無敵のフルフェイス
100話 手の届かない場所
空に突然現れた黒い翼の男は、片手に剣を持っている。
「あれはさっきのソースイーター?」
「ソースイーター?そんな剣じゃねえぞ。」
「そんな馬鹿な!我は魔王にそう言われ……」
―ブォン!
空気が震える。そんな感覚があった。
「は?」
「魔王様だろう?人族が呼び捨てにしていいお人ではないぞ。」
「ぐあぁぁぁ!!」
見ると国王の左腕が肩から無くなっていた。
「シノブさん……今の見えましたか?」
「いや、見えなかった。でもあれは斬撃とは違う……空気が震えたのを感じたけど。斬るではなく、空間に挟まれたような。」
「空間に挟まれるですか?」
「ほぅ……人族にしてはいい線をいっている。」
空に浮かぶ黒い翼の男が僕に笑いかける。その口元だけ吊り上げ、目は獲物を喰い殺すかのような鋭い視線。
「ぐぞぉ……魔王……様の側近でもあるディアンが何故ここに……。」
「僕はただ魔王様のコレクションの回収と、その処分に来ただけだけど?」
「処分だと?」
「そうそう。人族のトップだからって利用価値があるって、放し飼いにしていたけど。さっきの戦いを見て、魔王様が落胆されてね。」
剣を持ったまま、やれやれと首を振る。
「私は……ソースイーターを使いこなして。」
「さっきから言ってるそれはなんだい?もしかしなくても、この剣の名か?」
「源を喰らう剣と……」
「源ねぇ。考えようによってはありか?まぁ良い、貴様がどういう解釈をしたか知らないけど。この剣はスペースイーター。それ以外の名は不要だ。」
スペースって宇宙とかのあれか?
『空間を喰らう……成る程。彼の腕は別の空間へ行ってしまったと。』
うん知ってた。空間ね!そうなんじゃないかと思っていたよ。
「空間……それで空気が震えたとシノブさんは感じた訳ですね。」
「あーうん。そんな感じ。」
空から降りてきた男は国王の元に近づく。僕らに背を向けてゆっくり歩いているだけだけど、どうにも隙もない。
「魔王様からの最後の伝言だ。ただただ魔力を噴くだけの雑な使い方。同じ同族の人間に遅れをとり、更には同族を傷つけた罪……見るに耐えん。だそうだよ。」
―ザクッ!
目の前で国王の胸に剣が刺さる。ぽっかり開いた胸元に、国王はその場に倒れる。
「やはり人族は脆い……。」
「師匠!国王さんが!」
「あぁ分かってる。あんなんでもエストのお父さんだし……」
―ヒュン……
「そこを退いてもらう。」
―ヒュン!
「おっと危ない。」
無理やり間に入り国王の脈を確認するも反応がない。くそ!やられた!
「ビックリするじゃないか。」
「……。」
今の攻撃に反応するって、今までの魔族とは違うな。
「アイさん。少し本気でサポートお願い。」
『畏まりました!クリアアイズ、マッスルレインフォース、ポスチャーコントロール、ノンリミット!』
「いく……」
―ヒュ、ザン!
「っち。この僕が擦り傷を……。」
「こっちは擦り傷を負わせるつもりじゃないんだけど?」
「今の速さ正直、見えなかったよ。とんでもないな。」
「それを回避してる貴方もですよね?」
「あはは。違いない。でも僕は君とは別次元の強いだけだけど。」
「言ってろ。」
―ヒュ、ギィィン!
―ギギン!ザク!
「こんなの反応しきれるわけないじゃん!」
「その割にまだまだ余裕そうだね。」
「余裕なんてとんでもない!」
「これならどう?」
―…………パン!
僕の剣が空を斬り、何もないそこに音だけが残る。
「あっぶなぁー!どんな剣速だし。絶対人族じゃないよね?」
「人族以外に何に見えるんだよ。」
「神族か龍族?」
「どっちでもないから。」
神族と龍族ってそんな種族がいるのか?龍は山の上にいるって聞いた気がする。それより神族って神様がこの世界にいるものなの?
―…………パン!ザシュ。
―…………パン!ザシュ。
「間に合わないってなんなの……さ!」
―ズズ……
『忍様!右肩!』
「!!」
アイさんの言葉で止まり、その場から全力で左に回避した。
―ザン!
空間が裂けた。僕の右腕があった場所に……
「は?あれ避けちゃうってどういう事だよ。」
「アイさんありがとう。」
『いえ、忍様は私がお護り致します。』
「それじゃ。」
―…………パパン!ザシュ!
「無理だって!くそっ今はまだ……」
相手の視線が僕から外れる。余所見なんて……
『忍様!ハイヤーが!』
「そういう事か!させない!」
ハイヤーと聞いて、攻撃を即中止で向かうと。
「やっぱり君は仲間を気にしちゃうタイプだね?でもそれじゃ闘いには勝てないよ?」
「っく!バブル!」
目の前に現れた黒い雲の様な何か。飛び出したせいで突然止まれる訳もなく、自分にバブルの魔法で守りを強化して突っ込む。
そして薄暗い森から明るい……
「またこの荒野かよ!好きだなおい。」
『いつでもいけます!』
「すぐ戻ろう!テレポート!」
さっき見たばかりの枯れた大地の荒野だった。そして魔界から元の場所に即帰還。
「これでゆっくり帰れる。」
「師匠!」
「シノブさん!」
「はい!2人とも大丈夫!?」
「えぇー魔界の辺境なんだよあそこ?」
「辺境もそうじゃなくても関係ない。」
「転移魔法ってそんなポンポン使う魔力量でもないし、人族が使えるなんて聞いた事ないんだけど。」
驚く魔族は呆れた顔でこちらを見てくる。
いつでも攻撃に移れるように構える。しかしこっちから仕掛ける事ができない。この魔族は2人を狙って来る。さっきはフェイントで僕だったけど、次が僕じゃない事だってあり得る。
「セローさん走れますか?」
「ううん。速くは動けないかも。もう魔力が……。」
「だよね。あの王様との戦いは観てたよ。随分と荒い戦い方だよね?魔力でねじ伏せるって言うのかな。嫌いじゃないけど。」
「観てた?」
「そう。魔王様と一緒にね。僕は途中でここに向かったから、最後の方はいなかったけど。」
少し喋るようになったな。このまま……ここでちゃんと考えていれば良かった。
相手は何を考えていたのか。何を狙っていたのか。
「喰らえ……」
『今度はセローです!』
「っち!まだ諦めてなかったか!」
「これにも反応します!?なら……えい!」
『左足です!』
「間に合え!」
―ビュン!
右に半歩ズレる。またも空間が斬り裂かれた。
「喰らえ!」
『セローです!』
「この状況は!間に合わ……」
「これはいけませんね。」
「え?」
セローを突き飛ばすハイヤー。
―ザシュ!
赤い雫が視界に入る。突き出した右腕が肘から先半分に……
「ぐむぅ!」
「「ハイヤー!」」
「む、狙いがそれた。まぁ結果オーライか。」
「……殺す。」
―ズズズ……
「いやいやいや!その魔力量オカシイって!この場は失礼させて貰うよ!」
―ザクッ!
「痛っ。この大人しく喰われろ!」
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
―ザン!ザン!ザン!
空間が3箇所斬り取られるが、そこには誰もいない。
『忍様!落ち着いて下さい!』
「……殺す。」
「っく!これなら!」
『忍様!!ハイヤーが!』
「今度は私です!!」
「セロー!!」
怪我をしたハイヤー、それを護るため前に出るセロー。2人を突き飛ばし空間の斬撃を回避させる方法は!
―ザ、ギィィン!
「は?受け止めた!?」
手元には黒い影の剣を握っていた。
「闇魔法の剣?人族が?」
「これなら……」
「悪いがこれ以上は付き合えないから!」
『忍様ここ周辺に大きな魔力反応!』
「全員で飛びましょう!!」
―ズズズ……
「師匠!ハイヤーを!」
セローが怪我をしたハイヤーを投げてくる。受け止めた僕はセローの顔を見て……
「荒野じゃない。暗い森の中だけどさっきいた場所と違うな。魔族は……居なくなったか。」
自分ごと全員転移させて、逃げるって考えたな。今はそれよりハイヤーをラストラの元に届けて。
「あれ?セロー?」
『…………。』
「アイさん?セローがいないよ?」
『申し訳ありません。この周辺でセローの魔力を感知出来ません。』
「え?それってセローだけ別の場所に転移したって事?」
『恐らく、先程の転移魔法は範囲内の者をランダムに転移させる魔法かと。触れていたハイヤーは一緒でしたが。魔族の反応も無い事からそう考えられます。』
「セロー……くそ!」
―ガァァン!
もっと僕は冷静になっていれば!ハイヤーも怪我を……
「アイさん!至急座標確認、ラストラの所へ!」
『完了しました。いつでもいけます!』
「流石だ!トランステレポート!」
先読みして対処してくれるアイさん。僕よりよほど切り替えが早い。まずはハイヤーを。セローならきっと大丈夫だ。落ち着け俺!
飛んだ先はベランダ。
「うお!シノブか。どう……ハイヤー!?」
「退いて!治します!」
「悪いラストラ。後は頼む。」
「お任せ下さい!」
「っぐ、シノブさん。」
意識もあるし、僕に出来る事はもう無い。その場を去ろうと立ち上がる。
「アイさん。荒野の方に。」
『はい。』
「アマン!行って!」
「分からんが、行ってくる!」
―ドン。
「アマン、今少し急いでいて。」
「俺も連れてけ。何があったか知らんが、今のお前は普通じゃない。知恵は必要だろう?」
「…………分かった。」
アマンと行ける範囲で魔界に行ってきたが、セローを見つける事が出来なかった……。
「あれはさっきのソースイーター?」
「ソースイーター?そんな剣じゃねえぞ。」
「そんな馬鹿な!我は魔王にそう言われ……」
―ブォン!
空気が震える。そんな感覚があった。
「は?」
「魔王様だろう?人族が呼び捨てにしていいお人ではないぞ。」
「ぐあぁぁぁ!!」
見ると国王の左腕が肩から無くなっていた。
「シノブさん……今の見えましたか?」
「いや、見えなかった。でもあれは斬撃とは違う……空気が震えたのを感じたけど。斬るではなく、空間に挟まれたような。」
「空間に挟まれるですか?」
「ほぅ……人族にしてはいい線をいっている。」
空に浮かぶ黒い翼の男が僕に笑いかける。その口元だけ吊り上げ、目は獲物を喰い殺すかのような鋭い視線。
「ぐぞぉ……魔王……様の側近でもあるディアンが何故ここに……。」
「僕はただ魔王様のコレクションの回収と、その処分に来ただけだけど?」
「処分だと?」
「そうそう。人族のトップだからって利用価値があるって、放し飼いにしていたけど。さっきの戦いを見て、魔王様が落胆されてね。」
剣を持ったまま、やれやれと首を振る。
「私は……ソースイーターを使いこなして。」
「さっきから言ってるそれはなんだい?もしかしなくても、この剣の名か?」
「源を喰らう剣と……」
「源ねぇ。考えようによってはありか?まぁ良い、貴様がどういう解釈をしたか知らないけど。この剣はスペースイーター。それ以外の名は不要だ。」
スペースって宇宙とかのあれか?
『空間を喰らう……成る程。彼の腕は別の空間へ行ってしまったと。』
うん知ってた。空間ね!そうなんじゃないかと思っていたよ。
「空間……それで空気が震えたとシノブさんは感じた訳ですね。」
「あーうん。そんな感じ。」
空から降りてきた男は国王の元に近づく。僕らに背を向けてゆっくり歩いているだけだけど、どうにも隙もない。
「魔王様からの最後の伝言だ。ただただ魔力を噴くだけの雑な使い方。同じ同族の人間に遅れをとり、更には同族を傷つけた罪……見るに耐えん。だそうだよ。」
―ザクッ!
目の前で国王の胸に剣が刺さる。ぽっかり開いた胸元に、国王はその場に倒れる。
「やはり人族は脆い……。」
「師匠!国王さんが!」
「あぁ分かってる。あんなんでもエストのお父さんだし……」
―ヒュン……
「そこを退いてもらう。」
―ヒュン!
「おっと危ない。」
無理やり間に入り国王の脈を確認するも反応がない。くそ!やられた!
「ビックリするじゃないか。」
「……。」
今の攻撃に反応するって、今までの魔族とは違うな。
「アイさん。少し本気でサポートお願い。」
『畏まりました!クリアアイズ、マッスルレインフォース、ポスチャーコントロール、ノンリミット!』
「いく……」
―ヒュ、ザン!
「っち。この僕が擦り傷を……。」
「こっちは擦り傷を負わせるつもりじゃないんだけど?」
「今の速さ正直、見えなかったよ。とんでもないな。」
「それを回避してる貴方もですよね?」
「あはは。違いない。でも僕は君とは別次元の強いだけだけど。」
「言ってろ。」
―ヒュ、ギィィン!
―ギギン!ザク!
「こんなの反応しきれるわけないじゃん!」
「その割にまだまだ余裕そうだね。」
「余裕なんてとんでもない!」
「これならどう?」
―…………パン!
僕の剣が空を斬り、何もないそこに音だけが残る。
「あっぶなぁー!どんな剣速だし。絶対人族じゃないよね?」
「人族以外に何に見えるんだよ。」
「神族か龍族?」
「どっちでもないから。」
神族と龍族ってそんな種族がいるのか?龍は山の上にいるって聞いた気がする。それより神族って神様がこの世界にいるものなの?
―…………パン!ザシュ。
―…………パン!ザシュ。
「間に合わないってなんなの……さ!」
―ズズ……
『忍様!右肩!』
「!!」
アイさんの言葉で止まり、その場から全力で左に回避した。
―ザン!
空間が裂けた。僕の右腕があった場所に……
「は?あれ避けちゃうってどういう事だよ。」
「アイさんありがとう。」
『いえ、忍様は私がお護り致します。』
「それじゃ。」
―…………パパン!ザシュ!
「無理だって!くそっ今はまだ……」
相手の視線が僕から外れる。余所見なんて……
『忍様!ハイヤーが!』
「そういう事か!させない!」
ハイヤーと聞いて、攻撃を即中止で向かうと。
「やっぱり君は仲間を気にしちゃうタイプだね?でもそれじゃ闘いには勝てないよ?」
「っく!バブル!」
目の前に現れた黒い雲の様な何か。飛び出したせいで突然止まれる訳もなく、自分にバブルの魔法で守りを強化して突っ込む。
そして薄暗い森から明るい……
「またこの荒野かよ!好きだなおい。」
『いつでもいけます!』
「すぐ戻ろう!テレポート!」
さっき見たばかりの枯れた大地の荒野だった。そして魔界から元の場所に即帰還。
「これでゆっくり帰れる。」
「師匠!」
「シノブさん!」
「はい!2人とも大丈夫!?」
「えぇー魔界の辺境なんだよあそこ?」
「辺境もそうじゃなくても関係ない。」
「転移魔法ってそんなポンポン使う魔力量でもないし、人族が使えるなんて聞いた事ないんだけど。」
驚く魔族は呆れた顔でこちらを見てくる。
いつでも攻撃に移れるように構える。しかしこっちから仕掛ける事ができない。この魔族は2人を狙って来る。さっきはフェイントで僕だったけど、次が僕じゃない事だってあり得る。
「セローさん走れますか?」
「ううん。速くは動けないかも。もう魔力が……。」
「だよね。あの王様との戦いは観てたよ。随分と荒い戦い方だよね?魔力でねじ伏せるって言うのかな。嫌いじゃないけど。」
「観てた?」
「そう。魔王様と一緒にね。僕は途中でここに向かったから、最後の方はいなかったけど。」
少し喋るようになったな。このまま……ここでちゃんと考えていれば良かった。
相手は何を考えていたのか。何を狙っていたのか。
「喰らえ……」
『今度はセローです!』
「っち!まだ諦めてなかったか!」
「これにも反応します!?なら……えい!」
『左足です!』
「間に合え!」
―ビュン!
右に半歩ズレる。またも空間が斬り裂かれた。
「喰らえ!」
『セローです!』
「この状況は!間に合わ……」
「これはいけませんね。」
「え?」
セローを突き飛ばすハイヤー。
―ザシュ!
赤い雫が視界に入る。突き出した右腕が肘から先半分に……
「ぐむぅ!」
「「ハイヤー!」」
「む、狙いがそれた。まぁ結果オーライか。」
「……殺す。」
―ズズズ……
「いやいやいや!その魔力量オカシイって!この場は失礼させて貰うよ!」
―ザクッ!
「痛っ。この大人しく喰われろ!」
―ヒュン、ヒュン、ヒュン。
―ザン!ザン!ザン!
空間が3箇所斬り取られるが、そこには誰もいない。
『忍様!落ち着いて下さい!』
「……殺す。」
「っく!これなら!」
『忍様!!ハイヤーが!』
「今度は私です!!」
「セロー!!」
怪我をしたハイヤー、それを護るため前に出るセロー。2人を突き飛ばし空間の斬撃を回避させる方法は!
―ザ、ギィィン!
「は?受け止めた!?」
手元には黒い影の剣を握っていた。
「闇魔法の剣?人族が?」
「これなら……」
「悪いがこれ以上は付き合えないから!」
『忍様ここ周辺に大きな魔力反応!』
「全員で飛びましょう!!」
―ズズズ……
「師匠!ハイヤーを!」
セローが怪我をしたハイヤーを投げてくる。受け止めた僕はセローの顔を見て……
「荒野じゃない。暗い森の中だけどさっきいた場所と違うな。魔族は……居なくなったか。」
自分ごと全員転移させて、逃げるって考えたな。今はそれよりハイヤーをラストラの元に届けて。
「あれ?セロー?」
『…………。』
「アイさん?セローがいないよ?」
『申し訳ありません。この周辺でセローの魔力を感知出来ません。』
「え?それってセローだけ別の場所に転移したって事?」
『恐らく、先程の転移魔法は範囲内の者をランダムに転移させる魔法かと。触れていたハイヤーは一緒でしたが。魔族の反応も無い事からそう考えられます。』
「セロー……くそ!」
―ガァァン!
もっと僕は冷静になっていれば!ハイヤーも怪我を……
「アイさん!至急座標確認、ラストラの所へ!」
『完了しました。いつでもいけます!』
「流石だ!トランステレポート!」
先読みして対処してくれるアイさん。僕よりよほど切り替えが早い。まずはハイヤーを。セローならきっと大丈夫だ。落ち着け俺!
飛んだ先はベランダ。
「うお!シノブか。どう……ハイヤー!?」
「退いて!治します!」
「悪いラストラ。後は頼む。」
「お任せ下さい!」
「っぐ、シノブさん。」
意識もあるし、僕に出来る事はもう無い。その場を去ろうと立ち上がる。
「アイさん。荒野の方に。」
『はい。』
「アマン!行って!」
「分からんが、行ってくる!」
―ドン。
「アマン、今少し急いでいて。」
「俺も連れてけ。何があったか知らんが、今のお前は普通じゃない。知恵は必要だろう?」
「…………分かった。」
アマンと行ける範囲で魔界に行ってきたが、セローを見つける事が出来なかった……。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
52
-
-
2813
-
-
52
-
-
37
-
-
2
-
-
149
-
-
93
-
-
3395
-
-
267
コメント