無敵のフルフェイス
119話 地龍の住処③
何事もなく地龍の前に到着。大きな息遣いが聞こえるけど、寝ているのか?
「これが地龍……大きいわね。」
「そうだね。こんなに大きいと動きづらそう。」
「地龍はあまりある防御力を誇る龍だから。スピードは大したことないよ。」
「そうなんだ。」
「……?」
レブルが近づいて来る。僕の腕に掴まってきた。もしかして怖……
「(忍。なんか変じゃない?)」
「(え?変?)」
「(そうよ。この子やけに地龍について詳しいと言うか。何か目的があるとしか。)」
「赤いレブルお姉様?どうかしましたか?」
「いえ。地龍なんて見た事ないから、ちょっと警戒しただけよ。」
「そうですか。でもコイツ鈍いから、2人なら問題ないですわ。」
―ボォウ。
そう言うとロビーが部屋を照らすくらいの火の玉を作る。
「明るくなったね。」
「ちょっとロビー……それをどうするつもり?」
振り返ったロビーの口元がつり上がる。
「何って……こうする他ないわ。」
―ボォウ!ドカァァン!
手に作った火の玉を地龍目掛けて投げた。それがぶつかると地龍を包む様に大爆発した。
「そんなの当てて大丈夫なの?」
「さぁ?それは貴方達次第ね。」
「それってどう言う意味……」
―グラァァ!
―ダァン!ダァン!ダァン!
火に包まれた地龍が転げ回り、自分を包む火の粉を払う。そんな暴れたらこの洞窟崩れるんじゃ?
「あはは。転げ回っちゃって面白い!」
「やっぱり何か目的があって私達を連れて来たのね?」
「さすがはこの私がお姉様と呼んだ人……私の意図に気がついていたのね?」
「気がついたのはさっきだけどね。」
「そんな冷静でいいの?鈍間な地龍だけど、一応四天龍の一角よ?」
四天龍とか知らない単語が出て来たな。まぁ順当に考えれば、火と水に風。それに土の地龍ってとこかな。
「貴方は随分と余裕そうね。もっと驚いてくれないとつまらないわ。」
「今は君が誰であれ、アマン達を巻き込まなかった事を感謝しているだけだよ。それに僕は戦うつもりでここに来ている訳だし。」
「素敵な考えね。それじゃ……精々すぐ死なない様に楽しませて頂戴。」
そう言い残し、ロビーの気配が消えた。
「あの子は一体なんだったのかしら?」
「さぁ?僕らと地龍を戦わせたかったくらいしか。」
「今はそれどころじゃないかしら。」
―グラァァ!!
火の粉を払った地龍が僕の方へと向く。
「おのれどこの誰か知らんが、気持ちよく寝ていたのを起こしおって。その罪……主らの死で償うがいい!」
「喋る!?地龍って凄いんだねレブル!」
「喜んでいる場合じゃないわよ!?」
「踏み潰してくれる!」
―バサァ!ガガガ……
飛び上がろうとしたのか翼を大きく広げる地龍。しかしここは洞窟。壁に当たり全開まで開く事はなかった。
「むぅ?狭い……のう!!」
―バサァ!ガガガ、ビキ!?
無理やり広げようとして、壁に亀裂が入り始めた。
「レブル一旦外に出よう。このままじゃ生き埋めだ。」
「ええ。」
「アイさん。合図したら僕とレブルだけ、洞窟の外へ転移を。」
「畏まりました!」
「そんじゃ……悪いけど。このまま埋まっててもらうよ!アース……」
頭ん中でイメージをする。地面に足つけた時にそこから大地へのダメージ、自然災害としても大打撃を受けるであろう事に……
「クエイク。」
―ダン!ズズズ……パキ!?ボコ
「それじゃいくか。」
「きゃ。」
揺れる地面に壁のヒビが大きくなる。ふらつくレブルを抱き寄せ、僕とレブルで転移で逃げる。
「トランステレポート。」
「ちょっと……」
何か声が聞こえた気がするが……気のせいだろう。
外に出ると地面が少しずつ沈んでいるのが分かる。
「危ないから離れよう。」
その場を離れて様子を見ている。地面はまた少し沈み……
―ズドォォォ……
大きな音と共に崩れた。
「生き埋めね。でも地龍なら問題なのかしら?」
「多分。」
―ゴゴゴ……キラッ。
魔力の収縮を感じたかと思えば、地面の一部が盛り上がり光る。
―ドォォォォォォ!!!
「何!?」
「なんかビームみたいだね。掘るより手っ取り早い方法を選んだんだろうね。」
洞窟の中で感じた魔力が少しずつ上って来る。
「ぐむぅ!ふん!」
変な声を出し地龍が翼を羽ばたかせて現れた。
―ブクゥ……
「水玉ごー!」
―ザザザ、バシャァン!
「がふぅ!って、待て待て!うぉぉぉぉぉ!」
―ヒュゥ…………ドシィィン!!!
「動きが遅いのは本当だね。」
「あれは早くても回避出来ないわ。」
そうかな?ただの水玉を顔に3発くらい当てただけなんだけど。結果的には驚いてか、地龍はまた穴へと戻っていった。
―バサァ!バサァ!
魔力がまた這い上がって来る。
「アースオペレーション。」
穴より少し小さい岩を作っておく。それを穴の上に投げ込む。
「よいしょっと、それ!」
「……今の大岩どうなるの?」
「ただの岩を投げても効果ないかなって。だから少し上に投げて、重力の力も借りようかと。」
「なんかこの先の展開が目に浮かぶわね。」
―バサァ!
地龍が顔を出し、その姿を現わす。
「ははは!今度は目を瞑っているから、水が目に入る事もないぞ!我、天才か!天才なのか!」
―ヒュゥ……
「誰か分からぬが、我にした非礼の数々。死をもって、がふぅ!?」
とっとと穴から出ればいいのに。それに何故か目を瞑って喋っているからか、上から落ちて来る岩に気付く様子もなく当たる。
「なんぞ!?これはぁぁぁぁ……」
―ドシィィン!!
「あの龍鈍いだけじゃなくて、もしかして馬鹿?」
「こっちが不意打ちしているだけだから、なんとも言えないけど。」
「それはそうと水玉対策は一応していたわね。目を瞑ってどうにかなるのか疑問だけど。」
「それじゃ次は岩を投げるのも見破られている訳か……次はどうすると思う?」
「そうね……上から来る物を壊したいはず。さっきの光ったビームが来るんじゃないかしら?」
「ビームってきっと龍のブレスか何かだよね。うーん。」
ブレスはどうしようかな。
『忍様。ブレスをそのまま返すのは如何でしょうか?』
「返すって?」
『ただの魔力の放出であれば、水の流れを利用してブレスをそのまま返す事が可能です。』
「良いね!それ採用。」
「悪徳コンビ……」
「それじゃ、行こうか!」
『ウォーターリフレクション!』
上を見上げると水の渦が空に止まっている様に見える。こっちの準備が出来た後、再び魔力が上がって来るのを感じた。
「今度はさっきの様にいかんのじゃ!」
穴の奥から声が響いて聞こえてくる。そして先程の魔力収縮を感じる。
―ゴォォォォ!
―ザバァァン!ザザザザザ……
渦に飲み込まれたブレスが、大きく弧を描き空を覆う。
―ザザザ、ゴォォォォ!
「これで我も地上に、がぁ!?なんじゃ、これは我の?ちょ、ぬわー……」
―ドシィィン!!!
「なんか可哀想になって来たわ。」
「そう?龍って強いんだし、これくらいハンデだよ。さて!次はどうしようかな。」
「忍、楽しんでるわね?」
「そんな事ないさ。戦いは既に始まっているんだから、至って真面目だよ。」
「それなら良いけど。」
「ちなみにレブルは次どう思う?」
「ブレスは警戒してくるでしょうね。無いと思うけど、一番最初の水玉の事は忘れているんじゃないかしら?」
「あーありそう。それで行こう!」
そして地龍はこちらの予想を裏切る事はなく。
「ふはは!岩が来ると分かっていれば怖い物などな……」
「水玉!」
「目ぇぇぇ!?って、ぬわー……」
―ドシィィン!!!
何度目かの地響きがした。
「これが地龍……大きいわね。」
「そうだね。こんなに大きいと動きづらそう。」
「地龍はあまりある防御力を誇る龍だから。スピードは大したことないよ。」
「そうなんだ。」
「……?」
レブルが近づいて来る。僕の腕に掴まってきた。もしかして怖……
「(忍。なんか変じゃない?)」
「(え?変?)」
「(そうよ。この子やけに地龍について詳しいと言うか。何か目的があるとしか。)」
「赤いレブルお姉様?どうかしましたか?」
「いえ。地龍なんて見た事ないから、ちょっと警戒しただけよ。」
「そうですか。でもコイツ鈍いから、2人なら問題ないですわ。」
―ボォウ。
そう言うとロビーが部屋を照らすくらいの火の玉を作る。
「明るくなったね。」
「ちょっとロビー……それをどうするつもり?」
振り返ったロビーの口元がつり上がる。
「何って……こうする他ないわ。」
―ボォウ!ドカァァン!
手に作った火の玉を地龍目掛けて投げた。それがぶつかると地龍を包む様に大爆発した。
「そんなの当てて大丈夫なの?」
「さぁ?それは貴方達次第ね。」
「それってどう言う意味……」
―グラァァ!
―ダァン!ダァン!ダァン!
火に包まれた地龍が転げ回り、自分を包む火の粉を払う。そんな暴れたらこの洞窟崩れるんじゃ?
「あはは。転げ回っちゃって面白い!」
「やっぱり何か目的があって私達を連れて来たのね?」
「さすがはこの私がお姉様と呼んだ人……私の意図に気がついていたのね?」
「気がついたのはさっきだけどね。」
「そんな冷静でいいの?鈍間な地龍だけど、一応四天龍の一角よ?」
四天龍とか知らない単語が出て来たな。まぁ順当に考えれば、火と水に風。それに土の地龍ってとこかな。
「貴方は随分と余裕そうね。もっと驚いてくれないとつまらないわ。」
「今は君が誰であれ、アマン達を巻き込まなかった事を感謝しているだけだよ。それに僕は戦うつもりでここに来ている訳だし。」
「素敵な考えね。それじゃ……精々すぐ死なない様に楽しませて頂戴。」
そう言い残し、ロビーの気配が消えた。
「あの子は一体なんだったのかしら?」
「さぁ?僕らと地龍を戦わせたかったくらいしか。」
「今はそれどころじゃないかしら。」
―グラァァ!!
火の粉を払った地龍が僕の方へと向く。
「おのれどこの誰か知らんが、気持ちよく寝ていたのを起こしおって。その罪……主らの死で償うがいい!」
「喋る!?地龍って凄いんだねレブル!」
「喜んでいる場合じゃないわよ!?」
「踏み潰してくれる!」
―バサァ!ガガガ……
飛び上がろうとしたのか翼を大きく広げる地龍。しかしここは洞窟。壁に当たり全開まで開く事はなかった。
「むぅ?狭い……のう!!」
―バサァ!ガガガ、ビキ!?
無理やり広げようとして、壁に亀裂が入り始めた。
「レブル一旦外に出よう。このままじゃ生き埋めだ。」
「ええ。」
「アイさん。合図したら僕とレブルだけ、洞窟の外へ転移を。」
「畏まりました!」
「そんじゃ……悪いけど。このまま埋まっててもらうよ!アース……」
頭ん中でイメージをする。地面に足つけた時にそこから大地へのダメージ、自然災害としても大打撃を受けるであろう事に……
「クエイク。」
―ダン!ズズズ……パキ!?ボコ
「それじゃいくか。」
「きゃ。」
揺れる地面に壁のヒビが大きくなる。ふらつくレブルを抱き寄せ、僕とレブルで転移で逃げる。
「トランステレポート。」
「ちょっと……」
何か声が聞こえた気がするが……気のせいだろう。
外に出ると地面が少しずつ沈んでいるのが分かる。
「危ないから離れよう。」
その場を離れて様子を見ている。地面はまた少し沈み……
―ズドォォォ……
大きな音と共に崩れた。
「生き埋めね。でも地龍なら問題なのかしら?」
「多分。」
―ゴゴゴ……キラッ。
魔力の収縮を感じたかと思えば、地面の一部が盛り上がり光る。
―ドォォォォォォ!!!
「何!?」
「なんかビームみたいだね。掘るより手っ取り早い方法を選んだんだろうね。」
洞窟の中で感じた魔力が少しずつ上って来る。
「ぐむぅ!ふん!」
変な声を出し地龍が翼を羽ばたかせて現れた。
―ブクゥ……
「水玉ごー!」
―ザザザ、バシャァン!
「がふぅ!って、待て待て!うぉぉぉぉぉ!」
―ヒュゥ…………ドシィィン!!!
「動きが遅いのは本当だね。」
「あれは早くても回避出来ないわ。」
そうかな?ただの水玉を顔に3発くらい当てただけなんだけど。結果的には驚いてか、地龍はまた穴へと戻っていった。
―バサァ!バサァ!
魔力がまた這い上がって来る。
「アースオペレーション。」
穴より少し小さい岩を作っておく。それを穴の上に投げ込む。
「よいしょっと、それ!」
「……今の大岩どうなるの?」
「ただの岩を投げても効果ないかなって。だから少し上に投げて、重力の力も借りようかと。」
「なんかこの先の展開が目に浮かぶわね。」
―バサァ!
地龍が顔を出し、その姿を現わす。
「ははは!今度は目を瞑っているから、水が目に入る事もないぞ!我、天才か!天才なのか!」
―ヒュゥ……
「誰か分からぬが、我にした非礼の数々。死をもって、がふぅ!?」
とっとと穴から出ればいいのに。それに何故か目を瞑って喋っているからか、上から落ちて来る岩に気付く様子もなく当たる。
「なんぞ!?これはぁぁぁぁ……」
―ドシィィン!!
「あの龍鈍いだけじゃなくて、もしかして馬鹿?」
「こっちが不意打ちしているだけだから、なんとも言えないけど。」
「それはそうと水玉対策は一応していたわね。目を瞑ってどうにかなるのか疑問だけど。」
「それじゃ次は岩を投げるのも見破られている訳か……次はどうすると思う?」
「そうね……上から来る物を壊したいはず。さっきの光ったビームが来るんじゃないかしら?」
「ビームってきっと龍のブレスか何かだよね。うーん。」
ブレスはどうしようかな。
『忍様。ブレスをそのまま返すのは如何でしょうか?』
「返すって?」
『ただの魔力の放出であれば、水の流れを利用してブレスをそのまま返す事が可能です。』
「良いね!それ採用。」
「悪徳コンビ……」
「それじゃ、行こうか!」
『ウォーターリフレクション!』
上を見上げると水の渦が空に止まっている様に見える。こっちの準備が出来た後、再び魔力が上がって来るのを感じた。
「今度はさっきの様にいかんのじゃ!」
穴の奥から声が響いて聞こえてくる。そして先程の魔力収縮を感じる。
―ゴォォォォ!
―ザバァァン!ザザザザザ……
渦に飲み込まれたブレスが、大きく弧を描き空を覆う。
―ザザザ、ゴォォォォ!
「これで我も地上に、がぁ!?なんじゃ、これは我の?ちょ、ぬわー……」
―ドシィィン!!!
「なんか可哀想になって来たわ。」
「そう?龍って強いんだし、これくらいハンデだよ。さて!次はどうしようかな。」
「忍、楽しんでるわね?」
「そんな事ないさ。戦いは既に始まっているんだから、至って真面目だよ。」
「それなら良いけど。」
「ちなみにレブルは次どう思う?」
「ブレスは警戒してくるでしょうね。無いと思うけど、一番最初の水玉の事は忘れているんじゃないかしら?」
「あーありそう。それで行こう!」
そして地龍はこちらの予想を裏切る事はなく。
「ふはは!岩が来ると分かっていれば怖い物などな……」
「水玉!」
「目ぇぇぇ!?って、ぬわー……」
―ドシィィン!!!
何度目かの地響きがした。
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