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転生システムでチートスキルを手に入れたので異世界で無双します。

みももも

クエストツアー(1)

「みなさん、よく集まってくれました……。 ギルドからみなさんに大事な話があります」
「ラビちゃん先生、おはようございます! それで私たちに話ってなんですか?」
「もしかして昨日、俺たちが報告をサボったことが怒られた……とか?」
「ラビちゃん先生、そうなんですか? だったら悪いのは全部ミッシェルです。 ほらミッシェル。 謝りに行きますよ!」
「ちょっと待てスミス。 確かに言い出したのは俺だが、それはあまりにも酷くないか?」
「冗談ですよ。 責任を取る時は全員一緒です。 ……もちろんマシロさんは女性なので、責任は俺たちで……」
「ねえスミス、気付いてないかもしれないから言っておくと、実は私も女性だよ?」
「ウィス隊長は……ウィス隊長なので。 なあ、ミッシェル?」
「ああ。ウィス隊長は、ウィス隊長だからな!」


 ウィス、マシロ、ミッシェル、スミスの四人はラビから呼び出しのメッセージを受けて、ギルドの会議室に集合していた。
 いつも通りの感じでワイワイガヤガヤと話し合うが、ラビが「コホン!」と空咳をつくとそれぞれ話すのをやめてラビの話に耳を傾ける。
 マシロだけはテンションの落差についていけずに戸惑っているが、どうやらこれがこの三人組とラビとの関係性らしい。 マシロは「いつか私もこの一員に!」とこころの中で誓いつつ、同様にラビの話に集中することにした。


「別に、怒るとか怒られたとかの話ではありません……。 昨日、ギルドに成果を報告したときに、『みなさんをクエストツアーに参加させても良いのでは?』という話が上がったので、そのことを伝えようと……思ったのです」
「えっ? 本当に? ラビちゃん先生、本当なの?」
「はい、ウィスさん。 昨日、ギルドとして正式に……『クエストツアーを発行しても良い』という許可が、出ました……」
「そうか……、ついに俺たちの夢が叶うのか……」
「ミッシェル、なに泣いてるんだよ! 違うだろ、ここからが俺たちの夢の始まりだろ?」
「……クエストツアー? って、なんです?」
 ラビの話を聞いて、ウィス、ミッシェル、スミスの三人は目に涙すら浮かべて感激し、マシロだけが疑問符を浮かべた表情で周りを見渡している。
「マシロちゃん!」
「え、なんですかどうしたんですかウィスさん」
「クエストツアーっていうのはね! ギルドが認定している、各地のクエストをこなして回る連続クエストのことなんだよ!」
「そうなんですか……で、なんでみんなそんなに感極まってるんですか?」
「それは、……それはね!」
「マシロさん、俺たちは元々この町近くの村が出身の農民だったんだ」
「そうそう。 ウィス隊長は魔術を学ぶ学校の出身だけど、僕とミッシェルは学もない、それこそただの村人だったんだ……」
「それでね! マシロちゃん、私たちはそれぞれ冒険者を目指してこの街にやってきて意気投合してパーティーを組んだんだけど、最初は誰も私たちのことを信用してなくて、だから薬草集めみたいな誰でもできるけど面倒くさい仕事からスタートして……ここまでくるのに3年ぐらいかかったかな」
 ウィスは過去を思い出すように目を瞑って上を向き、涙がこぼれるのを必死で堪えているようだ。
 パーティーの隊長としては泣いている姿を見せたくないが、今まで一番苦労してきたのも隊長であるウィスなので、過去の光景が色々と思い浮かんでいるのであろう。


「マシロさん、私の方からも補足をしておきますね……。 クエストツアーというのはウィスさんが言う通り、ギルドが発行できる連続クエストのこと……です。 達成することで『Bランク』冒険者の認定試験を受けることができるようになります……が、失敗してしまうと冒険者本人だけでなく、クエストを発行したギルドにまで責任が及びます……。 なので、ギルドとしても『彼らなら任せても大丈夫』と信頼したパーティーにしか発行しないもの……なんですよ」
「なるほど、それでウィスさんたちはこんなに……。 私は入ったばかりなのに、ご一緒させてもらってもいいんですか? なんか申し訳ないんですけど」
「なに言ってるの! マシロちゃん、マシロちゃんが来たからこそ! マシロちゃんがパーティーに入ってくれたからこそ、私たちはギルドに認めてもらえたんだよ!」
「そうだぜ、堅苦しいこと言うなよ。 俺もスミスもウィス隊長だって、マシロさんのことを仲間だと思っているからな!」
「二人の言う通り、僕もマシロのことを歓迎するよ。 ようこそ僕たちのパーティーへ!」
 ウィスもスミスもミッシェルも、マシロが来たからこそギルドに認めてもらえたのだということをしっかりと認識していた。
 近接戦闘を得意とするミッシェルに、魔道具でのサポートを得意とするスミス。 さらに魔術全般を得意とするウィスがいて、バランスが良いと一目置かれていたパーティーに視力特化のマシロがアクセントとして加わったことで、このパーティーは化学変化を起こしたのだ。


「ウィスさん、ミッシェルさん、スミスさん。 ありがとうございます。 私も精一杯頑張るので、これからよろしくお願いします!」
 マシロがペコリと頭を下げて、三人が「こちらこそよろしくね」「よろしくな」「よろしく!」と声をかけながら拍手をしながらウィスがステータスカードで手続きを行い、この瞬間マシロのパーティーへの加入が正式に決定した。


「それでは皆さん、クエストツアーの概要を説明しますね」
「「「「はい! よろしくお願いします、ラビちゃん先生!」」」」

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