少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

51話 悪魔降臨でも平和です。

そんな訳で皆んなにどっちがいいか、話を聞いてみた。


「ほほ。このレールガン…どうやって持っていくんですか?」
「……ちなみにこれは重量いくつ?」
「砲台だけで40㎏はあるよ。」
「持ち歩けないし。」
「手で持てるレールガンなんて無いからね。演出は1番だと思うんだけど。どうだい?」
「私持てるけど?」
「いやいや、それ以外持てなくなっちゃうから。レールガンは無いな。」


1番初めに出された時に思ったんだよね。
この重量感と大きさ…これは固定砲台?銃ではなくないか?
実際の重さも40㎏はあるとの話。
僕は一体何と戦うんだと思っているんだろう。
そんな訳でスナイパーライフルと言われるものを…。


「いや!まだ、これ買うとか言って無いし!」
「っち。」
「売る気満々じゃん。この前言っていた言葉はどこ言ったの?」
「いや、なんかもう買う乗りじゃん?だったらいい物買って欲しいじゃん。」
「じゃ〜さっきのスナイパーライフルいくらなの?」
「前に言ったろう。金貨1枚でいい。今なら特性聖魔弾もプレゼントしちゃう!」
「ただの在庫処分だよね?さっきの威力をどこで使えと?地上で使ったら被害はんぱないよ?」
「……さぁどうするよ。ライフル自体はさっきので、どんな子かは分かってもらえたと思う。」


試し撃ちした限りでは、とても使い易かった。
ステータスでアシストがあるからか、なんとなくこう狙えばいいが分かる。
重量自体は7㎏と弾丸持っても、僕なら問題なく持てる。


狙いも頑張れば1,000メートル超えれそうだし。
何よりこのパーティで遠距離はいないし、大きいやつと戦ったり、きっと近距離で撃てばこの銃も…。


「まぁパーティの戦力として買っておこう。レア度高い魔物用にでも。」
「まいど〜!普通の弾丸10発と聖魔弾29発渡しとくから。」
「いやいや、比率。おまけの方が多いじゃん。」
「重量考えると、これで8〜9㎏くらいだ。これくらい持ち運べるだろう?」
「あー……うん。ギリ。」
「はっは。頑張れ。」


僕のSTRは5しかないから、所持重量は10㎏まで。
この先もしかしたら少し増やさないとかも。
銃と弾丸と石で重量いっぱいいっぱいだ。




これである程度のお買い物は済んだかな。
銃は弾丸の単価の問題で、バンバン撃つ気はない。
これまで通り、石主体の戦闘にはなるだろう。




次にどこ行こうか悩んでると、遠くからこっちに向かって走って来る。


「皆さん酷いっす。呼んどいて攻撃して来るわ、放置するわでこんな仕打ち…。」
「あなたは…誰でしょう?」
「誰!?私を呼んですらいないと?」
「知りませんし、呼んでいません。」
「はぅ!じゃ私は何でここにいるの?」
「知りませんよ。そもそもあなたは誰ですか?」


黒いローブを頭から被って、声は女の人っぽい。
この世界に知り合いはいないから、きっと初めましてのはず。
クロイに呼ばれたとか言われてるから、もしかして、もしかしなくてもあの雲の…。


「私は悪魔よ。名前はないから好きに呼んでちょうだい。」
「悪魔ってあの悪魔?」
「どの事を言ってるか分からないけど、こんなかんじよ。」


フードを下ろして、顔を出す悪魔。
真っ黒で長い髪、目は赤い色で透き通っていそうなくらい白い肌色に、耳が尖ってて角が2本。
一瞬人間に見えるけど、耳とか角は悪魔っぽい。


「まぁ悪魔と言われればそうなのかな〜?あの雲から来たんだよね?」
「雲?あーあの小さな抜け道の事かしら。」
「抜け道?」
「魔界と現世を繋いだ道の事よ。小ちゃいから手だけ入れて確認したの。」
「そうなんだ。そうなると闇魔法はどこかと空間を繋ぐ魔法って事になるね。」
「ほほ。どは少し頑張ってみましょう。仕組みが分かれば、何とでもできますよ。」


あの闇魔法すっごいな。移動手段でワープとか絶対便利なはず。
きっとイメージ同士で繋がってるとかコツはあるはず。
今度クロイと確認しようっと。


「それよりもっと驚きなさいよ!悪魔よ?魔王軍なのよ?」
「魔王軍…って何?」
「えぇ〜私もしかして、次元すら超えてきちゃった?」
「あー超えてきたの僕らなんで、悪魔さんは関係ないよ。」
「なんか調子狂うわね。まぁいいわ。とりあえず、神官どこかにいないかしら?」


そう言うとボロボロの右腕を見せて来る。


「転移の反動なのかしら?何かに当たったのよ。穴空くし焦げてるわで散々よ。」
「……。」
「ほほ。困りましたね。」
「傷なら英理が治す。」
「空ちゃんのせいだもんね。なら私が直すよ。」
「え?神官さん?呼び出した人のパーティにいるなんてラッキーだわ。症状酷いから時間かかるだろう…。」


「女神様…癒すを…。」
「変わった詠唱ね。」
「思いが届けば何でも良いんだよ。はい、終わり。」
「へ?終わりって、あの怪我がそう簡単に……治ってる!?」
「神官だからね〜次からは変な穴に手を突っ込まないようにね。」
「あ。はい。」


じゃ行こうかと僕らは移動する。
その後ろからついて来る悪魔さん。


「あれ?傷も治ったから帰るんでは?」
「そこの少年が帰れと言わない限り。私はいるわよ。」
「あ、そうなんですか。では帰っても大丈夫ですよ。」
「分かった。じゃゲート開いて。」
「ほほ?ゲートとは?」
「さっきやったでしょう。闇魔法よ。」
「ふむ…ダーク!」


―……。


「何も起きないわね。」
「起きませんね。MPも足りないかもしれませんね。」
「ふーん。じゃ、いいや。しばらくあなたに着いて行くわ。」
「戻れなくても良いんですか?」
「出来ないんでしょ?じゃ〜しょうがないわ。諦める。」
「切り替えが早いですね。」
「くよくよ悩む時間が勿体無いわ。今生きればそれで良いと思うの。」


なんだかよく分からないけど、クロイが黒魔法を使いこなすまで?
悪魔の女の子がパーティに加入して来た。
僕らこれからどうなるんだ?



「少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く