無敵のフルフェイス
30話 不思議な雰囲気を出す人。
奥に行くと広い書斎の様な所に案内された。
「好きな所に座ってくれ。」
言われた通り座る。
「シノブさんは真ん中よ。」
「ですです。師匠なんですから。」
「それなら私が座って……。」
「……はぁ?」
「1番端っこに座りますわ!」
「お嬢様……。」
「いいから座ろうよ。」
クスクス笑うギルマス。
「ん。手紙は読ませて貰ったわ。それと受付の子にも。」
「受付の子にも?」
「収納魔法よ。あんな古代魔法ポンポン人前で使わない事ね。誰にも見られていない様だけど、気をつけた方が良いわよ?」
「そんな事アマンも言ってたね。ただの闇系統の魔法なのに。」
「ん〜そうだなぁ……。」
ギルマスが、頭に指を当て考え始める。
「例えばよ。貴方の力を知っている私が、貴方を利用しようとしたらどうする?」
「手伝いますが。」
「あー質問が悪かったわね。悪い事……盗みに協力してって言ったらどうする?」
「貴女はそんな事しませんよ。」
「いや、しないんだけど。もしもよ。」
「もしもってしたいんですか?」
「いや、しないけど……。」
沈黙する部屋。
「ぶはっ。いや、失礼。」
「アマン。少しは我慢をして下さい。」
「違う話にします!」
「ほら、少し怒ったぞ。」
「申し訳ない……。」
「いいですよー。」
頬を膨らますギルマス。そして別の話を考え中らしい。
「巨大な力の存在を知った、悪い王様が居るとします。」
「はい。」
「その人はその力を手に入れて、世界を支配しようとしています。」
「世界征服……。」
「貴方の大事な人を、人質にされたとします。」
「……。」
「貴方は力を貸すしかありません。世界はどうなるでしょうか?」
「世界征服される?」
「そうです!それはいい事ですか?」
「悪い王様なら、悪いんじゃないかな?」
「そうです!そういう事です!」
そういう事ですってどういう事?悪い王様に利用される危険があるって事……違うな1番は仲間が人質にされる事だな。隣に居たレブルを見る。そして置いてある手に手を乗せる。
「そんな事はさせません……。僕が守るよ。」
「!!」
「ん〜いまいち伝わってない!?」
「それな。俺も何度か話したんだがな。」
「可能な限りフォローします。皆様は自分の身を気をつけて下さい。」
「俺らも結論そこに辿り着いた。」
「お仲間さんも苦労されてますね……。」
ギルマスは仲間を大切にしろって、言いたかったんだな。皆んなに危険が及ばないよう、気を引き締めなきゃ。
「それより先に仲間になったのは俺達だったのにな〜」
「俺らは男だし。そんなもんだろう。」
「アマンとゾンが嫉妬してる〜」
「煩いぞセロー。」
「はは。でもあれはされたくない。」
ゾンが指差す先を見る。気がつけばレブルの手を握っていた。
「あ、ごめん。つい。」
「い、い、いの!嬉しかったし!って何言ってるの私!?」
「あの鬼の子も男の前じゃ、ただの女ね。」
「お嬢様。聞こえたら後が怖いですぞ。」
「違うの!あ、違くないんだけど〜!!」
「大丈夫よ。恋は盲目って言うじゃない。」
「ほほ。その様ですな。」
皆んなが温かい目で見てくる。別に僕は皆んなも守るからね?
「話を戻しますね。手紙の件なんですが。」
「あ、はい。手紙には何て書いていたんですか?」
「とある依頼の夫婦の件と、ランクに見合ってない点。信頼してもいいけど、うっかりとんでもない事をするから気にかけて欲しいと。」
「そんなうっかりはやってないですよ?」
「「「…………。」」」
「そこ黙る所?」
皆んなの視線が、うっかりとんでもない事をしてると語っている。前の町じゃ魔物を狩って、補装の手伝いしかしてないと思うんだけど。
「ランクについては考えがありますので、しばらくお待ち下さい。それとこれは皆様を信用しての話なんですが、魔族についての噂はご存知でしょうか?」
「門番の人に少し聞きました。なんか大変そうですね。」
「そうなんですよ。情報は規制するにも近年魔族との戦いが激しくなり。魔族が近くまで来るなんて、ここ数年の間なかったもので……。」
そう言えばお嬢様や爺やもそんな話をしてたな〜。魔族ってこの前のアレでしょ?少し残念な。
「1つ聞きたいのだけどいいかしら?」
「はい。答えられる事であれば。」
「今噂になっている魔族って、鳥に乗ってたりする?」
「目撃情報では、4羽の黒い鳥に乗った魔族、紅焔の魔族、漆黒の魔族、翡翠の魔族がいるとの話です。」
「そんなに目撃情報が……。」
「1人でも厄介ですから、そんな魔族が4人もいたらと考えると……。」
僕らの知らない魔族の情報もあったのか。しかしレブルだけ浮かない顔をしている。
「どうしたのレブル?」
「紅焔の魔族って……どんな噂かしら?」
「炎の翼を持った魔族で。空を急直下と急上昇を繰り返していたと。」
「あぁ……。漆黒の魔族は?」
「紅焔と翡翠の魔族と一緒に飛んでいたと。おそらくその彼が連絡係ではと、私は思っています。」
机に置いてあったカップの飲み物を飲み干すレブル。
「噂の魔族なんだけど、私達は全員に会っているわね。」
「え?本当ですか!?」
「やっぱりアノ残念な魔族がそうだよね。」
「それが始めの4羽の黒い鳥の魔族ね。」
「……その魔族はどうしたんですか?ズズッ……。」
「シノブさんが倒してるわ。」
「えぇ!!??……がぁふぅ!」
咽せるギルマス。
「倒したと言っても軽く水魔法放ったら、勝手に溺れた感じだよ。」
「溺れた?例の湖を作る魔法ですか?」
「あれは湖じゃないですよ。せいぜい水溜りですって。」
「確認はさせてますが、そんな可愛いものじゃなかったような……。」
「話を戻すわよ。」
レブルがまた浮かない顔をする。レブルは何か知っているのだろうか……。
「私が紅焔で。漆黒はシノブさん。翡翠はセローね。あの飛行魔法の練習を見られていたのよ。」
「「あぁ〜そう言う事か。」」
「んな!?」
驚くギルマスは僕等から距離を取り、腰の剣に手を当てる。
「私達は人族よ。魔族と勘違いしたみたいね。」
「どうして勘違いしたんだろう?ツノとか尻尾は無いし、羽根も無いのに。」
「シノブさん。人間は空を飛ばないのよ。」
「またまた〜魔法があるんだから、出来ない訳ないじゃないか。」
周りにいる仲間を見て行く。
「私は飛べたけど……。」
「すいません師匠!いつか飛べるよう頑張ります。」
「うん。きっと出来るから、頑張って。」
レブルは飛べたし、セローだって練習すればきっと飛べるはず。
「俺を見るな。商人が飛べる訳ないだろう。」
「俺もだぞ〜飛んだってなんの意味もない。」
アマンとゾンは即否定する。まぁ2人は非戦闘員だしそんなもんだろう。
「え?私は鍛治師であり戦士職よ?物理的に飛ぶ乗り物でも出来ない限り無理よ。」
「私もそうですぞ。そのような乗り物が出来るのが楽しみですな。」
その目はなんだろうか。物理的に飛べる乗り物……あ、2人もセローと一緒のつけて特訓したかったのかな。今度一緒にやろうか。
「なんか悪寒が……。」
「お嬢様……私も少し。」
そして最後に目についたのはギルマスだった。そ警戒をされないようにそっと近づく。
「え?」
「論より証拠です。ギルマスは魔法使えますか?」
「得意は火系ですが?」
「よし。今度は気付かれない場所でやろうか。」
皆んなが僕の肩に手を乗せる。移動した先はいつかの森。誰もいないから思う存分出来るぞ。
しばらく悲鳴が木霊する。1人の女性の一生空を飛ぶ事はしないと、トラウマを作るだけで終わった。
「好きな所に座ってくれ。」
言われた通り座る。
「シノブさんは真ん中よ。」
「ですです。師匠なんですから。」
「それなら私が座って……。」
「……はぁ?」
「1番端っこに座りますわ!」
「お嬢様……。」
「いいから座ろうよ。」
クスクス笑うギルマス。
「ん。手紙は読ませて貰ったわ。それと受付の子にも。」
「受付の子にも?」
「収納魔法よ。あんな古代魔法ポンポン人前で使わない事ね。誰にも見られていない様だけど、気をつけた方が良いわよ?」
「そんな事アマンも言ってたね。ただの闇系統の魔法なのに。」
「ん〜そうだなぁ……。」
ギルマスが、頭に指を当て考え始める。
「例えばよ。貴方の力を知っている私が、貴方を利用しようとしたらどうする?」
「手伝いますが。」
「あー質問が悪かったわね。悪い事……盗みに協力してって言ったらどうする?」
「貴女はそんな事しませんよ。」
「いや、しないんだけど。もしもよ。」
「もしもってしたいんですか?」
「いや、しないけど……。」
沈黙する部屋。
「ぶはっ。いや、失礼。」
「アマン。少しは我慢をして下さい。」
「違う話にします!」
「ほら、少し怒ったぞ。」
「申し訳ない……。」
「いいですよー。」
頬を膨らますギルマス。そして別の話を考え中らしい。
「巨大な力の存在を知った、悪い王様が居るとします。」
「はい。」
「その人はその力を手に入れて、世界を支配しようとしています。」
「世界征服……。」
「貴方の大事な人を、人質にされたとします。」
「……。」
「貴方は力を貸すしかありません。世界はどうなるでしょうか?」
「世界征服される?」
「そうです!それはいい事ですか?」
「悪い王様なら、悪いんじゃないかな?」
「そうです!そういう事です!」
そういう事ですってどういう事?悪い王様に利用される危険があるって事……違うな1番は仲間が人質にされる事だな。隣に居たレブルを見る。そして置いてある手に手を乗せる。
「そんな事はさせません……。僕が守るよ。」
「!!」
「ん〜いまいち伝わってない!?」
「それな。俺も何度か話したんだがな。」
「可能な限りフォローします。皆様は自分の身を気をつけて下さい。」
「俺らも結論そこに辿り着いた。」
「お仲間さんも苦労されてますね……。」
ギルマスは仲間を大切にしろって、言いたかったんだな。皆んなに危険が及ばないよう、気を引き締めなきゃ。
「それより先に仲間になったのは俺達だったのにな〜」
「俺らは男だし。そんなもんだろう。」
「アマンとゾンが嫉妬してる〜」
「煩いぞセロー。」
「はは。でもあれはされたくない。」
ゾンが指差す先を見る。気がつけばレブルの手を握っていた。
「あ、ごめん。つい。」
「い、い、いの!嬉しかったし!って何言ってるの私!?」
「あの鬼の子も男の前じゃ、ただの女ね。」
「お嬢様。聞こえたら後が怖いですぞ。」
「違うの!あ、違くないんだけど〜!!」
「大丈夫よ。恋は盲目って言うじゃない。」
「ほほ。その様ですな。」
皆んなが温かい目で見てくる。別に僕は皆んなも守るからね?
「話を戻しますね。手紙の件なんですが。」
「あ、はい。手紙には何て書いていたんですか?」
「とある依頼の夫婦の件と、ランクに見合ってない点。信頼してもいいけど、うっかりとんでもない事をするから気にかけて欲しいと。」
「そんなうっかりはやってないですよ?」
「「「…………。」」」
「そこ黙る所?」
皆んなの視線が、うっかりとんでもない事をしてると語っている。前の町じゃ魔物を狩って、補装の手伝いしかしてないと思うんだけど。
「ランクについては考えがありますので、しばらくお待ち下さい。それとこれは皆様を信用しての話なんですが、魔族についての噂はご存知でしょうか?」
「門番の人に少し聞きました。なんか大変そうですね。」
「そうなんですよ。情報は規制するにも近年魔族との戦いが激しくなり。魔族が近くまで来るなんて、ここ数年の間なかったもので……。」
そう言えばお嬢様や爺やもそんな話をしてたな〜。魔族ってこの前のアレでしょ?少し残念な。
「1つ聞きたいのだけどいいかしら?」
「はい。答えられる事であれば。」
「今噂になっている魔族って、鳥に乗ってたりする?」
「目撃情報では、4羽の黒い鳥に乗った魔族、紅焔の魔族、漆黒の魔族、翡翠の魔族がいるとの話です。」
「そんなに目撃情報が……。」
「1人でも厄介ですから、そんな魔族が4人もいたらと考えると……。」
僕らの知らない魔族の情報もあったのか。しかしレブルだけ浮かない顔をしている。
「どうしたのレブル?」
「紅焔の魔族って……どんな噂かしら?」
「炎の翼を持った魔族で。空を急直下と急上昇を繰り返していたと。」
「あぁ……。漆黒の魔族は?」
「紅焔と翡翠の魔族と一緒に飛んでいたと。おそらくその彼が連絡係ではと、私は思っています。」
机に置いてあったカップの飲み物を飲み干すレブル。
「噂の魔族なんだけど、私達は全員に会っているわね。」
「え?本当ですか!?」
「やっぱりアノ残念な魔族がそうだよね。」
「それが始めの4羽の黒い鳥の魔族ね。」
「……その魔族はどうしたんですか?ズズッ……。」
「シノブさんが倒してるわ。」
「えぇ!!??……がぁふぅ!」
咽せるギルマス。
「倒したと言っても軽く水魔法放ったら、勝手に溺れた感じだよ。」
「溺れた?例の湖を作る魔法ですか?」
「あれは湖じゃないですよ。せいぜい水溜りですって。」
「確認はさせてますが、そんな可愛いものじゃなかったような……。」
「話を戻すわよ。」
レブルがまた浮かない顔をする。レブルは何か知っているのだろうか……。
「私が紅焔で。漆黒はシノブさん。翡翠はセローね。あの飛行魔法の練習を見られていたのよ。」
「「あぁ〜そう言う事か。」」
「んな!?」
驚くギルマスは僕等から距離を取り、腰の剣に手を当てる。
「私達は人族よ。魔族と勘違いしたみたいね。」
「どうして勘違いしたんだろう?ツノとか尻尾は無いし、羽根も無いのに。」
「シノブさん。人間は空を飛ばないのよ。」
「またまた〜魔法があるんだから、出来ない訳ないじゃないか。」
周りにいる仲間を見て行く。
「私は飛べたけど……。」
「すいません師匠!いつか飛べるよう頑張ります。」
「うん。きっと出来るから、頑張って。」
レブルは飛べたし、セローだって練習すればきっと飛べるはず。
「俺を見るな。商人が飛べる訳ないだろう。」
「俺もだぞ〜飛んだってなんの意味もない。」
アマンとゾンは即否定する。まぁ2人は非戦闘員だしそんなもんだろう。
「え?私は鍛治師であり戦士職よ?物理的に飛ぶ乗り物でも出来ない限り無理よ。」
「私もそうですぞ。そのような乗り物が出来るのが楽しみですな。」
その目はなんだろうか。物理的に飛べる乗り物……あ、2人もセローと一緒のつけて特訓したかったのかな。今度一緒にやろうか。
「なんか悪寒が……。」
「お嬢様……私も少し。」
そして最後に目についたのはギルマスだった。そ警戒をされないようにそっと近づく。
「え?」
「論より証拠です。ギルマスは魔法使えますか?」
「得意は火系ですが?」
「よし。今度は気付かれない場所でやろうか。」
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