少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

54話 強くなるぞ!

しばらくして、ファイルさんが兵士を連れてやって来た。
あの兵士の人達、どこかで見たような…。


「話を聞いて飛んで来たつもりなんだが。」
「遅いわよ兄さん。もう倒しちゃったわ。」
「ハーピー・イーグルと聞いて来たんだが、そんな早く倒せるものなのか?」
「まぁソラヤさん達ですし。」
「そうか。ソラヤのパーティだしな。」
「その理解は、なんかおかしく無いですか?」


僕らは新米冒険者で、Lvだってまだ10なのに。
途中で加入したナイトのLvは高いけど。


「ナイトさんがいるから、そんな心配はして無かったがな。」
「あら?私は一撃入れたくらいで、ほぼソラヤが削った感じだよ。」
「あれ?Lv10とかじゃ…。」
「兄さん。ソラヤさんですから。」
「ん?あーそうか。」
「その下り2回も要ります?」
「それはさて置き。この状況の説明はして欲しいな。」


置かれたけど、事細かに状況は説明しておいた。


「Lv42のハーピー・イーグルなぁ…状況が状況だけに、逃げられないだろうけど。まじで気をつけろよな。」
「でも、今回はナイトがいたので。Lvは高いですが、それだけですし。」
「平然と言ってくれるな。レア度Aは本来逃げる相手だぞ。」
「覚えておきます。」
「本当か〜?」


とりあえず、頷いておこう。
今後同じ様な事が、無い事を祈るしかない。


「とりあえず、ここの片付けからだな。お前ら瓦礫集めておけ。4人は俺と職人とこ行くぞ。」
「「「「は!!」」」」


「職人の所?」
「前に言っていた作業場の事だ。」
「あ〜お父さんが見学に行きたいって言ってたやつか。」
「そう言えばまだ聞けてないな。この際行ってくるか。兄さん!作業場には私が行くよ。ここの指揮をしてて。」
「そうか?なら頼んだわ。材木運び出すものと、修理依頼頼めるか?」
「分かった。」


僕達も手伝うか。
木材を拾い集めている所に持っていく。


「旦那!こう言うのは俺らがやるんで。戦闘後なんですし、休んでて下さい。」
「旦那…あ。あの時の盗賊の人。」
「へい。今は兵士見習いです。」


少し向こうを見るとお母さんが、囲まれていた。
…見なかった事にしよう。
ファイルさんよりも、うまく指示出しているのは…。






「おうおう。こりゃ直したいがあるじゃねぇか。」
「はは、笑い事じゃないぜ親方。」
「行くぞお前ら!」
「「おぉ!!」」


「職人って感じだね。」
「うむ。彼らがやればすぐ直るだろう。」
「そっか。良かった。」


ここに集まる集まる……こんなに人が居たんだ。
作業の邪魔になるな。どうしよう。


「俺はいい機会だから、手伝いがてら見学してくる。」
「私は〜怪我しそうだから、見てるよ。」
「俺はそんなやわじゃないぞ。」
「豪も心配だけど。あの子達の方がね。」


「あいて!」


「ほらね。」
「あぁ…うん。分かった。じゃ…僕らはどうしよう?」
「ソラヤ。私はナイトの服を用意したいです。」
「服?あ〜装備ね。」
「えぇ。」
「ならば、私が同行しよう。男1人では女の好みは分からんだろう。」
「ほほ。それは助かります。」


クロイとローゼとナイトは村に消えて行った。
クロイを挟んで2人が何か話しているけど聞こえない。
いや、聞き耳スキルがあれば…


「む。ナイトくっつき過ぎでは?」
「え〜良いじゃん。ずっと1人だったから人肌恋しいんだよ。ローゼもすれば良いじゃん。腕にギュって!」
「な、な、な、何を!?」
「うふふ。ローゼは若いねぇ〜」
「ほっほ。ナイト、あまりからかわないのですよ。」
「逆にクロイはジジくさいね〜あはは。」




あーうん。楽しそうで何より。


「ソラヤどうしたの?」
「いえいえ。何でもないですよ。さて、夕食まで時間はあるし、どこか2人で休めそうなとこ行こうか。」
「休む!?そんな私達まだ……ソラヤが良いのなら…。」
「ん?良いから誘ってんだけど。行かないの?」
「今日のソラヤは積極的だね。行くよ、行ってやりますとも!」
「よく分からないけど、気合十分だね。」
「女は度胸だよ。」
「その理屈は分からないけど。まぁいいや。」


妙に張り切り出したシー。
シーは甘いもの好きだしな。美味しいお店があれば良いんだけど。
このへん知らないしな〜結局は出たとこ勝負。あとは自分のLUKを信じよう。








「いやぁ。さすがは職人だった。いつでも見に来いと言われたから、手が空いたら見に行ってくる。」
「うん。Lv上げとかは昼食食べてから出発するから。午前は皆んな自由行動でいいし。」
「そうか!その内、馬車も作ってみせよう。」
「お父さんなら作っちゃいそうだね。お母さんはどうするの?」
「私は豪に着いて行くよ。キラキラした豪を見てるだけでも……夫婦だし!怪我しないか心配だし!」
「あーうん。分かったよ。」
「俺はそんな怪我はしないと思うのだが。」


お父さんにはお父さんの。お母さんも何か色々考えているんだろう。ここ拾わずにスルーするとしよう。




「私は朝弱いから、寝てると思う〜。クロイ、はい。あーん。」
「そうか。なら昼前に起こしに行こう。クロイ、こちらも美味いぞ。ほほほほら。」
「むぐっ。美味しいですな。しかし、もう少し…「はい、今度はこっち。あーん。」…むぐぐ。」


クロイは何か大変そうだな。
そんな様子を皆んなで、見守る。
ん?シーの目は……。ふふ、口が空いてるよ。


「はい。シー。あーん。」
「ふへぇ!?」
「あれ違った?」
「いただきまふぅ……美味しい。」
「ん。それは良かった。」


「豪は…。」
「俺がどうした?」
「んーん。何でも〜。気がつくと訳ないよね。」
「気がつくと?あー食べたいのか。そら、口開けろ。」
「あ、いや。え!う〜〜あむ!」
「これも中々美味いだろう?」
「しょうだね…。」




「おいおい。お前ら。他の客も居ないから良いとは言え、俺らも、へぶし!!」
「無粋な事しないんだよ。ほんとあんたはデリカシーが無いんだから。」
「何だよ。叩く事はないだろう。俺は。」
「はいはい。すまないね。うちの旦那が。」


何をしたのか分からないけど、女性陣が大丈夫と手を振っていた。
店主さんは、何を言おうとしたんだろう?




食事も話も終わり、僕らはそれぞれの部屋で寝る。
あーそうそう。今日からローゼさんも、僕らと一緒に寝泊まりするらしい。
ナイトを見張らないと夜がどうのって、言っていたけど。
女の子同士で、きっと話すことがあるんだろう。


さて明日からは、本格的に先頭ざんまいだな!
早く寝て明日に備えよう。


強くなるぞ!1人決意をして、僕はすぐに眠りについた。



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