少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

48話 お鍋と報酬

お父さんとお母さんが帰って来た。
市場で鍋の材料を買ってこれたみたい。
丁度お昼だったので、皆んなで昨日捕まえたボアの鍋をする事になった。
ギルドの調理場を借りて、お母さんとローゼさんとアリーさんで作ってくれた。




「それで、ソラヤ君達は、今後どうするんだ?…んぐ!?この肉うまいな!」
「ん…。とりあえぜ王都に行くのは決まってます…ん、美味しい。」
「ハフハフ…あっつ。そうなると、まずはギルドランク上げないとな。」
「王都に入るのに必要なのって、ランクCいるんですよね。おかわり。」
「城下町に入るのならな。あと城はランクAに紹介状がいる。俺もおかわり。」


まずはランクCを目指すとして、ランクAまでどれだけかかるのかな?
そもそもランクって、どうやってあげるんだ?
やっぱりクエストこなしたり、試験みたいのを受けるのだろうか。
シーが行きたいて言うから、なるべく早く叶えて上げたい。


「私達って今ランクなんなの?」
「あ〜なんか聞いた気がするけど。なんだっけ?」
「説明されてないのか?初めはEランクからスタートだ。」


目をそらすアリーさんとローゼさん。
これは言われてなさそうだ。




「そう言えば、依頼をこなさないとランク上がらないんだよね?」
「一応は、そうなっている。まぁソラヤ君達ならランクDでいいけど。」
「やっぱりそうですよね……え?」
「ん?ランクだろ?Dでいいぞ。カードくれれば更新しておくが。」


何とも簡単に言ってくれる。
さっきまで考えていたのは、何だったのかと思ってしまう。


「依頼はやってくれるに、越したことはないけどな。そもそも取り決めがあるんだよ。」
「取り決めって条件?」
「別に隠してないから言うが、ランクには強さの証明が必要なんだよ。」
「何かの討伐とかそんなの?」
「それもある。手っ取り早いのは、Lvを上げることだ。」
「僕らは全員Lv10だよ?」
「そうだな。ランクDはLv10あればいい。逆にランクCならLv20あればいいぞ。」
「Lv20か…全然上がらないんだよなぁ〜。」


レア度の高いやつも倒したけど、分散されてるから経験値も多くは無いし。
依頼こなして上げるか……。


「ってか。ここ数日で、レア度高いの3匹倒してるんだろ?このパーティならすぐじゃないか?」
「そうなの?でもレア度高い魔物って、あんまり出会わないんじゃないんですか?」
「そうだな。ただこれだけ出会うんだ、きっと何かあるんだろうな。ある意味運がいいって事で良いじゃないか。」
「「「「「………。」」」」」




良いとこつくな。何も言えずに僕らは黙ってしまった。




「はは。そんな脅してる訳じゃないんだ。もちろん危ない時は逃げるんだぞ。」
「無理するつもりは無いから、その時は逃げようと思います。」
「「「……。」」」
「3人の無言が物語ってるな。その際は、私が率先して引き連れよう。」
「ほほ。頼みましたよローゼ。」
「私もお願いするね。」
「俺もお願いしておこう。」
「あれ?僕そんなに無理な事した?」


クロイもお母さんもお父さんも目を背ける。
僕がそんな無理は〜してないよね?


「ん?私は途中からパーティに入ったんだけど。ソラヤが逃げた事無かったよ。」
「そんな事は……あれ?ないな。」
「それでよく生きてたな。」
「しばらくパーティでLv上げするんだから、これからはギルマスが止めるんですよ。」
「あぁ。分かってる。」
「…アリー、ギルマスは俺なんだが…もういいか。」


思い返してみると、別に逃げて無かったな。
そもそもドラゴンのジルですら逃げてないから。
ドラゴンと比べるとレア度が高いからって、魔物から逃げる事はないな。


この村にいる間だけど、パーティメンバーに、ローゼさんが入ってくれている。
さらにその必要性は無くなったと言っても良い。
いつまで一緒に行動できるかは、分からないけど。




「その顔だと逃げる気はなさそうだな。」
「そんな顔してました?まぁ正直言うと、ローゼさんが入って逃げる場合が想像できないなって。」
「この辺で逃げた方がいいレアな魔物も3匹倒してるからな…。」
「いずれにしろ、逃げるも戦うも指揮をする人の判断次第だ。パーティ内で意見が分散して、連携が疎かになる事が1番避けたい。」
「ほほ。そうなるとわたくし達の指揮はソラヤなので、逃げる機会は少ないかもしてませんね。」
「だねー。まぁジルさんと戦った空ちゃんに、怖いものは無さそうだけどね。」
「確かに。ジルさんを超える強いものはいなそうですからね。」
「いても魔王ぐらいじゃない?」


少し話してみたが、逃げる選択にすると実際難しい気がする。
仮に魔王を目の前にして、逃げると想像する。
見逃してくれない限り無理そう。


「話に出てくるジルさんがどれだけ凄いのか分からんが、魔王は魔物みたいにポンポン出会ったりはしないからな。」
「魔物がポンポン出てくる世界…物騒ですね。」
「王都周辺に比べて、この辺はウルフとワームとボアくらいしか出ないから。Lv上げは比較的安全だけどな。」
「王都周辺は、強い魔物がいるんですか?」
「いるぞ。原初の森が近いからかもしれないが、獣人って呼ばれるやつらが多いんだ。」
「それはゴブリンとか、オークとか?」
「知ってたか。なら話は早い。奴らは普通魔物と比べて知能がある。連携や魔法を撃ってくるのもいるから気をつけろ。」
「そうですね。覚えておきます。」


獣人のランクって、そんな高く無かったような。
あーでも森はLv10くらいが多かったけど、王都は高いLvの獣人がいるのかもしれないな。
しばらくは、ここでLv上げして、お金稼ぐ事が必要だな。




「じゃ、明日から森に行こうか。魔物を倒して、ギルドに魔物持ってきての往復だね。」
「いつもと変わらないね〜」
「ブルームさんはロビーに出さないでくれよ。」
「もうローゼさん、分かってるよ。」


「じゃ、私は片付けしてくる。」
「洗い物なら、俺も手伝おう。」
「ありがとう、豪。」


「では、私も洗い物を…。」
「アリー、仕事を頼む。洗い物は私がやる。」
「はーい。よろしくギルマス。」
「俺は?」
「ファーもお仕事よ。昨日の続き。」
「まだ残ってたか…。」


「僕らは何しようか。」
「明日の準備も必要でうし、アリーさんに報酬貰いに行きましょう。」
「そう言えば、それが目的で来たんだっけか。」
「ほほ。わたくしも先程思い出しました。」


ボタン鍋を食べ終わり、皆んなそれぞれに役割に戻って行く。
やる事なかったけど、そもそもの用事を思い出してアリーさんのとこに行く。




「あ、報酬か。私も忘れてたわ。…金貨2枚に銀貨が4枚ね。」
「今回多いですね。」
「シールド・ボアは骨も肉も高く取引できるからね。銀貨4枚はウルフ分よ。」
「予想以上に入ったな…。」
「これで何か買う?ソラヤの銃とか。」
「銃か…維持費がなぁ。それなら魔法や行って、クロイの魔法探したいね。」
「風魔法覚えられる?」
「ほほ。見てやってみないと、なんとも言えませんな。」
「じゃ、この後皆んなで行こうよ。」
「そうだね。ローゼさんに案内してもらって、やってなければ開けてもらおう。」


今日は準備をしっかりして、明日から本気で狩りをしよう。
銃も少し欲しいけど、能力と価格を考えると、まずはクロイの魔法の値段を見てからだね。
洗い物が終わるまで、僕ら3人は再び魔物図鑑を見て戦い方とかを覚えることにした。



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