少年と執事とお手伝いさんと。〜全ては時の運〜

ノベルバユーザー458883

5話 話を聞かない人と聞いた人の違い?

「おや、皆さんお揃いで。」


「「「誰ーーー!!??」」」
「ほほ。皆さんお揃いで。」


 同じ事を繰り返しで言ってきたこの人は誰だ?見た目は僕と同じくらいの男の子。何処と無く僕に似ているような。


「空様には実はお兄様がいたとか?」
「いやいや、そんな話聞いた事ないし。」
「ええも似てるよね、空ちゃんに。」
「まぁ僕もそんな気もするけどさ。」


 隅でこそこそ話している僕らに声をかけてくる少年…まぁ僕も少年なんだけど。


「空矢様は何も変えなかったのですね。」
「空矢様?おまえ黒ジィか?」
「ほほ。若いって素晴らしいですね。」
「「えぇ〜」」


 目の前にいた少年は黒ジィで見た目は僕と変わらないってどういう事だ?


「女神様に話をちゃんと聞いていないのですか?」
「ポンポン決めたからな〜」
「俺も後で空様に聞けばいいかと。」
「…。」
「ま、お三方ならそうだろう……と、栄理さんは…あ、はい。ほほ、よろしいかと。」
「その笑顔が痛い!!」


 黒ジィも栄ネェの変化に気がついたみたいだ。
 え〜何が変わったんだよ。


「おほん。では細かな説明はこれ見て頂いてからで。」


 そう言うとメニューを僕らに見える様に見せてくれる。何それ、そんな事出来んの?




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ステータス アイテム▶︎プロフィール  パーティ  叡智の書
―クロイ Lv1 
年齢/13
職業/魔導師
スキル/叡智の女神


▶︎ステータス アイテム プロフィール パーティ 叡智の書
―HP 27/27 MP 19/19 SP8/8
―STR/4・DEX/10・VIT/4・AGI/6・INT/10×2・MND/10・LUK/20


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「ん〜何の女神?読めない。豪ニィこれなんて読むの?」
「どれどれ……ちのめがみ………栄理。」
「うわ、何この漢字。」
「空矢様はいいとしても、お二人とも読むくらいは出来ないとですよ。」


 そっと黒ジィの横に行き耳打ちをする。身長が変わらないから、背伸びをする必要性も屈んでもらうことも無い。
 ただ一言だけ、2人のINTは1だったと。


「ほほほほ。それはなんとも。漢字の読みがの話は後でいいでしょう。これは叡智エイチの女神と読みます。」
「エイチってあの頭がいいとか賢いってあの?」
「さすがは空矢様。おおよそそんな意味ですよ。スキルとしては、真実を見抜く、言語変換、初期INT倍と記載されています。」
「黒ジィも大概チート能力な気がするな。」
「ん?空矢様達はちなみに如何でした?」


 黒ジィに言われメニューを見える様にして見てもらう。なんでもパーティーを組んで見せる意思があれば見せられるらしい。
 そう言えば前にyesとno聞かれたな、なんだと思っていたけどあれだったのか。




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ステータス アイテム プロフィール▶︎パーティ ???
―▶︎★ソラヤ Lv1 ゴウ Lv1 クロイ Lv1 エイリ Lv1
―盗賊/女神に愛された者


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 パーティーの項目増えた、これはパーティの事を教えてもらったから???が一つ無くなったのか。
 パーティの名前と職業に…女神に愛された者?ってなんだろう。


「黒ジィこれは何だろう?」
「どれです?あぁこれは称号で御座います。意味は特になく、ただの見栄だそうですよ。」
「見栄ねぇ〜。俺は女神に愛されてるぞって?」
「そうですね。あればですが、教会とかでプロフィールに載せとけば恩恵はありそうです。」
「あぁ〜そう言う使い方ね。とりあえずこれしかないし載せとくよ。」


 ちなみに黒ジィの称号は『知識の探求者、女神の話仲間』の2つを持っていた。
 豪ニィは『主人への誓い』で栄ネェは『神を崇拝する者』だった。


「知識の探求者は何となく分かるけど、話仲間って何?」
「色々なご質問をさせて頂き、空に対して考えをお話ししたところ…。」




『貴方はやり甲斐があるわね!前の3人は楽なんだけど、ポンポン決めて拍子抜けって感じでさ〜…。』




 前3人は僕達の事だろう。凄く頑張ってたし、きっと色々練習したんだろうな。
 それで黒ジィが話し相手と言うか、愚痴を聞いて手に入れた称号か。


 次に豪ニィの称号は何となく分かる。きっと俺の為とかやたら押したんだろう。
 栄ネェのは崇拝スウハイって感じで凄く尊敬をするって意味だと教えてもらった。




 その後ステータスとスキルの話になり黒ジィが丁寧に説明してくれた。
 僕のスキル【勝利の女神】だがとてつもない能力らしい。人の運は産まれ持ってでレベルが上がっても振り分け出来ない。元々の運が低ければそうでもないスキルなのだが。


「空矢様の場合は元々が限界値の100ですから、その数値が足されて200になるのです。言わばチートと言っても過言では無いのです。」
「それはお姉さんも言ってた。攻撃は当たらないし、攻撃の時はほぼクリティカルって。」
「そうですね。この世界ではLUKの恩恵は大きすぎるのです。」
「ふーん。まぁ戦ったりしなきゃよく分からないね。」


 この何もない家で凄いと言われても、いまいちピンとこない。
 なので、この話はもういいだろう。


「豪ニィの【女神の加護】は攻撃無効だっけ?」
「空様を守る為に貰ったようなものですね。」
「…まぁ当たればだけど。」
「…。」
「豪さんのは2時間に1回で対象を選ばないあたりかなり良いものに思えますよ。」
「そうか。黒様や栄理も守れるのだな!」
「ほほ。もしもの時は頼みましたよ。」


 僕の場合は当たるかどうかだけど、誰でも守れるスキルは豪ニィらしい。
 もしかしたら【必中系】のスキルもあるかも知れないし、油断はしないで守ってもらうとしよう。


「私のは?【女神の祝福】ってどうなのですか?」
「栄理さんのは24時間に1度対象を完全治癒でしたね。」
「完全治癒がどこまでできるのかだね。」
「治癒とは元の意味でいうと体に負った傷、あるいは病気などが完全に治ることを指すのです。」
「それって凄くない?」
「確かに凄いですが、油断はいけませんよ。」
「油断って?」
「死亡してしまった場合はダメでしょうし。もしくは生きていても手足が無い等は生えてきたりしないと思われます。」
「あ〜成る程。使うタイミングは空ちゃんと黒様に聞きいますね!」
「ほほ。それでも構いませんよ。」
「栄ネェ…結局そうなるんですね。」




 スキルの話はこれで終わりかな。
 あとは聞きたい事無かったかな…あ、あったわ。


「黒ジィ。結局この世界って何か聞いた?」
「ほ?皆様聞いてないのですか?」
「「「はい。」」」
「それであった事ない方に名前や色々聞かれて答えたのですか?」
「「「そうです。」」」
「日頃から少しは考えて発言を…って今更ですね。ではそこを話して今後の対策を考えましょうか。」






 この世界は僕達がいた世界ではない。電気もガスも無い、当然インターネットも。
 その代わり前の世界に無かったものがここにはある。


 剣や魔法といった戦う世界が、魔王がいて獣人と呼ばれる魔物が、それに立ち向かう人々が。
 僕達がここに来た理由は女神様も分からないみたいだ。なんでもこちらの世界には無いものが来た事で、確認して対応してくるように言われただけと女神様は言った。
 結局、理由を謎の本でも分からなかった。
 黒ジィはスキルを貰った後確認したから、そこに対して嘘は無く真実だった事は間違いないらしい。


 そう、僕らがここに来たのは何か理由があるはずだ。女神様でも分からない何かが……。


 そんな事を頭で考え…


「よーするに。この世界で何かするんでしょ?じゃ外に出てみるしか無い。」
「ほほ。空矢様が仰るならついて行きますよ。」
「もちろん俺も行くぞ空様!」
「私だって!空ちゃんの行くとこなら何処へでもついて行くからね!」


 僕には頼もしい執事にお手伝いさんがいる。それだけで僕は力が湧いてくる、そんな気がした。



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