好きだと素直に言えたなら、

あん

episode14

「やば、もう7時だよ」

気がつけばベンチに座って1時間近く話してた。
だいちゃんといるといつもこうだ。
話しているのが楽しくて、時間を忘れてしまう。

「ねぇ、最後にあれ乗ろう」

だいちゃんが指さした先には観覧車が見えた。
なんだか恋人みたいで照れくさいけど私も乗りたいと思っていた。
この時間は夜景が綺麗だからか少し出来ている列に2人で並んだ。
やっぱりカップルばっかりだ。

ほんの数分待ってば自分たちの番が来た。
私たちは向かい合って座った。
2人でこうやって過ごしたのは初めてじゃないのにこの空間にいるとなんだか緊張する。

「今日はありがとうね」
「うん、こちらこそ」

徐々に上がっていくゴンドラに比例するように私の心拍数も上がっていく。
高いところ苦手じゃないのにどうしてだろう。

「記念に写真撮ろう」

だいちゃんはそう言って私の隣に座り直した。
だいちゃんのスマホで写真を撮る。

「ニューヨークから帰ってきたらさ、またこうやって一緒に遊ぼうよ」
「もちろん!てかなんだったらニューヨークに来てくれてもいいんだよ?」
「本当に行くぞ?」
「…きてほしいな」

私が小さい声で呟くとだいちゃんは優しく微笑みながら私の頭を撫でてくれた。
ニューヨーク行きが近づくにつれてちょっと寂しい気持ちもあり、思わずそう言ってしまったのだ。

「いつでも電話してよ。俺基本ひまだからさ」
「もちろん。時差とか気にせずに電話してやる」
「夜中の電話とかやめろよ?」
「やめろって言われるとしたくなっちゃうなぁ」
「だめでーす」

だいちゃんみたいな存在がいて本当によかった。
改めて思えた、そんな日だった。

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