憩しよう。」


馬も休ませた方ががいいし、休める時に休もう。
もしかしたら橋があるから、誰かここに来る可能性があるはず。
そして何より…。


「休憩きた!あれ倒してきていい?いいよね?よし行こう。」
「あ、ずるい!私も行く!」
「2人で行くな、危ないだろ!」


確認したのか?獲物を狩りに行くシー。
それについて行くナイト。
そしてそんな2人を止めようとする先生…ローゼ。


「もうあの子達は…。」
「ソラヤ…。」
「お父さんは皆んなを守ってあげて。」


当然盾と回復役は必要だろうと、お父さんとお母さんを送り出す。
そして残った2人はお留守番。


「ほほ。馬に水でも出しましょう。ソラヤ、ブラッシングとかお願いしますね。」
「あ〜うん。向こうは………。」




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《ガウルLv28を倒した。20(140)の経験値を得た。》


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なんか聞いた事ないの倒してるし。


「ガウルってなんだ?知らない名前出てきたし。」
「ガウルって言うと、おそらく牛かと。」
「牛の英語か何かなの?」
「そう言う牛の仲間がいました。遠目で見ているので、名前通りであればですけど。」
「そっか…援護いるかな?」


「とぉ〜りゃ!!あはは!!」
「負けん!ふはは!!」
「ブルーム出過ぎだ!下がれ!」
「ナイト!俺の背後に!」
「はーい。回復するよー。」


縦横無尽に走り回る、シーとナイト。
その2人をフォローする、ローゼとお父さん。
お母さんは回復を皆んなにかけている。


「2人とも楽しそうだね。」
「ほほほ。その分、他の方々が大変そうだけどな。」
『ぶるぅぅ。』


クロイの話に頷いている様にも見える。
この馬もそう思っているのかな?
ブラシで馬を撫で……上まで届かない。
背伸びしていると、馬が自ら座ってくれた。


「あ、助かるよ。」
『ぶるぅぅ。』


馬って座るんだね。
ずっと立ってると思ってた。


「ほほぅ。こちらの意図を汲んでくれる賢い馬ですね。」
「そうだね。助かるよ馬…。」
『ぶるぅぅ?』
「いやね。馬と呼ぶのはどうかと。何か名前考えようかな?」
「そうですね。皆さんが帰って来たら、考えましょう。彼も我々のパーティですからね。」
「この馬彼って事は男なんだね。」
『ぶるぅ。』


ちゃんと僕らの言っている事を理解していると思わせる程、正確に相槌をうってくる馬。
ちゃんと僕の動きも見ているし、クロイの言う通り賢いんだなって思った。


ブラッシングが終わると馬は直ぐに立った。
クロイが水を作り、それを飲む馬。
目の前に川があるけど、安全か分からないから飲ますのはやめといた。


その後、ぐったりしたお父さんとローゼ。
そしてツヤツヤな3人。
シーろナイトは分かるけど。なぜ、お母さんも元気なんだ?
少し疑問だけど、じっとしているより良かったんだろう。


多分そうだ。


お父さん、ローゼ。おつかれ!



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