百合LoveStory~香澄と紬~

Sei

第四章~香澄ちゃんとデートしたい!~

香澄ちゃんの夏休みを守り隊のお陰で、無事夏休みを獲得する事が出来た香澄は、学生の夏休みに付き物の夏休みの宿題が終わらずに、今度は香澄ちゃんの夏休みの宿題を終わらせ隊と名前を変えた、四人に手伝ってもらいながら、必死に宿題のラストスパートに突入していた。
 因みに終わらせ隊の四人は、夏休みが始まるとさっさと宿題を、終わらせて香澄との夏休みを謳歌していた。
 「本当にごめんね」
 香澄が四人に謝る。
 「いいんですのよ」
 桜さんが言うとの他のメンバーも、皆一様に頷く。
 この四人は、夏休み前に香澄ちゃんの彼女になり隊を結成して、協定を結んでいた。
 他にも、香澄の彼女になりたいと思っていた女の子は多数いたが、相手がこの四人だとわかると諦めた。
 ファンクラブがある程の四人には、叶わないとチャレンジ前に、身を引いたのである。
 協定は、絶対に抜け駆けはしないと言う一点だった。
 最近は、香澄を含めて5人で居る事が増えていた。
 一緒に暮らしてる紬が有利に思えるが、そうでもなかった。
 恋愛事に疎い香澄なので、そう簡単に事は運ばないのである。
 抜け駆けさえしなければOKだった。
 香澄をデートに誘う場合は、必ず他のメンバーに報告する。
 他のメンバーは、デートの邪魔はしない。
 香澄と恋人になるまでは、キスやその他諸々はしない。
 香澄が、誰を選んでも応援する等細かい部分はあるが、要は抜け駆けさえしなければいいのだ。
 もし抜け駆けしたら、除名処分に加えて恐ろしい制裁が待っていた。
 恐ろしすぎて言えません。
 女の子って、怖いよねとだけしか言えません。
 なので、紬も協定を結んでからは、エロ発言はするけど、セクハラはしなくなった。
 香澄的にはありがたいのだが、紬ちゃん欲求不満で爆発しないかなと、変な心配はしていた。
 宿題を終わらせ隊のお陰で、香澄の学生人生初と言っても過言じゃない、大事件(香澄の中だけ)が起きた。
 何と夏休みを二週間も残して、宿題が終わったのだ。
 「本当に終わったの?」
 香澄は信じられなかった。
 「香澄本当だよ」
 光さんは、香澄ちゃんから香澄と呼び方が変わっていた。
 因みにそれぞれの呼び方は以下である。
 紬は、変わらずかすみん。
 桜は、香澄ちゃん。
 光は、香澄。
 美晴は、香澄ちん。
 それぞれが、自分の呼びたい呼び方をしていたが、香澄は紬は、紬ちゃんだが他のメンバーの事は、さん付けだったので呼び方のリクエストをされてしまった。
 紬はそのまま。
 桜は桜。
 光も光。
 美晴だけ、美晴っちだった。
 最初は抵抗と言うか、恥ずかしかったけど、紬以外の三人の泣き落としにより、そう呼ばざるを得なくなってしまった。
 香澄の宿題が無事に終えた事で、彼女になり隊の四人は、次なる行動の為に四人で相談をする為にリビングへと移る事にする。
 因みに、香澄は宿題を終えた安堵感と疲れから四人の前で寝てしまった。
 四人は、暫く香澄の寝顔を眺めていたが、相談の為にリビングに移る。
 香澄を起こさない為に、四人の優しさだった。
 「早速だけど、彼女になり隊の第○回会合を始めたいと思いますわ」
 桜がそう言うと、皆が頷く。
 本日の議題は、夏休み中に香澄とデートをすると言うものだった。
 夏休み中に一度5人で、お買い物には行っているので、今度は二人きりでデートをしようと言う事なのだが、相手は内気な香澄である。
 果たして二人きりで、デートを出来るのか?それが一番の難題だった。
 「紬は、香澄と二人で買い物行った事ある?」
 一緒に暮らしてる紬ならあるのではと、皆紬を見る。
 あるなら対策を聞こうと思っていたのだ。
 いたのだけど「実は一度もないのよ」と紬は項垂れる。
 香澄は、いつも一人で買い物に行ってしまうと言うか、殆どお出掛けをしない女の子だった。
 「紬ちんないの?」
 「お恥ずかしながらありません」
 「困りましたわね」
 「何か対策と思ってたんだけど」
 四人は悩んでしまう。
 「別にいつも通りでいいと思うにゃん」
 忍さんが、何故か猫耳を付けながら、語尾ににゃんをつけて割り込む。
 「母様!似合い過ぎだし.......!」
 娘の紬は勿論、全員が何でこんなに猫耳が似合うのと思った。
 誰も猫耳を付けてる事には触れない。
 恐ろしすぎて聞けないのだ。
 「忍さん、いつも通りとは?」
 光が忍に聞いてみる。
 「私が見るには、香澄ちゃんは、まだ誰にも恋はしてないにゃん」
 「誰にも?」
 美晴が、そうなの?って顔で聞く。
 「そうにゃん、香澄ちゃんは、恋愛にはかなり疎いタイプにゃん、だから変に着飾らずにいつも通りの皆で行けばいいにゃん」
 皆が、そうかぁ~と納得する。
 「但し、エロ娘は駄目にゃん」
 「どういう事でありますか、母様」
 何故か紬だけは、いつも通りじゃ駄目だと忍さんは言う。
 紬以外の三人も、何故と言った顔である。
 「エロ娘は、いつも通りじゃただのエロ娘だから、デートの時はエロを封印しないと、間違いなく香澄ちゃんを泣かせるにゃん」
 そういう事ねぇ~と、紬以外の三人は納得する。
 「あたしから、エロを取ったら何が残るでありますか母様?」
 いや、その発言駄目でしょと三人は思う。
 「そうだにゃ~?ないにゃん」
 「母様~何かあるよね?あるよね?」
 あたしにだって、エロ以外あるよね?と忍や他の三人を見る。
 「これは、難しい問題ですわ」
 「難しいね」
 「あちしには、解決できない」
 「無理にゃん」
 四人があっさり紬を見捨てる。
 「それじゃ、あたしだけデート出来ないにゃん」
 何故か紬まで、語尾がにゃんになっている。
 こうして香澄とデートしたいから、紬が香澄とデート出来るのか?に議題は変わった。
 「やっぱりエロ封印だね」
 「私も、そう思いますわ」
 「あちしも」
 「禁欲生活するしかないにゃん」
 「やっぱりエロ封印しかないの?」
 四人がうんと頷く。
 「わかったにゃん」
 こうして、紬の禁欲生活はスタートせざるを得なかった。
 「これで、デートの話しに戻れますわ」
 「順番をどうするかだけど、取り敢えず紬は最後ね」
 「どうして?」
 「禁欲生活があるからだよ」
 「はい」
 取り敢えず、紬が最後は確定となった。
 「私も香澄ちゃんとデートしたいにゃん」
 「「「「えっ!」」」」
 四人が、見事なハモリを披露する。
 「母様も、デートしたいの?」
 「ママは駄目なの?」
 今度は、涙目になる。
 この人本当に何者?と皆思うが、駄目とは言えない。
 「忍ちん、泣いたら駄目だよ」
 「そうですわ」
 「忍さんも参加と言う事で」
 「やったーこれで香澄ちゃんの、初めては私のものにゃん」
 待って!と全員が思う。
 この人なら、巧みな話術で香澄と言えども陥落させてしまう。
 だけど怖くて、今更駄目とは言えない。
 香澄なら大丈夫だよね?何て言っても、あの香澄だしと、皆香澄に自分の貞操は自分で守ってねと、心の中で香澄の貞操の無事を祈るしかなかった。
 こうして何故か、忍さんも加わり五人になった。
 順番は、忍さんは経験があるので、他の四人には不利と言う理由から、忍さんを一番最後にしてもらい、四人の中での最後は紬で変わりなかった。
 三人は、じゃんけんで公平に決める事にした。
 順番は、美晴、光、桜、紬、忍さんの順番に決まった。
 後は、香澄に話して日取りを決める事にする事にしたが、夏休みも二週間しかないので、早めに決める必要があった。
 夕食の時間になる頃に、やっと香澄が起きてきた。
 「ごめんね~いつの間にか寝ちゃって」
 「勉強頑張りましたから」
 「香澄、良く寝れたかい?」
 「香澄ちん可愛かったよ~」
  それぞれが、声を掛けるが、エロ封印となってしまった、紬だけは声を掛けられない。
 いつもなら、エロ発言なのだが言えない。
 香澄とのデートの為に、エロを封印しないといけなかった。
 香澄は、紬ちゃんがエロ発言しないと驚いていた。
 そして、皆が触れられない忍さんの猫耳にあっさり言及した。
 「忍さん、猫耳可愛いですね、でもどうして猫耳何ですか?」
 「「「「!!」」」」
 四人は、どうして聞くの~と焦ってしまう。
 「似合うかにゃ~?」
 相変わらず語尾は、にゃ~かにゃんである。
 「凄く似合ってます」
 「嬉しいにゃん」
 「どうして猫耳付けてるんですか?」
 再び香澄が、忍に聞いてしまう。
 やめて~香澄お願いだから~と四人は蒼醒める。
 「それは趣味だからにゃん」
 あっさり忍さんが答える。
 「趣味なんですか?」
 「そうにゃん、色々持ってるから今度香澄ちゃんも、一緒にするにゃん」
 「いいんですか?」
 何故か、コスプレに香澄が反応する。
 四人は、香澄ってコスプレしたいの?これは新たな発見と脳内に記憶する。
 「勿論にゃん、その時は皆でするにゃん」
 えっ?私達もするの?と四人は思う。
 流石に猫耳やその他のコスプレは、勘弁して下さいと思う。
 「勿論するよね~?皆でコスプレをするにゃん」
 四人は、忍さんと目を合わせられない。
 忍さんは、四人に近づくとそれぞれの顔を覗き込んで「一緒にするにゃん♪」と無垢な少女の様な笑顔と声で言う。
 四人は、ガクガクブルブルガクガクブルブルガクガクブルブルガクガクブルブルガクガクブルブルと震えながらも答えられない。
 「桜ちゃんは、優しいから断らないよね~?」
 先ずは桜が標的になった。
 「も、もももも勿論ですわ」
 いつものお嬢様の雰囲気を、何とか保ちながら頷くしか出来ない。
 如何に桜でも、忍の誘いは断れない。
 断ると後が怖い。
 下手したら廃人にされてしまう。
 忍は、ニヤリと微笑むと次は美晴を標的にする。
 「美晴っちは、好きだよねコスプレ?」
 そう言うと、美晴の耳元に顔を近づけて囁く。
 「だって、家で魔法少女の衣装着るもんね、自分で作ってまで、魔法少女ピンクちゃんの衣装を~」
 「ハウッ!」
 どうして知ってるの?ピンクちゃんの衣装着てるのを、それも自作だって事まで。 
 「いいのよ~一緒にコスプレしてくれたら、秘密にしてあげる~お姉さん優しいから~」 
 「勿論参加します!」
 美晴に断る勇気はなかった。
 断れば、誰にも言ってない自分の秘密が明日には、町内のみならず隣の町にも広まってしまう。
 忍さんなら出来ると美晴は思った。
 「やっぱり美晴っちは、可愛いにゃん」
 そう言うと紬の前に行く。
 「断れば、エロ本の隠し場所バラして、全て燃やす!」
 何故か、皆に聞こえる様に言う。
 紬が、エロ本を読んでるのは香澄以外のみんは、中学生の時から知ってたから。
 香澄だけ、紬ちゃんってエッチな本読むんだと、初めて知った。
 「あわわわ」
 紬が動揺しているのを確認して、更に追い込みをかける。
 「タイトルと内容も全てバラして、台詞を言わせてから燃やす!」
 「参加しますから、どうかコレクションは燃やさないでくだしゃい~母様~うわーん」
 紬は、幼い子供の様に全力で泣き出した。
 「コレクションだけは~あたしのコレクションだけは~」
 コレクションって、何冊持ってるの?と思うが、中学生時代からせっせと集めて100冊はある。
 そして、香澄にバレない様に別の部屋にコレクションしている。
 「いい娘ねぇ~タイトル一つ言うだけで許してあげる」
 「ほんじょうに?」
 いや、タイトル一つ言うって、言ってるよと香澄以外の三人は思うけど傍観する。
 「本当よ~一番のお気に入りは、ILoveロリっ娘だもんねぇ~」
 「うん」
 紬は素直に頷く。
 紬って、やっぱりロリっ娘好きだったんだと三人は思った。
 香澄だけは頭に?マークを浮かべていた。
 ロリっ娘は、何となくわかるけどお気に入りの意味がわからなかった。
 こうして紬が、ロリっ娘好きなのがバレてしまった。
 紬は「ありがとう、ママ一つだけにしてくれて」とバラされたのに、忍に感謝していた。
 最後に光の所に来ると、美晴の時同様に耳元に顔を近づけて囁く。
 「光ちゃんって、スポーツ少女でボーイッシュだけど、お部屋って可愛らしいわよね」
 ビクッと光の身体が震える。
 「そ、そんな事.......」
  「いいのよ~お部屋に沢山ぬいぐるみがあって、ぬいぐるみに名前つけて、毎日話し掛けて抱いて寝ていても~」
 忍さん、どうしてそれをって顔をする。
 「お気に入りは、犬のぬいぐるみで名前は、かすみだよね~香澄ちゃんが転校して来てから買ったのよね~」
 「あぅ!」
 光らしからぬ声を出して震えだす。
 「かすみを香澄ちゃんと思って、キスとかしちゃうのよね~」
 「うぐっ、えぐっ」
 あの光さんが、泣きそうになっている。
 「誰も泣かせたい訳じゃないのよ~ただ一緒にコスプレしたいの~」
 「あぅっ、うぐっ、えぐっ、しましゅから、どうか.......ひみちゅにしちくだしゃい」
 光さんは、半泣きになりながら懇願する。
 「どうしようかなぁ~光ちゃん次第かなぁ~」
 忍さんは、普段絶対に見せない光の姿をもう少し見たいと思って苛める。
 「着ましゃ、忍しゃんの言う事に服従しましゅから、だからお願いだから、うぐっ、えぐっうわーん」
 呂律が回らない上にとうとう、あの光さんが泣き出した。
 初めて見る光の号泣に、皆ただ驚く。
 「あの光さんが」
 「光が」 
 「光ちんが」
 香澄だけどうしたの?と相変わらずである。
 「これからは、私の言う事は絶対よ~わかったかにゃん」
 「はい」 
 こうして、何故か光さんはコスプレだけじゃなくて、忍さんに服従を誓わされた。
 こうして、香澄とのデートだけではなくて、皆でコスプレも決定した。 
 (今度は、桜ちゃんを服従させて、美晴っち、香澄ちゃんの順番ね)
 忍さんハーレム計画が、秘密裏に進もうとしないたなんて、誰も気付いてなかった。
 そして、何故忍さんが光と美晴の秘密を知っていたのかは、永遠の謎である。
 皆で夕食を食べながら、デートの事を香澄に話して、日取りを決めた。
 香澄は、最初は戸惑ったけど、それぞれと更に仲良くなるチャンスと思ってOKした。
 因みにコスプレは、デートが終わった後に何故か、毎週末に開催が決定した。
 こうして、香澄ちゃんとデートしよう計画はスタートした。
 この時点では、全員に香澄の彼女になるチャンスがあった。
 勿論忍さんも含まれていた。
 忍以外の四人は、忍さんは駄目だからと思っていたけど、勿論言えなかった。
 香澄の初恋は、また少し近づいて来ていた。
 

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