好きだと素直に言えたなら、

あん

episode1

私の好きな人。
それは近くにいるけど、なぜかいつも遠く感じてしまう。
このまま二人でいられたらいいのに。


ーーーーー


「じゃあ、始めようか」

渉くんがカメラをセットし、私の隣に座ってそう言う。
渉くんは今人気の職業のYouTuber。
それも5年も前からやっていて今では登録者数500万人もいる有名な人。
今日はそんな渉くんの相方にドッキリをかける為、協力してほしいと渉くんの家に呼ばれたのだった。

「今日は強力な協力者を呼んでおります!」
「よろしくお願いします、美怜です!」

私が中学生の頃から渉くんとは兄を通して接点があり、何度か動画にも出させてもらっているから常に渉くんたちの動画を見ている人は私のことを知ってくれている。

企画の渉くんが説明をし始めた。
今回の企画は渉くんの家に相方のよっしーさんを呼んで撮影をしていたら、私が家に合鍵で入り、遭遇してしまい、実は付き合っていたと明かすドッキリとなっている。

「俺ね、女の子で一番仲いいの美怜ちゃんなんだよ。てか、連絡頻繁に取る人美怜ちゃんくらいしか居ないんだ」

笑いながら言う渉くんは確かに女っ気がない。
無さすぎて一時期童貞なんじゃないかと噂が流れたほどである。

「ぶっちゃけ、美怜ちゃんも一番仲のいい男性YouTuberは俺でしょ?」
「それはもう、潤ですよ」
「それはずるい」

潤とは私の双子の兄で一人でやってるのにも関わらず登録者数が650万人もいる立派なYouTuberだ。

「お兄ちゃん抜いてだったら?」
「正直に言うと、だいちゃんです」

だいちゃんとは他のグループYouTuberのメンバーだ。
悩み事などもよく聞いてくれて本当のお兄ちゃんみたいな存在なんだ。

「仲良いもんね、だいちゃんと」
「唯一、2人きりでご飯行ったことある男の人ですもん」
「俺とは行けないの?」

悲しそうな顔をして聞いてくる。

「逆に行ってくれるんですか?」
「もちろんだよ」

カメラがあるから傷つけないようにそう言ってくれるんだろうな。

「じゃあ、今度、、、」

ーーピロンーー

「あ、やばい。もうすぐ着くって」

タイミング悪くよっしーさんからもう着くという連絡が渉くんの元に来た。
あーあ、ご飯いけるチャンスだったのに。

なんて思いながら渉くんに指示をされ、別の部屋に隠れた。

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