無敵のフルフェイス
128話 噂の人物。
念願の魔王城へと到着した矢先。魔王城から攻撃され、降りようとした場所には兵隊がいた。どうも来る事が分かっていたかの様な対応に、少しだけ驚いた。
「やったのか?」
「おい、その言葉は使うな。」
「失礼しました隊長!」
「そうは言って結果は分かるがな……」
相手がそんな事を言っているのが聞こえてきた。
「ふぅ。なんとか間に合った。」
「忍!怪我はない?」
「大丈夫。それよりレブルは大丈夫だった?」
「何も問題ないわ。」
「良かった。」
レブルの手をとり見つめ合う。
「そう言うのは危機を脱したらにしてくれない?」
「お2人には危機ではないのかも知れませんね。」
「のうハイヤー。我はちゃんと隠れてるか?山からはみ出してはおらぬか?」
「どんだけ怖がってるのよ。地上なんだし、不安なら固まっておきなさい。」
「そうか!ぬぬ…… ダイヤロック!!」
―ビキビキ……ガキン!
「シノブ。私の服を出して。」
「いいけど。龍の姿の方がいいんじゃ?」
「その方が楽だけど、地上にいるならトパーズが盾になってくれるから。変に目立って標的になりたくないの。」
「そうか。分かった。」
―ボフッ……シュル、シュル、チャキ。
変身する際の煙が晴れて、人間版のルビーが現れる。
「おい。我を盾にすると聞こえたが?」
「地上なんだし、トパーズの防御は破れないでしょう?」
「ま、まぁそうじゃな。やれやれ仕方ない、我が先頭で攻撃を受けてやろう。」
「ちょろい……」
「ん?何か言ったか?」
「なんでもないわー」
不適な笑みのルビー。トパーズはいい様に使われてるな〜せっかくだし、便乗して利用……盾役を任せよう。
「それじゃ、防御壁解除するよ。戦いになるから、みんな準備してね。」
―ズン!ズズズ……
「全軍戦闘準備!敵はまだ生きている!」
「「「おぉぉぉ!!!」」」
「頼むよトパーズ。」
「任されよ。」
―ドシーン、ドシーン、ドシーン……
全身を強化したトパーズが、先頭で相手に近づく。
―ドシーン、ドシーン、ドシーン……
「な、なんだあれは……黒い龍?」
「まさか、さっきのは黒龍!?」
「隊長!」
敵はトパーズの姿を見て大慌てである。まぁ乗り回している僕らが言うのはあれだが、一応伝説級の生物だし。
「……それにしても遅いわね。」
「トパーズだし。」
「私が先頭に出ましょうか?」
「いや、どう攻撃してくるか分からないし。様子を見ながら遠距離で攻撃しようか。」
敵軍はトパーズを見て、何も出来ずにいるこの状況。無理に突っ込む必要はないだろう。
「それじゃ、僕が牽制する。みんなはいつでも動けるようにしておいて。」
このままじゃトパーズで前がよく見えないな。とりあえず、トパーズの顔の近くまで飛ぶ。
―フワッ
「む?シノブか。どうした?」
「せっかくだから遠距離から攻撃しようかと。」
「そうか。それなら飛ばずに我の頭に乗ると良い。」
「そうだね。お願い出来るかな?」
トパーズの頭の上に乗って周りを見渡す。特に気になる点はないかな。
「隊長!黒い人が龍の頭上に表れました!」
「黒龍に黒い騎士だと……」
僕の存在にも気づいたみたいだけど、誰1人として攻撃してこない。さっきはあればけバシバシ撃ってきたのに。
「まぁいいや。まずは様子見でっと……水玉。」
―ザブン、ザザザザザ……
「水が集まっている?は!魔法障壁展開!急げ!」
「見てから指示出しているようじゃ遅いよ。いけ!」
―ザバァァン!ザバァァン!
「ぐぁぁ!?」
「うわぁ……」
「っく!」
多少の障壁は出されたけど、関係なしで押し流した。
「様子見でコレか?」
「んーいつもはもっと威力ないはずなんだけど。アイさんどうしてかな?……アイさん?」
どうやらまだ寝ているようだ。僕の声が届いてない様に感じる。
「どうするのだ?コレはもう戦うどころの話ではないぞ。」
「ん〜さっき隊長と呼ばれていた人に話でもしてこようかな。」
「我はどうする?」
「ここで待っててくれればいいよ。」
トパーズから降りてゆっくり敵に近づいて行く。
「忍!1人じゃ危ないわよ。」
「そうです。私もお供します。」
「私はトパーズとここで待ってるわ。」
レブルとハイヤーが心配して近づいてきた。危ない事はないと思うけど。
「忍は油断するところがあるから。アイさんと連絡とれてないんでしょ?」
「そうなんだよ。まだ寝てるのかな。」
「それでは彼女の代わりが務まるか分かりませんが、私達がシノブさんをお守りします。」
2人とも心配性だな。止める理由もないし、周りへの警戒は2人に任せるとしよう。
先頭で倒れている人を見つけて声をかける。
「ん?き、貴様ら……ここが【レーダビット】と知って、この所業か?」
「レーダビットって?」
「確か魔王城がある街の名ですよ。」
「そうなんだ。うん、知っててここに来たんだ。」
「ふん。ふざけたものだ。魔王様への反逆とみなされれば、この魔界で生きていく事は難しいぞ。」
敵兵はそう言って僕らを笑う。
「僕は別に反乱を起こしたいわけじゃないんだけど。」
「今更何を……しかし噂の水球の魔導姫がこんなに強いとは……」
「僕の噂が魔王城まで広まっていたなんて。」
「あれだけ各町で暴れていればね。」
「それが目的だったし。」
「……ってなんか引っかかりますね。」
ハイヤーが何が引っかかると考え込む。
「シノブさん。これはもしかすると……別の人の噂ではないでしょうか?」
「別の人?」
「水球の魔導姫です。シノブさんは各町で水魔法を頻繁には使用されていません。それに姫と言うのが。」
「そう言われてみれば。ねぇ?その水球の魔導姫ってどんな噂?」
「どんな?コロシアムで連勝し続ける、青い騎士の話だろ。」
「「「コロシアム!?」」」
「な、なんだ?」
「ありがとう!みんな行くよ!」
思わぬところで情報を得られた。こうしちゃいられない、すぐにでも行こう!
「な、なんだったんだ?」
1人残される兵士を放っておいて、僕らはトパーズ達の元へ急ぐ。
「やったのか?」
「おい、その言葉は使うな。」
「失礼しました隊長!」
「そうは言って結果は分かるがな……」
相手がそんな事を言っているのが聞こえてきた。
「ふぅ。なんとか間に合った。」
「忍!怪我はない?」
「大丈夫。それよりレブルは大丈夫だった?」
「何も問題ないわ。」
「良かった。」
レブルの手をとり見つめ合う。
「そう言うのは危機を脱したらにしてくれない?」
「お2人には危機ではないのかも知れませんね。」
「のうハイヤー。我はちゃんと隠れてるか?山からはみ出してはおらぬか?」
「どんだけ怖がってるのよ。地上なんだし、不安なら固まっておきなさい。」
「そうか!ぬぬ…… ダイヤロック!!」
―ビキビキ……ガキン!
「シノブ。私の服を出して。」
「いいけど。龍の姿の方がいいんじゃ?」
「その方が楽だけど、地上にいるならトパーズが盾になってくれるから。変に目立って標的になりたくないの。」
「そうか。分かった。」
―ボフッ……シュル、シュル、チャキ。
変身する際の煙が晴れて、人間版のルビーが現れる。
「おい。我を盾にすると聞こえたが?」
「地上なんだし、トパーズの防御は破れないでしょう?」
「ま、まぁそうじゃな。やれやれ仕方ない、我が先頭で攻撃を受けてやろう。」
「ちょろい……」
「ん?何か言ったか?」
「なんでもないわー」
不適な笑みのルビー。トパーズはいい様に使われてるな〜せっかくだし、便乗して利用……盾役を任せよう。
「それじゃ、防御壁解除するよ。戦いになるから、みんな準備してね。」
―ズン!ズズズ……
「全軍戦闘準備!敵はまだ生きている!」
「「「おぉぉぉ!!!」」」
「頼むよトパーズ。」
「任されよ。」
―ドシーン、ドシーン、ドシーン……
全身を強化したトパーズが、先頭で相手に近づく。
―ドシーン、ドシーン、ドシーン……
「な、なんだあれは……黒い龍?」
「まさか、さっきのは黒龍!?」
「隊長!」
敵はトパーズの姿を見て大慌てである。まぁ乗り回している僕らが言うのはあれだが、一応伝説級の生物だし。
「……それにしても遅いわね。」
「トパーズだし。」
「私が先頭に出ましょうか?」
「いや、どう攻撃してくるか分からないし。様子を見ながら遠距離で攻撃しようか。」
敵軍はトパーズを見て、何も出来ずにいるこの状況。無理に突っ込む必要はないだろう。
「それじゃ、僕が牽制する。みんなはいつでも動けるようにしておいて。」
このままじゃトパーズで前がよく見えないな。とりあえず、トパーズの顔の近くまで飛ぶ。
―フワッ
「む?シノブか。どうした?」
「せっかくだから遠距離から攻撃しようかと。」
「そうか。それなら飛ばずに我の頭に乗ると良い。」
「そうだね。お願い出来るかな?」
トパーズの頭の上に乗って周りを見渡す。特に気になる点はないかな。
「隊長!黒い人が龍の頭上に表れました!」
「黒龍に黒い騎士だと……」
僕の存在にも気づいたみたいだけど、誰1人として攻撃してこない。さっきはあればけバシバシ撃ってきたのに。
「まぁいいや。まずは様子見でっと……水玉。」
―ザブン、ザザザザザ……
「水が集まっている?は!魔法障壁展開!急げ!」
「見てから指示出しているようじゃ遅いよ。いけ!」
―ザバァァン!ザバァァン!
「ぐぁぁ!?」
「うわぁ……」
「っく!」
多少の障壁は出されたけど、関係なしで押し流した。
「様子見でコレか?」
「んーいつもはもっと威力ないはずなんだけど。アイさんどうしてかな?……アイさん?」
どうやらまだ寝ているようだ。僕の声が届いてない様に感じる。
「どうするのだ?コレはもう戦うどころの話ではないぞ。」
「ん〜さっき隊長と呼ばれていた人に話でもしてこようかな。」
「我はどうする?」
「ここで待っててくれればいいよ。」
トパーズから降りてゆっくり敵に近づいて行く。
「忍!1人じゃ危ないわよ。」
「そうです。私もお供します。」
「私はトパーズとここで待ってるわ。」
レブルとハイヤーが心配して近づいてきた。危ない事はないと思うけど。
「忍は油断するところがあるから。アイさんと連絡とれてないんでしょ?」
「そうなんだよ。まだ寝てるのかな。」
「それでは彼女の代わりが務まるか分かりませんが、私達がシノブさんをお守りします。」
2人とも心配性だな。止める理由もないし、周りへの警戒は2人に任せるとしよう。
先頭で倒れている人を見つけて声をかける。
「ん?き、貴様ら……ここが【レーダビット】と知って、この所業か?」
「レーダビットって?」
「確か魔王城がある街の名ですよ。」
「そうなんだ。うん、知っててここに来たんだ。」
「ふん。ふざけたものだ。魔王様への反逆とみなされれば、この魔界で生きていく事は難しいぞ。」
敵兵はそう言って僕らを笑う。
「僕は別に反乱を起こしたいわけじゃないんだけど。」
「今更何を……しかし噂の水球の魔導姫がこんなに強いとは……」
「僕の噂が魔王城まで広まっていたなんて。」
「あれだけ各町で暴れていればね。」
「それが目的だったし。」
「……ってなんか引っかかりますね。」
ハイヤーが何が引っかかると考え込む。
「シノブさん。これはもしかすると……別の人の噂ではないでしょうか?」
「別の人?」
「水球の魔導姫です。シノブさんは各町で水魔法を頻繁には使用されていません。それに姫と言うのが。」
「そう言われてみれば。ねぇ?その水球の魔導姫ってどんな噂?」
「どんな?コロシアムで連勝し続ける、青い騎士の話だろ。」
「「「コロシアム!?」」」
「な、なんだ?」
「ありがとう!みんな行くよ!」
思わぬところで情報を得られた。こうしちゃいられない、すぐにでも行こう!
「な、なんだったんだ?」
1人残される兵士を放っておいて、僕らはトパーズ達の元へ急ぐ。
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