無敵のフルフェイス
85話 警護システムの洗礼①
翌日に今度はみんな呼ばれて作戦会議が行われた。
「昨日の今日ではありますが、情報が入ってきたので皆様に共有をします。」
「もう情報が集まったんですか?早いですね。」
「彼らの動きは気にしていましたしね。」
「何の話?」
「金ピカ騎士団の事。」
「あー……」
それを聞いたエスト達は察してくれたようだ。
「結果的に彼らは何か目的をつけて暴れたいようです。魔族討伐に関しては、やはり国王様が王都を守るよう指示を出していました。」
「あの人は何年経っても相変わらずなのね。」
「エスト様は国王様に会われるのですか?」
「まぁ何度か顔を合わせるわね……」
エストの答えを聞いて周りがざわつき出す。
「どうかした?」
「国王様と何度も会える事なんて、普通はあり得ないので驚いているだけかと。」
「たまに顔を見せに行かないといけない時があるのよ。まぁ少し顔を出したら帰るけど。」
また周りがざわざわし始める。
「別に会っても話したりはしないわよ。いつもは王都に長期滞在もしないし。顔見せたらさっさと帰るわ。」
「エスト様は国王様とどの様な繋がりが?」
「ん?金ピカ兵士が街に来た理由調べたんじゃ?」
「はい。重症重要な人物を探していると報告はあります。」
「別に私は全然重要じゃないわよ。」
「え?もしかしてあの兵士が探している重要な人物って……」
「さぁ分からないわ。聞き出す前にシノブさんとレブルが倒したし。」
「「なんかすいません。」」
僕とレブルは思わず頭を下げる。
「別にいいわよ。きっとそれもお父様が命令でもしたのでしょう。」
「お父様が命令?」
「あれ?言ってなかったでした?エストはこう見えて王族ですよ。」
「シノブさん……こう見えては余計よ。」
―ザザ!
「数々の無礼、申し訳ございません!」
「「「申し訳ございません!」」」
「エストって凄いんだね〜」
「良かったわね。みんなちゃんと王族として扱ってくれているわよ。」
「別に良かったとかはないわ。」
「皆さんそんな畏まらなくても大丈夫ですよ。」
「それシノブさんが言うの?」
エストが王族だと分かるとリアさん含めて、全員が跪き頭を下げる。王族扱いされて少しにやけるエスト。でも話が進まなくなるから、畏まらない様にみんなに伝えておく。
―コンコン。
「奥様、ご来客予定の確認に参りました。」
「いいですよ。僕らは気にせず。」
「ありがとうございます。入りなさい。」
「失礼しま……す?」
全員が跪くこの状況に疑問に思うメイドさん。
「気にせず話して。」
「失礼します。先方に予定を伝えたところ、もっと早められないのかとお問い合わせを受けました。」
「それでは当日会いましょう。来られればですが……。」
「畏まりました。それではルールの説明をします。」
頭を下げてメイドさんが退出した。
「皆は席に着きなさい。シノブ様も是非お席に、これから上映会です。爺、例の物を。」
「こちらに。」
「何が始まるんですか?」
「見ていただければ分かりますよ。それでは……ミラースクリーン!」
リアさんの手の中にある何かが光りだす。するとリアさんの後ろに何かの映像が流れる。
♦︎
「ルールは以上となります。皆様のご武運を祈ります。」
―ギィィ……
さっきのメイドさんの声が聞こえたかと思うと、門が開き始めた。
「それでは我々が先頭をいきま……がふぅ!?」
「どうした!何があっ……がは!?」
中に足を踏み込んだ者から、警護システムによって倒れて行く。
「あれ?昨日の金ピカ騎士団じゃないか。」
その兵士を回収してこれで終わりに見えたが、奥の方から1人の男が出てくる。
「俺が行きましょう。あんな魔法打ち砕いてやりますよ。」
「いってらっしゃい〜骨は拾ってあげるわ。」
武道家の方だけど、魔法を打ち砕くって何をするんだろう。
―キラ……ギュゥン!
「そんな真っ直ぐな攻撃!うらぁぁ!」
―パァァン!
まっすぐ向かって来る魔法を拳で打ち砕いてみせた男。
「成る程据え置きタイプの警護システムだから、軌道が分かれば魔法はおとせるのか。」
「シノブ様。彼は簡単に行なっていますが、並みの努力ではあそこまで出来ません。」
「そう?セローは殴ってはいないけど、やった事はそれに近いよね?」
「私ですか?そうですね〜軌道もだけど、魔力を集めるからそれだけでも気づけましたけど。」
「参考になります!次はその部分の改良を……」
僕らの話をラストラが熱心に書き込む。1番前の席にきて、そのままじっと画面を見始める。
「見たか!骨なんて拾ってもらう必要はない!」
「いちいちこっちにアピールしなくていいから。それよりそのまま立っているのは……」
「これからは俺の、がはぁ!?」
「危ないわよ。」
「もっと……早く教えて……がく。」
お威勢の良かった男が、反対側からの攻撃をもろに食らって倒れた。
「余裕見せて突っ立ってる方が悪いわ。」
「姉さん厳しいですね。次は……行きますか?」
「私は嫌よ。見たところ光属性の魔法でしょう?一つ二つなら回避出来るけど、奥を見る限り私には無理ね。」
「姉さんが無理なら後は……」
―カツ……カツ……カツ……
兵士が道を開けて、真ん中をゆっくり歩いて来る人物。
「っげ。」
「うわぁあの人ですか。」
画面を見ていたレブルとセローが嫌そうに顔をしかめる。
「勇者……帰って来てたのか。」
「勇者様が挑まれるんですね……って来訪者は勇者様達でしたか。これはタイミングがいいですね。」
「そうですか?」
「勇者様がいらっしゃるなら、黄金騎士団の問題はもう解決したようなものです。」
あの勇者が来れば解決?僕は余計にごちゃごちゃになりそうだけどなって思える。しかし勇者と言えど、パススルーはさせず警護システムの洗礼は受けてもらう様だ。
「私が行って話をつけてこよう!」
「ココロ〜骨は拾うわよ〜」
「先程からハーネスのそれはなんなんだ。まぁいいか。行ってくる!」
―ガシャ、ガシャ、ガシャ!
勇者が門へ向かって駆け出した。
「昨日の今日ではありますが、情報が入ってきたので皆様に共有をします。」
「もう情報が集まったんですか?早いですね。」
「彼らの動きは気にしていましたしね。」
「何の話?」
「金ピカ騎士団の事。」
「あー……」
それを聞いたエスト達は察してくれたようだ。
「結果的に彼らは何か目的をつけて暴れたいようです。魔族討伐に関しては、やはり国王様が王都を守るよう指示を出していました。」
「あの人は何年経っても相変わらずなのね。」
「エスト様は国王様に会われるのですか?」
「まぁ何度か顔を合わせるわね……」
エストの答えを聞いて周りがざわつき出す。
「どうかした?」
「国王様と何度も会える事なんて、普通はあり得ないので驚いているだけかと。」
「たまに顔を見せに行かないといけない時があるのよ。まぁ少し顔を出したら帰るけど。」
また周りがざわざわし始める。
「別に会っても話したりはしないわよ。いつもは王都に長期滞在もしないし。顔見せたらさっさと帰るわ。」
「エスト様は国王様とどの様な繋がりが?」
「ん?金ピカ兵士が街に来た理由調べたんじゃ?」
「はい。重症重要な人物を探していると報告はあります。」
「別に私は全然重要じゃないわよ。」
「え?もしかしてあの兵士が探している重要な人物って……」
「さぁ分からないわ。聞き出す前にシノブさんとレブルが倒したし。」
「「なんかすいません。」」
僕とレブルは思わず頭を下げる。
「別にいいわよ。きっとそれもお父様が命令でもしたのでしょう。」
「お父様が命令?」
「あれ?言ってなかったでした?エストはこう見えて王族ですよ。」
「シノブさん……こう見えては余計よ。」
―ザザ!
「数々の無礼、申し訳ございません!」
「「「申し訳ございません!」」」
「エストって凄いんだね〜」
「良かったわね。みんなちゃんと王族として扱ってくれているわよ。」
「別に良かったとかはないわ。」
「皆さんそんな畏まらなくても大丈夫ですよ。」
「それシノブさんが言うの?」
エストが王族だと分かるとリアさん含めて、全員が跪き頭を下げる。王族扱いされて少しにやけるエスト。でも話が進まなくなるから、畏まらない様にみんなに伝えておく。
―コンコン。
「奥様、ご来客予定の確認に参りました。」
「いいですよ。僕らは気にせず。」
「ありがとうございます。入りなさい。」
「失礼しま……す?」
全員が跪くこの状況に疑問に思うメイドさん。
「気にせず話して。」
「失礼します。先方に予定を伝えたところ、もっと早められないのかとお問い合わせを受けました。」
「それでは当日会いましょう。来られればですが……。」
「畏まりました。それではルールの説明をします。」
頭を下げてメイドさんが退出した。
「皆は席に着きなさい。シノブ様も是非お席に、これから上映会です。爺、例の物を。」
「こちらに。」
「何が始まるんですか?」
「見ていただければ分かりますよ。それでは……ミラースクリーン!」
リアさんの手の中にある何かが光りだす。するとリアさんの後ろに何かの映像が流れる。
♦︎
「ルールは以上となります。皆様のご武運を祈ります。」
―ギィィ……
さっきのメイドさんの声が聞こえたかと思うと、門が開き始めた。
「それでは我々が先頭をいきま……がふぅ!?」
「どうした!何があっ……がは!?」
中に足を踏み込んだ者から、警護システムによって倒れて行く。
「あれ?昨日の金ピカ騎士団じゃないか。」
その兵士を回収してこれで終わりに見えたが、奥の方から1人の男が出てくる。
「俺が行きましょう。あんな魔法打ち砕いてやりますよ。」
「いってらっしゃい〜骨は拾ってあげるわ。」
武道家の方だけど、魔法を打ち砕くって何をするんだろう。
―キラ……ギュゥン!
「そんな真っ直ぐな攻撃!うらぁぁ!」
―パァァン!
まっすぐ向かって来る魔法を拳で打ち砕いてみせた男。
「成る程据え置きタイプの警護システムだから、軌道が分かれば魔法はおとせるのか。」
「シノブ様。彼は簡単に行なっていますが、並みの努力ではあそこまで出来ません。」
「そう?セローは殴ってはいないけど、やった事はそれに近いよね?」
「私ですか?そうですね〜軌道もだけど、魔力を集めるからそれだけでも気づけましたけど。」
「参考になります!次はその部分の改良を……」
僕らの話をラストラが熱心に書き込む。1番前の席にきて、そのままじっと画面を見始める。
「見たか!骨なんて拾ってもらう必要はない!」
「いちいちこっちにアピールしなくていいから。それよりそのまま立っているのは……」
「これからは俺の、がはぁ!?」
「危ないわよ。」
「もっと……早く教えて……がく。」
お威勢の良かった男が、反対側からの攻撃をもろに食らって倒れた。
「余裕見せて突っ立ってる方が悪いわ。」
「姉さん厳しいですね。次は……行きますか?」
「私は嫌よ。見たところ光属性の魔法でしょう?一つ二つなら回避出来るけど、奥を見る限り私には無理ね。」
「姉さんが無理なら後は……」
―カツ……カツ……カツ……
兵士が道を開けて、真ん中をゆっくり歩いて来る人物。
「っげ。」
「うわぁあの人ですか。」
画面を見ていたレブルとセローが嫌そうに顔をしかめる。
「勇者……帰って来てたのか。」
「勇者様が挑まれるんですね……って来訪者は勇者様達でしたか。これはタイミングがいいですね。」
「そうですか?」
「勇者様がいらっしゃるなら、黄金騎士団の問題はもう解決したようなものです。」
あの勇者が来れば解決?僕は余計にごちゃごちゃになりそうだけどなって思える。しかし勇者と言えど、パススルーはさせず警護システムの洗礼は受けてもらう様だ。
「私が行って話をつけてこよう!」
「ココロ〜骨は拾うわよ〜」
「先程からハーネスのそれはなんなんだ。まぁいいか。行ってくる!」
―ガシャ、ガシャ、ガシャ!
勇者が門へ向かって駆け出した。
「無敵のフルフェイス」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
6,681
-
2.9万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
5,217
-
2.6万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
8,191
-
5.5万
-
-
2,534
-
6,825
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
3,548
-
5,228
-
-
6,199
-
2.6万
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
2,860
-
4,949
-
-
6,044
-
2.9万
-
-
344
-
843
-
-
6,237
-
3.1万
-
-
3,653
-
9,436
-
-
14
-
8
-
-
2,629
-
7,284
-
-
3,224
-
1.5万
-
-
164
-
253
-
-
42
-
14
-
-
614
-
1,144
-
-
88
-
150
-
-
2,431
-
9,370
-
-
1,301
-
8,782
-
-
5,039
-
1万
-
-
4,922
-
1.7万
-
-
2,799
-
1万
-
-
614
-
221
-
-
9,173
-
2.3万
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント