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非青春男子と超青春JK

もり フォレスト

第十話 『気持ちに正直になりたい』

 雲一つない気持ちのいい朝、悠介は自室で黙々と勉強していた。しかし、昨日のことが気になってしまうのだろう。どこかソワソワしている様子だった。
(あの俺の発言と行動、まるで千咲斗のことが好きみたいじゃねぇか。だが、恋愛はもうやめるって決めたんだ)
そんなことを考えている悠介。
(だいたい、まだ話すようになってから一ヶ月も経ってないじゃないか。まだろくに千咲斗のことを知らないのに、簡単に好きになって良いわけがない。)
悠介も、昨日の自分の気持ちが『恋愛感情』であることは薄々勘付いていたのだ。しかし、過去に恋愛でトラウマレベルの問題があった以上、そんな気持ちに否定的になっていた。とうとう、悠介はシャーペンを置いて真剣に考え始めてしまった。
(でも、千咲斗は今までのやつとは違った。こんな俺に優しくしてくれた。俺はその優しさに惹かれたのか?あぁ、でも!やっぱりダメだ!俺に恋愛は無理なんだ!)
葛藤する悠介。しかし、悠介はどうしても恋愛を受け入れられなかった。
(そもそも、俺が好きになっても、千咲斗が俺を好きなわけがない。仮に好きだとしても、絶対すぐに捨てられるに決まってる。あの時もそうだった……)
最近、千咲斗と過ごすようになってから、少しずつ青春に対する考え方が変わってきつつある悠介。まだろくに友達もいないが、千咲斗といるだけで幸せだった。間違いなく、これは『恋愛感情』である。すると突然、部屋のドアが開いた。
「ゆーくん、朝からどうしたの?」
紗都美だった。
「別に。どうもしないよ。」
「嘘でしょ。朝ごはんも食べずに部屋にこもるなんて、滅多にないもの。何かあったんでしょ。」
悠介は黙り込んだ。今話すべきか、それともまだ話さない方が良いのか、悠介はどうすれば良いか分からなくなった。
「あれ、紗都美あんた、悠介の部屋で何してるの?」
突然真美が顔を出してきた。
「ほらゆーくん、正直に話して。」
「お前、何かあったのか?ほ〜ら、お姉ちゃんに言ってみなさいよ〜。」
長い沈黙の後、悠介が口を開いた。
「今は……一人にしてほしい。」
「えっ?」
「だから、今は一人にしてほしい。お願いだ。」
悠介の顔はものすごく真剣だった。
「……分かったわ。」
それを察したのか、二人も素直に部屋を出ていった。もちろん、悠介も姉さん達に話した方が、気持ちが楽になるのは分かっている。だが、今はやはり自分の気持ちが本当か、確かめたかったのだろう。それに、今話して姉達になんと言われるか分からない分、やはり怖かったのだろう。少し黙った後、悠介はあることを決めた。
(卒業までに、この気持ちにけじめをつけてやる!!)
悠介はけじめがつくまで、この気持ちは恋愛感情ではないと否定し続けることにした。

 一方その頃、一階ではまたもや姉達による会議、通称『姉会』が行われていた。
「悠介があそこまで真剣に考えごとしてるなんて、よっぽどね。」
「やっぱり千咲斗ちゃんかしら。」
「その可能性はあるわ。あの子、千咲斗ちゃんと過ごすようになってから、少しずつだけど変わっているもの。」
流石、伊達に長い間悠介の姉をしているだけのことはある。ある程度のことは、すぐに分かってしまうのだ。
「千咲斗ちゃんのことが好きとか?」
「そんなのありえないわよ。あの子、恋愛感情は捨てたはずよ。いくら友達ができたからって、そこまでの心境の変化はないわよ。」
「そうなのかなぁ……」
紗都美は何か引っかかっている様子だったが、真美が話を続けた。
「とりあえず、これは悠介の判断に任せましょ。それが一番よ。」
「分かったわ……」
紗都美はまだ何か納得していない様子だったが、こくりと頷いた。

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