3分小説

sudachi

1+1=



中学2年の頃の話だ

どうしようもなくアホだった俺は、
担任から「このままだと、高校どこにも行けないぞ」と耳にタコが出来るほど聞かされた。

家に帰れば、親からも目が合えば「勉強しろ」そればかりだった。


そんな日々を過ごし、学校に行くのが嫌になりだした頃だった。

机の角に落書きを見つけた。


1+1=


「誰だよ、俺の机に落書きしたのは!」

誰かが俺の真新しい机に鉛筆で落書きしていた。
俺は、その落書きを消そうと思い筆箱を開けだが、何故か消しゴムが入っていない。

仕方なく、シャープペンシルを取り出して、答えを書いてみた。

1+1=2


次の日、机の上の落書きは
新しい問題になっていた。


10+10=


俺は答えを書き込んだ。


10+10=20


また次の日も、問題が変っていた。


5-3=


俺は、毎日出される問題に答え続けた。


5-3=2

12-10=2

250+35=285

20×6=120

130×149=19370







毎日俺に出される宿題は、
だんだん難しくなっていた。


解らない問題が出た時は、
教科書を読み返した。
数学の先生に質問をしにも行った。


ある日、俺は
答えを書いたその下にある質問をした。

3x+5=29

3x=29-5
3x=24
x=8

問1
あなた=


次の日新たな問題と昨日の答えが書いてあった。


あなた=未来人


「未来人?ははっ、面白い。」

俺は、それ以上質問はしなかった。


俺は、その未来人のお陰で、
勉強が少しずつ好きになり、
テストでもいい点が取れるようになった。

それは、3年生になるまで続いた。



そんな俺も、無事高校大学と卒業して、
教員免許を取得して、教師としてこの教室に戻ってきた。


昼間はいっぱいいっぱいで気がつかなかったが、机も当時俺が使っていたもそのまま残っていた。

俺は、「教師失格だな」っと思いつつ、
机の角に落書きをした。


1+1=

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