無敵のフルフェイス
137話 出鱈目な人と人?
黒い繭は何をしても無効化される。
―カチャ、カチャ。
―ガチャン。
「師匠。それ取って下さい。」
「ほい。」
「あ、それ私の!」
「誰のとはないだろう。早い者勝ちなのだ。」
「それじゃ、これは貰うわね。」
「それは我のだ!」
ルビーとトパーズがおかずの取り合いをする。
「忍。これ美味しいわよ。」
「忍様。こちらは如何でしょうか?」
レブルとウイユが箸を僕に向ける。どうしてこうなった……悩む事はないんだろうけど、どっちを選んでも問題な気がするが。
―パク。
「どう?」
「ん。」
レブルのを先に食べる。嬉しそうに味を聞いてくるが、作ったのはレブルではない。少し悲しそうな目をするウイユの方を続いて食べる。
―パク。
「ふふ。美味しいですか?」
「ん。」
次の箸に何かが取られる前に、僕はおにぎりへと手を伸ばす。これを食べている間は落ち着いて食べられる……
「はい。忍。」
「どうぞ忍様。」
「……。」
その考えは甘かったみたいだ。
「ウイユもだけど、随分と落ち着いているんだねぇ。」
「プリンばぁちゃんも食べて〜腹が減っては何とかって、前に師匠が言ってたよ。」
「そうかい。なんか慌てるだけ無駄な気がしてきたよ。」
僕以外の所はゆっくりできている様だ。気が休まらないわけじゃないけど、魔王様はそろそろお目覚めにならないだろうか……
―ピキ。
黒い繭にヒビが入る。
「きた!」
おにぎりを頬張り立ち上がる。僕に食べてもらえなかったおかずをそれぞれ口にして、レブルウイユも立ち上がる。
「あの魔王は空気も読めないのね。」
「魔導書には書いてなかった様ですね。」
「「「…………。」」」
2人の会話に全員の背筋が凍る。
―ピキピキ……バリィィン!
黒い繭が割れて、魔王が出てくる。
「逃げずに待っているとは……余程早く死にたい様だ……」
―ヒュン……バキィ!
「んなぁ!?」
―ドゴォォン!
最後まで喋る事なくレブルが魔王を斬る。斬る音ちは違う鈍い音がした後、魔王は壁まで吹き飛ぶ。
「レブル。抜け駆けはいけません。」
「貴女の初動が遅いだけでは?」
「言ってくれますね。」
「手応えはイマイチだから、次があるわよ。」
仲が良いのか、悪いのか……。
「いきなり不意打ちとは、随分と礼儀がなっておらん様だな。」
レブルの攻撃を受け、壁に激突するも何事もなかったかの様に這い上がる魔王。
「失礼致します。」
「ん?」
―ドゴ、ドゴ、バキィ!ドゴォォン!
「うわぁ……痛そうなのである。」
「これは私達の出番が本当にないわよ。」
起き上がった魔王を確認すると、今度はウイユが攻撃をする。龍2人がウイユの攻撃を見て、少し引き気味に下がる。正直言うと僕も攻撃するのを躊躇う中で、2人は遠慮が全くない。
「レブル!あまり前に出過ぎないで。」
「何かあれば忍が守ってくれるでしょう?」
「そりゃ守るけど。」
「私は守って下さりますか?」
「もちろん守りますよ。」
「「なら問題ないわ。」」
ん〜伝わってない?
プリンばぁちゃんが言う魔導書が、どれだけ危険なのか分からないから。あまり前に出過ぎないで欲しいのだけど。守ると言った手前、一応すぐ動ける様に強化はしておこう。
「全く……いつの時代も女は荒いものだな。」
「どうやら全く効いていない様だね。」
「どうするのプリンばぁちゃん?」
「そんなの決まってるわ……」
―ダァン!
「今度はプリンシピオか?老いぼれは黙って欲しいものだが。」
「まだまだ現役だよ!」
今度はプリンばぁちゃんが魔王に突っ込む。
―ビュン!パシ!
「遅い。さっきの者達の方が、早かったぞ。」
「っく。まだじゃ!」
そこそこ早いと思うパンチも魔王は、簡単に受け止める。
―ビュン!パシ!
懐に入ったプリンばぁちゃんは、さらに打ち込むがそれも掴まれる。
―ザブン!
「水玉!」
「小賢しい!」
「おっ!?」
掴んだプリンばぁちゃんを水玉の盾にしようとする魔王。
「っふ!」
―ピタ!
「っは!」
「む。」
―ザバァァン!
プリンばぁちゃんに当たりそうになった水玉を止め、軌道を変えて魔王の顔面に当てるセロー。プリンばぁちゃんに当たるかと少しひやっとした。
「ふん。そんな攻撃が我には効かん。」
「それではこれは如何でしょう?」
―ズズズ……ビュン!
影からハイヤーの手が伸びて魔王の顔の横を過ぎる。あの僅かな間に攻撃を入れるハイヤーはさすがだ。しかし簡単に交わされた。
―ッザザ!
無理に交わしたからか、体制を崩した所にレブルとウイユさんが懐に入る。
「小賢しいと言っているだろう!!」
―ブゥゥン!
「うひゃ!?」
プリンばぁちゃんを掴んだまま、振り回してレブルとウイユさんは攻撃をせず距離をとる。あのまま掴まれていると邪魔だな。
―ヒュン……
「そろそろ僕も参加しようかな。」
「!!」
―ビュン!
プリンばぁちゃんを掴んだ腕ごと狙って斬ったけど、ギリギリの所で手を離し躱される。
―ビュン!
「っく!?」
「これも躱すの?でも次はどうかな?」
―ビュン!ビュン!
「っく!この!」
「それそれそれ!」
―ビュン!ビュン!キィィン!
何度か躱された後、決まると思ったら受け止められた。黒い空間から剣の刀身だけ出ている。
「まさか私が剣を抜かされるとは……」
「受けて安心してたらダメだよ。ふん!」
―ギィィ……ドゴォォン!
受け止めた剣ごと思いっきり振り抜く。再び壁まで吹き飛ぶ魔王。
「プリンばぁちゃん立てる?」
「目が回ったくらいだわ。別に立てなく……」
―ドォォン!!
吹き飛ばした方から黒い何かが放たれる。
―ギン!ドゴォォ……
「玉って言うよりビームだね。」
「な、何をしたんだい?」
「軌道を逸らしただけ。」
「簡単に言ってくれるね……まだくるよ!」
―ドゴォォン!
―ギン!ドゴォォ……
同じ攻撃がくるが、軌道を逸らして回避する。避けられない事もないけど、そうすると後ろに居るプリンばぁちゃんが危ない。
「出鱈目な!これならどうだ!」
―ドゴォォン!
軌道を変えてセロー達の方にビームが撃たれた。
「あ。」
「我の出ば……」
―ドカァァン!!
振り向くとトパーズが皆の前に出て、ビームを受け止めていた。
「ちと熱いな。」
「熱いで済むんだ。」
「シノブよ。後は任せよ。前だけ向いていればいいのだ。」
「ありがとうトパーズ。」
―ズズズ……
「プリンシピオ様。こちらへ。」
「すまんねウイユ。」
影からウイユさんがプリンばぁちゃんを連れて下がってくれる。
―ドゴォォン!
「何度も同じ手は……せい!」
―ズバァン!
「斬った!?」
「逸らす必要もない。」
仲間が守ってくれる。僕は1人じゃない。
「さぁ……始めようか。」
「っくそ!いいだろう。本気で相手をしてやろう!」
魔王との一騎討ちが始まる。
―カチャ、カチャ。
―ガチャン。
「師匠。それ取って下さい。」
「ほい。」
「あ、それ私の!」
「誰のとはないだろう。早い者勝ちなのだ。」
「それじゃ、これは貰うわね。」
「それは我のだ!」
ルビーとトパーズがおかずの取り合いをする。
「忍。これ美味しいわよ。」
「忍様。こちらは如何でしょうか?」
レブルとウイユが箸を僕に向ける。どうしてこうなった……悩む事はないんだろうけど、どっちを選んでも問題な気がするが。
―パク。
「どう?」
「ん。」
レブルのを先に食べる。嬉しそうに味を聞いてくるが、作ったのはレブルではない。少し悲しそうな目をするウイユの方を続いて食べる。
―パク。
「ふふ。美味しいですか?」
「ん。」
次の箸に何かが取られる前に、僕はおにぎりへと手を伸ばす。これを食べている間は落ち着いて食べられる……
「はい。忍。」
「どうぞ忍様。」
「……。」
その考えは甘かったみたいだ。
「ウイユもだけど、随分と落ち着いているんだねぇ。」
「プリンばぁちゃんも食べて〜腹が減っては何とかって、前に師匠が言ってたよ。」
「そうかい。なんか慌てるだけ無駄な気がしてきたよ。」
僕以外の所はゆっくりできている様だ。気が休まらないわけじゃないけど、魔王様はそろそろお目覚めにならないだろうか……
―ピキ。
黒い繭にヒビが入る。
「きた!」
おにぎりを頬張り立ち上がる。僕に食べてもらえなかったおかずをそれぞれ口にして、レブルウイユも立ち上がる。
「あの魔王は空気も読めないのね。」
「魔導書には書いてなかった様ですね。」
「「「…………。」」」
2人の会話に全員の背筋が凍る。
―ピキピキ……バリィィン!
黒い繭が割れて、魔王が出てくる。
「逃げずに待っているとは……余程早く死にたい様だ……」
―ヒュン……バキィ!
「んなぁ!?」
―ドゴォォン!
最後まで喋る事なくレブルが魔王を斬る。斬る音ちは違う鈍い音がした後、魔王は壁まで吹き飛ぶ。
「レブル。抜け駆けはいけません。」
「貴女の初動が遅いだけでは?」
「言ってくれますね。」
「手応えはイマイチだから、次があるわよ。」
仲が良いのか、悪いのか……。
「いきなり不意打ちとは、随分と礼儀がなっておらん様だな。」
レブルの攻撃を受け、壁に激突するも何事もなかったかの様に這い上がる魔王。
「失礼致します。」
「ん?」
―ドゴ、ドゴ、バキィ!ドゴォォン!
「うわぁ……痛そうなのである。」
「これは私達の出番が本当にないわよ。」
起き上がった魔王を確認すると、今度はウイユが攻撃をする。龍2人がウイユの攻撃を見て、少し引き気味に下がる。正直言うと僕も攻撃するのを躊躇う中で、2人は遠慮が全くない。
「レブル!あまり前に出過ぎないで。」
「何かあれば忍が守ってくれるでしょう?」
「そりゃ守るけど。」
「私は守って下さりますか?」
「もちろん守りますよ。」
「「なら問題ないわ。」」
ん〜伝わってない?
プリンばぁちゃんが言う魔導書が、どれだけ危険なのか分からないから。あまり前に出過ぎないで欲しいのだけど。守ると言った手前、一応すぐ動ける様に強化はしておこう。
「全く……いつの時代も女は荒いものだな。」
「どうやら全く効いていない様だね。」
「どうするのプリンばぁちゃん?」
「そんなの決まってるわ……」
―ダァン!
「今度はプリンシピオか?老いぼれは黙って欲しいものだが。」
「まだまだ現役だよ!」
今度はプリンばぁちゃんが魔王に突っ込む。
―ビュン!パシ!
「遅い。さっきの者達の方が、早かったぞ。」
「っく。まだじゃ!」
そこそこ早いと思うパンチも魔王は、簡単に受け止める。
―ビュン!パシ!
懐に入ったプリンばぁちゃんは、さらに打ち込むがそれも掴まれる。
―ザブン!
「水玉!」
「小賢しい!」
「おっ!?」
掴んだプリンばぁちゃんを水玉の盾にしようとする魔王。
「っふ!」
―ピタ!
「っは!」
「む。」
―ザバァァン!
プリンばぁちゃんに当たりそうになった水玉を止め、軌道を変えて魔王の顔面に当てるセロー。プリンばぁちゃんに当たるかと少しひやっとした。
「ふん。そんな攻撃が我には効かん。」
「それではこれは如何でしょう?」
―ズズズ……ビュン!
影からハイヤーの手が伸びて魔王の顔の横を過ぎる。あの僅かな間に攻撃を入れるハイヤーはさすがだ。しかし簡単に交わされた。
―ッザザ!
無理に交わしたからか、体制を崩した所にレブルとウイユさんが懐に入る。
「小賢しいと言っているだろう!!」
―ブゥゥン!
「うひゃ!?」
プリンばぁちゃんを掴んだまま、振り回してレブルとウイユさんは攻撃をせず距離をとる。あのまま掴まれていると邪魔だな。
―ヒュン……
「そろそろ僕も参加しようかな。」
「!!」
―ビュン!
プリンばぁちゃんを掴んだ腕ごと狙って斬ったけど、ギリギリの所で手を離し躱される。
―ビュン!
「っく!?」
「これも躱すの?でも次はどうかな?」
―ビュン!ビュン!
「っく!この!」
「それそれそれ!」
―ビュン!ビュン!キィィン!
何度か躱された後、決まると思ったら受け止められた。黒い空間から剣の刀身だけ出ている。
「まさか私が剣を抜かされるとは……」
「受けて安心してたらダメだよ。ふん!」
―ギィィ……ドゴォォン!
受け止めた剣ごと思いっきり振り抜く。再び壁まで吹き飛ぶ魔王。
「プリンばぁちゃん立てる?」
「目が回ったくらいだわ。別に立てなく……」
―ドォォン!!
吹き飛ばした方から黒い何かが放たれる。
―ギン!ドゴォォ……
「玉って言うよりビームだね。」
「な、何をしたんだい?」
「軌道を逸らしただけ。」
「簡単に言ってくれるね……まだくるよ!」
―ドゴォォン!
―ギン!ドゴォォ……
同じ攻撃がくるが、軌道を逸らして回避する。避けられない事もないけど、そうすると後ろに居るプリンばぁちゃんが危ない。
「出鱈目な!これならどうだ!」
―ドゴォォン!
軌道を変えてセロー達の方にビームが撃たれた。
「あ。」
「我の出ば……」
―ドカァァン!!
振り向くとトパーズが皆の前に出て、ビームを受け止めていた。
「ちと熱いな。」
「熱いで済むんだ。」
「シノブよ。後は任せよ。前だけ向いていればいいのだ。」
「ありがとうトパーズ。」
―ズズズ……
「プリンシピオ様。こちらへ。」
「すまんねウイユ。」
影からウイユさんがプリンばぁちゃんを連れて下がってくれる。
―ドゴォォン!
「何度も同じ手は……せい!」
―ズバァン!
「斬った!?」
「逸らす必要もない。」
仲間が守ってくれる。僕は1人じゃない。
「さぁ……始めようか。」
「っくそ!いいだろう。本気で相手をしてやろう!」
魔王との一騎討ちが始まる。
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