3分小説

sudachi

ショーウィンドウの恋

私は、マネキン。
ショーウィンドウの中で、行き交う人を毎日見ているの。

私の仕事は、このお店「adorable《アドォーラァブル》」で、
女性達の見本となる事。

もちろん、この仕事が大好き。


道路を挟んだ向こう側、
オープン準備を忙しなく進めるお店のショーウィンドウの中にいる彼に私は恋をしてしまった。

スーツ姿の彼。
爽やかな白い歯。

でもこの恋は叶わない。
私のいるお店は取り壊しが決まってる。

彼の姿を見るのもあと少し。

あのお店がオープンする時には、ここは閉まってしまう。

私の気持ちを伝えたい。
彼と同じショーウィンドウに並びたい。




今日で、さようなら。
閉店の日がやってきた。

私はショーウィンドウから撤去され、
彼の姿をもう見る事は出来ない。

ありがとう。




次の日、
私は新しいショーウィンドウに並んでた。
憧れの彼の隣で。
新しくなったこの「adorable《アドォーラァブル》」の店先で。

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