本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~
休息日には温泉にゆっくりとつかりましょう。【4】
パフェを食べる前にバーテンダーさんにスマホで写真を撮って貰った。初めて二人で撮った写真は宝物だ。酔っているせいか一颯さんもすんなりと受け入れてくれた。
パフェを食べ終わり客室へと戻ると二人で夜風にあたった。風はとても穏やかで海の優しい波しぶきの音が聞こえる。冬もそろそろ終わりを迎えるが、まだまだ肌寒く一颯さんが後ろから抱きしめてくれた。
「夜の海って幻想的な感じがして素敵ですね」
「夕陽が海に沈む時も綺麗だったよ。水面に映る夕陽がキラキラしてて」
「あー、私は見てない!ズルいです、起こしてくれたら良かったのに」
「恵里奈はぐっすり寝てたからね」
「だ、誰のせいですか!一颯さんがめちゃくちゃしたくせに!」
一颯さんは私が寝ている間も起きていて夕陽が沈むのを眺めて居たらしい。想像するからに綺麗な夕陽だったに違いなく私も一緒に見たかった。思い出すと恥ずかしいのだけれど、久しぶりに一颯さんとイチャイチャしたので手加減無しだった。
「夕陽を見れなかった分、明日は朝日を一緒に見ようよ」
「はい、早起きしなきゃですね」
「……恵里奈はまた、めちゃくちゃされなきゃ良いけどね。きちんと寝れると良いね」
後ろから、ほっぺたを人差し指でぷにっとつつかれた。
「ゔー、夜はしませんよ!朝、起きられなくなっちゃう!」
抱きしめられている両腕を振り解き、後ろを振り向くと一颯さんはニヤニヤと笑っていた。
「"何を"夜はしないの?」
「え?……それはえっと……」
薄明かりの中、妖艶の表情の一颯さんに見つめられて、しどろもどろになり、昼間のイチャイチャを思い出しては身体中に熱を帯びたみたいに熱くなった。
「耳まで熱い」
一颯さんに頬に触れられ、その延長上で耳たぶに触れられた。
「………ねぇ、何を想像してたの?」
「……もういやっ」
「嫌なら止めよっか。さて寝よ?」
私から一颯さんの身体を押しのけると、素直に中断された。ミネラルウォーターを飲んでから先にベッドに入った一颯さんは、拗ねているのか、スマホでゲームをし始めた。
「一颯さん……」
「んー?」
「一颯さんもゲームするんですね。パズルゲームは私も好きですよ」
「ふぅん、そぉ」
私も一緒にベッドに入り、一颯さんの隣に横たわる。一緒に居て初めて、ゲームをしているのを見た。普段は忙しそうで自宅ではノートPCで仕事しているから。私が隣に居ても見向きもしなくなった。夜のお誘いを拒んだから?
「一颯さん、一颯さんってば!こっち向いて下さい!」
「な、何だよ、急に」
「一緒に居るのに……そっちを向いてたら悲しいです」
一颯さんが私の方を向いてくれないから、背中をぎゅっと抱きしめる。
「お前ねぇ、人の気も知らないで…」
「拗ねてるの?」
「ばぁーか!恵里奈が嫌だって言ってるのに無理矢理は抱ける訳ないだろ。理性が落ち着くまで放っておいて」
確かに突き放してしまったが本気で嫌だった訳では無い。朝日が見れなくなるのが嫌だっただけ。我儘だと充分に承知しているのだが、一颯さんがこっちを向いてくれなくて背中越しに涙が溢れた。
「…っく、一颯さ、んが…やだった訳じゃないの。一緒に朝日を…見たかったの。…思い、で…作りたかったの…。だから寝なきゃ、って…」
「分かったから泣くな」
やっと私の方を向いてくれて、指で涙を拭ってくれたので、今度は正面から抱き着いた。
「朝日も見たいですけど……、このまま夜が明けなければ良いのに。そしたら一颯さんを独り占め出来るのにな」
「今もお互いに独り占めしてるだろ?朝日が見れないのが嫌ならば、それまで起きていれば良いだけの話だ」
一颯さんが体勢を変えて、私を見下ろすように組み敷いた。
「恵里奈、愛してる」
深く深く噛み付くようなキスをされた。甘くて濃厚な時間に突入する。
一颯さんとお付き合いする前にも彼氏は居たけれど、こんなに情熱的に抱かれた経験なんて無かった。今思えば、同年代の男の子だったし興味本位からの延長線上に過ぎなかったのかもしれない。お年頃だったせいか回数は多かったかもしれないが、スキンシップは淡白だった。
甘い時間から解放された後の脱力感。私はもう立ち上がる事も出来ずにシーツにくるまった。
パフェを食べ終わり客室へと戻ると二人で夜風にあたった。風はとても穏やかで海の優しい波しぶきの音が聞こえる。冬もそろそろ終わりを迎えるが、まだまだ肌寒く一颯さんが後ろから抱きしめてくれた。
「夜の海って幻想的な感じがして素敵ですね」
「夕陽が海に沈む時も綺麗だったよ。水面に映る夕陽がキラキラしてて」
「あー、私は見てない!ズルいです、起こしてくれたら良かったのに」
「恵里奈はぐっすり寝てたからね」
「だ、誰のせいですか!一颯さんがめちゃくちゃしたくせに!」
一颯さんは私が寝ている間も起きていて夕陽が沈むのを眺めて居たらしい。想像するからに綺麗な夕陽だったに違いなく私も一緒に見たかった。思い出すと恥ずかしいのだけれど、久しぶりに一颯さんとイチャイチャしたので手加減無しだった。
「夕陽を見れなかった分、明日は朝日を一緒に見ようよ」
「はい、早起きしなきゃですね」
「……恵里奈はまた、めちゃくちゃされなきゃ良いけどね。きちんと寝れると良いね」
後ろから、ほっぺたを人差し指でぷにっとつつかれた。
「ゔー、夜はしませんよ!朝、起きられなくなっちゃう!」
抱きしめられている両腕を振り解き、後ろを振り向くと一颯さんはニヤニヤと笑っていた。
「"何を"夜はしないの?」
「え?……それはえっと……」
薄明かりの中、妖艶の表情の一颯さんに見つめられて、しどろもどろになり、昼間のイチャイチャを思い出しては身体中に熱を帯びたみたいに熱くなった。
「耳まで熱い」
一颯さんに頬に触れられ、その延長上で耳たぶに触れられた。
「………ねぇ、何を想像してたの?」
「……もういやっ」
「嫌なら止めよっか。さて寝よ?」
私から一颯さんの身体を押しのけると、素直に中断された。ミネラルウォーターを飲んでから先にベッドに入った一颯さんは、拗ねているのか、スマホでゲームをし始めた。
「一颯さん……」
「んー?」
「一颯さんもゲームするんですね。パズルゲームは私も好きですよ」
「ふぅん、そぉ」
私も一緒にベッドに入り、一颯さんの隣に横たわる。一緒に居て初めて、ゲームをしているのを見た。普段は忙しそうで自宅ではノートPCで仕事しているから。私が隣に居ても見向きもしなくなった。夜のお誘いを拒んだから?
「一颯さん、一颯さんってば!こっち向いて下さい!」
「な、何だよ、急に」
「一緒に居るのに……そっちを向いてたら悲しいです」
一颯さんが私の方を向いてくれないから、背中をぎゅっと抱きしめる。
「お前ねぇ、人の気も知らないで…」
「拗ねてるの?」
「ばぁーか!恵里奈が嫌だって言ってるのに無理矢理は抱ける訳ないだろ。理性が落ち着くまで放っておいて」
確かに突き放してしまったが本気で嫌だった訳では無い。朝日が見れなくなるのが嫌だっただけ。我儘だと充分に承知しているのだが、一颯さんがこっちを向いてくれなくて背中越しに涙が溢れた。
「…っく、一颯さ、んが…やだった訳じゃないの。一緒に朝日を…見たかったの。…思い、で…作りたかったの…。だから寝なきゃ、って…」
「分かったから泣くな」
やっと私の方を向いてくれて、指で涙を拭ってくれたので、今度は正面から抱き着いた。
「朝日も見たいですけど……、このまま夜が明けなければ良いのに。そしたら一颯さんを独り占め出来るのにな」
「今もお互いに独り占めしてるだろ?朝日が見れないのが嫌ならば、それまで起きていれば良いだけの話だ」
一颯さんが体勢を変えて、私を見下ろすように組み敷いた。
「恵里奈、愛してる」
深く深く噛み付くようなキスをされた。甘くて濃厚な時間に突入する。
一颯さんとお付き合いする前にも彼氏は居たけれど、こんなに情熱的に抱かれた経験なんて無かった。今思えば、同年代の男の子だったし興味本位からの延長線上に過ぎなかったのかもしれない。お年頃だったせいか回数は多かったかもしれないが、スキンシップは淡白だった。
甘い時間から解放された後の脱力感。私はもう立ち上がる事も出来ずにシーツにくるまった。
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