少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

53話 自由な鳥はどこへでも?

僕らは気にしない事にした。なんか色々と。
で、パーティに入れた訳だし、せっかくだからとギルドカードを作る事にした。
そして今に至る。


「う〜〜ん。ダメって規定は無いんだがな。まぁ種族載せないし。」
「そこは兄さんが、許可で問題ないでしょう。」
「そうなんだが、う〜ん。」
「良いでは無いですか。エルフなど他の種族が冒険者になった実例もありますし。」
「え?エルフいるの?それに他の種族って?」
「いますよ。この辺りでは見ませんが、王都に行けばそれなりに居るはずです。」
「へぇ〜それは見てみたいな。」


魔王が居るのは知っていたけど。
今まで人としか会わないから、いないと思っていた。
世界地図はデカかったし、僕らはまだまだこの世界の事を知らないんだなぁって思った。


「まぁ良いか。ダメな理由は無いからな。」
「分かりました。では、ちゃちゃっと作りましょう。」


出来上がった物を見て、デーモンロードを魔術師に、魔王軍の称号は載せないで貰った。
ナイト自身もこだわりは無いから、別に良いよと言ってくれた。


この後は時間も時間だし、本格的なランク上げは、明日からする予定になった。
ローゼと別れて宿に戻るとしよう。




「きゃぁぁ!!」
「危険察知!あっちだ!」


声のする方から、危険察知のスキルが反応した。
何かあったんだと思い、皆んなで向かう。


「クロイ!魔法の準備、水でよろしく。」
「ほほ。お任せ。」
「お父さんは魔物と人の間に!守って。お母さんは声の人の回復、余裕があれば龍眼で。」
「おう!」
「分かったわ!」
「「私は〜?」」
「シーとナイトは見てから決める。」
「「は〜い。」」


家の門を曲がり目の前に声の主がいた。


「どうしました!?」
「娘が!あれに!」
「クロイ!」


―ザボ…ギュン!


『ギャァ!』
「むぅ。避けられましたな。」
「くそ。またあれか。」


魔物はすでに屋根の高さくらいまで飛び上がっている。


「は、ハーピー・イーグル!?」
「っく。届け!」


―ビュン……。


『ギャァ!?』


咄嗟に投げた石は避けられた。


「もっと試し撃ちしたかったけど…しのごの言ってられないか。」
「空ちゃん、親御さんは大丈夫!相手はLv42のレア度Aだよ!」
「前のよりLv高いか…。でもやるしか無いか。」
「接近出来れば、なんとか出来ると思うよ〜」
「分かった!ナイト頼りにしてる!」
「うむ。任せよ。」
「シー、ローゼさん呼んで来て!クロイ魔法を…。」
「分かった!」
「ほほ。いつでも準備できてます。」


この辺でも出るとは、思ってなかった。
でも鷲だし。自由に飛び回れるから、いてもおかしく無いのか?


……今考えてもしょうがない。


アイテムから銃を取り出す。弾は通常弾で装填。
落とした際に、ローゼさんの拘束出来るようにシーに呼んで来て貰って…。
後は僕が落とせば…今の皆んなならなんとか出来る!
迷うな……僕なら出来る!


―ズゥゥン……『ギャ!?』




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ソラヤはスキル【狙撃Lv1】を覚えた。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 




よし!当たった!
大きく傾き急降下するハーピー・イーグル。


「クロイ!あの子を水魔法でキャッチ!」
「私の足で間に合うか…行くしか無いか。」
「私が運ぶよ。ちょっと早いからしっかり掴まってね〜」


―バサッ!ギュン!!


「はぃぃぃぃ…………。」


クロイを抱きかかえナイトが飛び出していった。
STRとAGIが、そこそこあるからか早いな…いや、あれ翼が?




あの翼があれば飛べたんじゃ……。




「ソラヤ魔物はこっちに来るぞ!」
「あ!うん!お父さん、初撃はスキルで防御!」


―ガキィン!


『ギャァ!!ギャ!』
「っく!まだまだ!」
「お母さん回復!」
「はい!」


初撃はスキルで耐えて、2撃目も盾をうまく使い耐えた。
しかし、HPが減ってる…回復があってもそう長くは持たなそうだ。
クロイとナイトはまだ戻ってこない。どうする!




―シュルゥ…ビュン!パン!


『ギャン!?』
「てぇやぁぁ!!」


―バキ!


『グギャ!?』
「待たせた!…っぐ!離れて!もう逃げる!」
「うん!」
『ギャァァ!!!』


タイミングバッチリでローゼさんの拘束が入り、シーがすかさず一撃を加えた。
ただそれでもハーピー・イーグルは、体勢を崩すだけで、倒れたりはしなかった。


「ローゼさん、ナイスタイミングです!そのまま鞭で牽制を!シーは拘束後攻撃!」
「あぁ!せぁ!!」
「うん!」


―シュルゥ…ビュン!ビュン!


『ギャ!ギャ!』


器用にも羽で鞭をいなすハーピー・イーグル。あいつ強い!
捕まえる事は出来ず、鞭をいなし続ける。
こっちの攻撃も出来ないが、相手もいなすので精一杯か?




「戻った!」
「ほほ…娘様も無事ですぞ…。」
「ママァ!」
「あー、良かった!」
「ギルドへ走れ!」
「はい!」


ナイトが娘さんとクロイを担いで戻ってきた。
親子にはギルドに走るようにローゼさんが短く叫ぶ。
クロイに魔法は…。


「クロイ大丈夫か?」
「ほっほ。少し気持ちが…魔法もうまく…だせない。」
「えぇ!?」


頼みのクロイがナイト酔いを起こしている。
一瞬目で終えないくらい速かったくらいだし…いや、次の案を考えよう。
僕は考えつつ次の弾を装填する。無論、通常弾を。


「よし。じゃ、ちょっくら遊んでくる。」


ナイトがまたあの速度で突っ込む。


―ボッ!ボッ!ドゴォ!ドゴォ!


『ギャ!?』
「あまり燃えないね。まぁ〜良いや。どんどん行くからね!」


火と闇を纏った拳で殴り続けるナイト。
効いていない訳では無いが、鞭と一緒で羽でいなす。


「どんだけ器用なんだか…でもこいつは……ナイト横に!」
「ほい!」


僕の声に反応して、銃の射線から外れるナイト。


―ズゥゥン…チュゥン!


『ギギャ!?』
「まだ、倒れないか!流石に強いな。」
「そこだ!」


怯んだ隙を見逃さずに、ローゼさんが鞭を振る。


―シュルゥ…ビュン!パン!


「シー!ナイト!出来るだけ上に打ち上げて!」
「全力で!いっせーの…」
「「せ!!」」


―バキィィィ!!


『グギャァ!?』


シーの合図で、ナイトもそれに反応。
即席とは思えない、息もピッタリで全力の一撃で打ち上げてくれる。
ローゼさんも意図した事を理解してくれた。
2人の攻撃に合わせて、上にハーピー・イーグルが撃ち上げられる。


「それじゃ…行ってみようか!!」


―ズゥゥン……キラッ、ドォォーン!!


「うはぁ!?あれは私が受けたやつか。聞くぞあれは。」
「……いつぞやは。」
「うはは!構わん!大きいダメージなんて久々だし、痛みはちくっとした程度だ。」
「ちくってレベルでは無いと思うんだけど。」
「ソラヤ、あれって武器屋で貰った、変な弾のやつ?」
「そう。聖魔弾って言ってたかな。」
「聖魔弾って言うんだ。でも弾丸一つであんな爆発するかね?」


ナイトが食らった感想を言っていた。いやほんと、ごめんなさい。
痛みはちくっとって…腕あんなになってたのに。


それでだ、2人に撃ち上げてもらいセットした『聖魔弾』を使ってみた。
なるべく被害が無いように、したつもりなんだけど。


「ソラヤさん。緊急時なので仕方ありませんが、その弾の取り扱いは気をつけてくださいね。」
「なに。壊れた屋根くらい、俺が直すさ。」
「あれは直すレベルなのかな〜?ぽっかり無いけど。」
「……。」


試し撃ちの時はもっと上空だっただろうし、結構高く撃ち上げてくれたけど爆発の範囲が広すぎた。
民家の屋根が少し削り取られている。
お母さんの言う通り、お父さんが直すってレベルを超えている…気がする。
ローゼさんからは、緊急時だからと怒られてはいないけど、取り扱いは気をつけるように言われました。
あと28発分あるんだけどな……今度は十分に距離をとって外で使うとしよう。


「ハーピー・イーグルは?」


―ヒュゥ…ズドォーン。




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《ハーピーイーグルLv42を倒した。150(1,050)の経験値を得た。
―ソラヤはスキル【銃Lv1】【爆破Lv1】を覚えた。
―ソラヤはスキル【狙撃Lv2】になった。


―ゴウはスキル【盾Lv1】を覚えた。
―ゴウはスキル【盾Lv2】になった。


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結構経験値貰えたな。それなのにLvは10のまま。
次のLvまでいくつあるんだ?そろそろ上げっても良いだろうに。


新しく手に入れた銃や盾のスキルも、上がったりしたし良しとするか。
本格的にLvとランク上げは、明日からするつもりだし。


さて……この惨状をどうすればいいか。
とりあえず、誰か来るまでここで待つとしよう。



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