少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

43話 パーティのメリットとリスク

ローゼさんがパーティに加入する事は決まった?
あまりにも即答だったので、入る前にローゼさんに怒られた。


「信用するのはいい事だし、私としても嬉しい。だが、もっと慎重になるべきだ。」
「お願いしといて、俺が言うのもなんだが。ローゼの言う通りだぞ。」
「そうなんですか?」


僕らとしては、クロイのスキルがあれば嘘かどうかは分かるし。
何よりローゼさんの人柄は、村の人の反応で信用に値するんだけどな。


「パーティのメリットとリスクについて、私が話をしよう。」
「そうだな。俺は溜まった仕事があるから、あとはローゼに任せるよ。」


ファイルさんとアリーさんは、仕事に戻った。
その後ローゼさんが、パーティについて話始めた。


「まずだが、メリットは戦力の強化だ。加入するメンバーによって様々な戦闘が可能になるだろう。」
「そうですね。ローゼさんならソロでの戦闘に、皆んなの援護も出来るので大助かりです。」
「う、うむ。そうなれば頑張るさ。」
「よろしくお願いします。」


その点は大きなメリットだな。
臨機応変な対応に、何より拘束出来れば安全性が上がる。




「それでのリスクだが、お互いにステータスやスキルの隠し立てが出来なくなる。」
「隠せない?それってリスクになるんですか?」
「自分の情報が漏れるんだ。悪用されたり、狙われたりする可能性も無いとは言えないんのだよ。」
「そっか。その可能性は考えてませんでした。」
「それに強さはその人の切り札だしな。あまり教えたく無いこともあるだろう。」


言われてみればそうだな。
僕達の場合、女神様や龍神の加護は隠しておきたいな。
バレたら何かある訳では無いけど、変な言われはなるべく避けたい。




そう言えば、シーはすでにパーティ加入しているけど、何も言われていないな。
知ってて言わないのか、気にしてないのか…。




「それと最後に経験値の分配だ。」
「あれ自体は、神の管轄と言われていて、我々ではどうにも出来ん。」
「経験値の分配ですか。ウルフとか倒しても1桁しか入んないですからね。」
「そうだな。強い魔物はしょうがないにしても、ソロで倒せる者からすると、効率が良く無いからな。」
「まぁ僕らは一緒に戦うんで、均等に強くなるのは構いませんけど。」
「そこは人によるが。他の者と組むにあたって、気にする奴は多いからな。」


強くはなりたいけど、一人で強くなる気は無い。
他の人とやる時は、気にしておいた方がいいか。




「1番多いのがあれやれ、これやれ等の命令とかだな。」
「うわ。そんな人はパーティに、入れたく無いですね。」
「だろう?だからパーティに入れるのは、慎重にした方がいいって事だ。」
「成る程ね〜。」




言いたい事は分かった。
その上で、ローゼさんが加入するのに問題があるだろうか?
皆んなに聞いてみよう。


「クロイ。どう思う?」
「ほほ。ローゼなら、何にも問題はありませんな。」
「俺も問題はないです。」
「私もないよ〜皆んなが怪我する可能性が、減るのはいい事じゃん。」
「シーはどう?」
「え?私にも聞くの?」
「そりゃそうだよ。シーも僕らのパーティだからね。」
「うん!全然いいよ!」


皆んなが問題ない事は分かっていた。
シーにも聞いてみたけど、ちゃんとオッケー貰えた。
聞かれた事に少し驚いていたけど、途中加入でもシーは僕らのパーティだ。




「ふふ。いいチームだな。では、微力だがよろしく頼む。」
「はい。よろしくお願いします。」


ローゼさんがパーティに加入した。
これからしばらくは一緒に行動する事になる。






「それで、見てもらった方が早いけど。他の人には言わないでね。」
「ステータスとかスキルについてか?無論、他言する気はない。」


大丈夫だとは思うけど、ローゼさんが気にしないように一応言っておく。
シーは分からないけど、ローゼさんが僕らのステータスやスキルみてどう思うか…。


「まずは私のを見せておこう。」




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ステータス アイテム▶︎プロフィール パーティ
―ローゼ・ヴァイス Lv12
年齢/15
職業/戦士
スキル/鞭Lv6、拘束Lv4、蹴撃Lv5、観察眼Lv4


▶︎ステータス アイテム プロフィール パーティ
―HP 582/582・MP 360/360・SP 162/162
―STR/35・DEX/17・VIT/17・AGI/20・INT/5・MND/3・LUK/20
―Lvアップボーナス/0ポイント


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前衛系ならバランスの良い振り分けだな。
【鞭】のスキルLvは、攻撃力の向上か。
【拘束】は、拘束時間のボーナスと書いてある。
レア度が高いシールド・ボアでも一瞬止められるから、もの凄く優秀なスキルだと思う。


「ローゼさんは基本鞭での攻撃なんだよね?【蹴撃】があるのは?」
「拘束した相手に、両手がふさがるからな。そうなると残る脚で攻撃するだけだ。」
「ほほ。まるで女王さ「クロイー。」…ほほ。」


クロイが何かを言おうとして、お母さんに止められていた。
龍眼使ってないのに、目が少し怖い。これは触れない方がいいだろう…。


「ん!ステータスも均等に振り分けてるし、戦士としていい育ち方だよね。」
「うむ。兄さんに聞いたりしてるからな。最終的に決めるのは私だがな。」
「それがいいね。僕らの育て方は、あまり推奨しないから。」
「そう言えば、このパーティでは、豪さんが戦士なのか?」
「そうですよ。俺は守りに特化させてますから、ローゼさんの参考にはならないと思いますが。」
「そうか?今後の参考に、見せてもらっても良いですか?」
「はい。構いませんよ。で、良いんだよな?」
「うん。僕も見てもらった方がいいと思う。」


果たしてどんな反応をするか……。




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ステータス アイテム▶︎プロフィール パーティ
―ゴウ Lv10
年齢/28
職業/戦士
スキル/女神の加護、かばう、投擲Lv4、蹴撃Lv4、観察眼Lv4、拳撃Lv4、龍神の護り


▶︎ステータス アイテム プロフィール パーティ
―HP 570/570・MP 455/455・SP 115/115
―STR/15・DEX/10・VIT/37.5(25×1.5)・AGI/13・INT/1・MND/37.5(25×1.5)・LUK/10
―Lvアップボーナス/0ポイント


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「28歳ですか?」
「そうですよ。何かおかしかったですかね?」
「いえいえ!15歳でクロイがいるのは、若いですがおかしくはありません。その…全然お若く見えますので。」
「はは。ありがとうございます。」


始めに気になったのそこかー!
年齢とか子供の設定で作っていたけど。正直、年とか気にしてなかった。
僕らの世界では結婚出来るのが……18だっけ?どこかで習ったような。
でも、この世界では別に問題ないらしい。セーフ!


「スキルも私より多いですね。【かばう】は、戦士だからこそですね。」
「皆んなを守っていたら、ついただけですよ。」
「私もある方がいいのかもですね。」
「いや、守り主体で無いのなら無理には良いかと。守りはお任せください。」
「そうか。下手に攻撃され、怪我してもパーティに迷惑がかかるか。」




ん〜中々確信に迫らない。
もしかして、女神様や龍神のスキルって、そこまで気にしなくて良いのか?
だから、シーも何にも言わないとか?


「女神の加護?聞いたことないスキルですね…ダメージ無効?これ凄すぎません?」
「戦闘中1度だけなので、過信をしてはいけないんですよ。」
「あ。シールド・ボアの初回の突進を止めたのは、このスキルがあったからですか?」
「そうです。ですが、守り続けるには、自身を鍛える事に変わりはありません。」
「成る程。守る事とは奥が深いのですね…。」


ん〜女神様シリーズをスルー?
一度だけ無効って、やばいスキルなんだけど。
天然なのか?お父さんのもっともらしい、説明に納得しちゃってる。
確かに言われれば、過信しちゃいけないんだけどね〜てか、僕が言ったっけか?




「龍神のスキルも聞いた事ないですね…守りにボーナスとは、豪さんの為のスキルですね。」
「そうですね。あの方は過保護ですから。」
「あの方?これ系のスキルは貰えるものもあるんですね。」


まさかの龍神すらスルーとは…。
もっと驚くかと思ったのに、僕が気にすぎだったようだ。


「あれ?VITとMNDの数値おかしくないですか?Lvも私より2低いのにHP変わらないし。」
「私は防御にほぼステータス降っているので。」
「え?それでこうなるの?」
「なので攻撃は全然です。ソラヤとブルームさんに任せっきりなので。」
「んー?んーそうなのか?それが普通なのか?」
「私は普通だと思ってますけど。」
「いや、別に豪さんが変だとは言ってませんよ!…神のみぞ知るなのかな?」


そうか…何だかわからない。
これが正解なんだな。
女神様と龍神のスキルも、どう表して良いか言えない。
感覚的には始めて寒天を食べた時と同じだな!


疑問が一つスッキリした。




この時、僕は気がついていなかった。
1番おかしいスキルを持っている人の存在に……。

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