好きだと素直に言えたなら、

あん

episode10

デート当日。

「なんかいつもよりいい感じだね」

着替えを済ませ、メイクを終えた時、潤が部屋に入ってきた。

「これはだいちゃんも惚れちゃうなー」
「何言ってんのよ」

だいちゃんと同じく私の兄も調子のいいことをよく言う。

「あ、やばい。もう行かないと」

今日はだいちゃんが車で迎えに来てくれるらしい。

「気を付けてね」
「はーい」

朝からお菓子を食べている兄を横目に急いで玄関に向かい靴を履く。

「お土産忘れないでよ?」
「はいはい。行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」

なんだか緊張してきた。
高まる鼓動を落ち着かせるかのように深呼吸をし、だいちゃんの待っている車へと急いだ。


「美怜!こっち!」

近くの駐車場に止めてある車の中からだいちゃんの声が聞こえた。
あれ、なんかいつもと違う。
ボサボサヘアでオシャレに興味のないだいちゃんが居ない。

「今日、綺麗だね」

車に乗り込むといつもと同じセリフを言われる。

「いつもそれ言うじゃん」
「いつもも綺麗だけど、今日は一段と綺麗だよ」

恥ずかしげもなく真っ直ぐな瞳でそう言ってくる。
こっちが恥ずかしくなるからやめて欲しい。

「じゃあ、行きますか」

なんだかんだだいちゃんが運転する車に乗るのは初めてかも。

「運転よくするの?」
「ん?免許取ってから3回目とかかな!」

不安でしかない。

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