好きだと素直に言えたなら、

あん

episode12

「あ、美怜、あれ行こう!」

満面の笑みでそう言うだいちゃんが指さす方を見ると日本一怖いと有名なお化け屋敷だった。

「あれはちょっと、」

こう見えてもお化け屋敷はちょっと苦手で。
学校の文化祭のレベルのものでも無理なのに。

「あ、すぐ入れるみたいだよ。行こう!」

だいちゃんは全く怖くないのか私の手を取って、お化け屋敷の方に向かって歩き出した。

「お2人ですね。どうぞ」

入口の所に立っていた従業員のお姉さんにそう言われた。

私はだいちゃんを盾にするかのように後ろに隠れて進んだ。

「いやー、久しぶりに入ったけどやばいね」
「今ならリタイアしてもいいって書いてあるよ。出ない?」
「なに美怜。怖いの?」
「いや別に」
「ふーん。じゃ行こう」

完全に楽しんでやがる。

ーーヒュウ…バン!!ーー

「うわっ!」

脅かしてくる幽霊にビックリしながらもだいちゃんは進んでいく。
てか待って。
今気がついたけど、手繋いでる。
しかも怖すぎてめちゃくちゃだいちゃんにくっついてた。

我を取り戻した私はだいちゃんから少し体を離し、手を握っていた力を緩めた。

「ん?どうした?」

私の異変に気がついただいちゃんが振り返る。

「あ、いや。手汗が酷くて」

実際そうでも無いけどそう言ってみる。

「そんなことないよ」

離せるどころかより強く手を握られてしまった。

ーーバンバン!!ーー

「「うわっ!!」」

2人で声を揃えて驚いて、思わずだいちゃんの腕にしがみつく。
今は恥ずかしさより怖さの方が勝つみたい。

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